「ニューヨーク 最後の日々」(原題:People I Know, 2002)を見た。
ほとんど知らない映画だったが、主演がアル・パチーノ、共演にキム・ベイシンガー、ライアン・オニール、製作がロバート・レッドフォードというベテラン俳優の顔合わせの人間ドラマということでみた。15年前の映画だが、現在のアメリカの政治・人種問題にも通じるテーマを扱っている。
アクションや見せ場があるわけではなく、ニューヨークを舞台に、華やかさと虚構が渦巻くショウビズ界の実情をあぶり出していくサスペンスタッチのヒューマン・ドラマ。
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パブリシスト(広報マン)として成功をおさめたイーライ・ウーマン(アル・パチーノ)は、華やかな生活の陰で消耗しきっていた。彼の唯一の慰めは、亡き弟の未亡人ヴィクトリア(ヴィッキー)(キム・ベイシンガー)。
イーライは、ケアリーがイベントに出席することを交換条件に引き受けるが、ジリーはホテルで、イーライが眠っている間に殺害されてしまった。イーライはその現場にいたことで警告を受けるが、そんな中、いよいよイベントが始まる。
ケアリーをはじめ、黒人指導者のブラント牧師(ビル・ナン)や大富豪のエリオット・シャランスキー(リチャード・シフ)らが出席したため、結果は大成功。
満足したイーライは、ヴィクトリアと共に暮らす決意を固めるが、彼女と別れたあとで刺殺されてしまうのだった(MovieWalker)。
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米国南部・ジョージア州出身の主人公イーライの過去の栄光と苦悩の最後の悲劇の一日を描く。アメリカの抱える薬物・アヘン(麻薬)、人種問題(アフリカ系アメリカ人のアフリカへの強制送還など)様々な問題をあぶり出している。ビルの中の厳重な会員制の一室における薬漬けの生態、狂乱のシーンはおぞましい。
時代も反映。携帯電話が登場しはじめたころで、まだ折り畳み式ではなく、ハンディタイプの四角の重いトランシーバーのような形の製品。
ヴィッキーとイーライはジョージアで幼友達でもあった。
ヴィッキーはイーライの弟と結婚したが、友情は続いていた。ヴィッキーは、イーライと共にジョージアに戻って暮らしたかった。牛を飼っているようで、ヴィッキーは母屋で、イーライは納屋で・・・という提案に、イーライも納得した矢先だったが・・・。
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(1973)「セルピコ」(1973)「狼たちの午後」(1975)で活躍したが、1980年代は”絶不調”時期と言われた。1992年に「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」でアカデミー賞主演男優賞を受賞して、演技派ぶりが認められた。
「ニューヨーク 最後の日々」では、往年のライアン・オニールが、「ある愛の詩」(1970)から30年後となるが、恰幅がよくなり貫録を見せていた。キム・ベイシンガーは当時48歳くらいで、「セルラー」の2、3年前で、なかなか魅力的だった。
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「ニューヨーク 最後の日々」(原題:People I Know)
製作国:アメリカ、 2002
製作総指揮:ロバート・レッドフォード
監督:ダン・アルグラント
脚本:ジョン・ロビン・ベイツ
主な出演:
イーライ・ウーマン - アル・パチーノ ビクトリア・グレイ - キム・ベイシンガー ケアリー・ローナー - ライアン・オニール ジリー・ホッパー - ティア・レオーニ エリオット・シャランスキー - リチャード・シフ
ライル・ブラント - ビル・ナン
日本公開:2003年6月14日
100分
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