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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1970年代(154)「狼たちの午後」(1975)

狼たちの午後」(1975)の原題は、Dog Day Afternoon。

 

「dog day」とは、盛夏、土用、夏の暑い時期のことで、”夏真っ盛りの午後”をいう。
監督は、名匠シドニー・ルメット

 


 

1972年8月、ニューヨーク・ブルックリンで起きた実話を映画化した。

 

3人の男が、銀行強盗を目的に、閉店の間際のチェースマンハッタン銀行に入ってくる。

 

そのうちの1人は早々に怖じ気づいて逃げ出してしまい、残った2人、
ソニーアル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)も、現金を奪って
すぐに引き上げるつもりだったが・・・。

 

あっという間に警察に包囲され、銀行員たちを人質に取り、長く熱い午後が始まる。

 

ジリリンと鳴るダイヤル式電話。
白黒ポータブルテレビに映し出される実況中継など、ハイテク機器のない時代。

 

刑事(チャールズ・ダーニング)が、交渉にやってくる。

 

ソニーたちの行動が、行き当たりばったりにもみえ、人質たちもソニーたちを恐れなくなり、
だんだんと好意的態度を取り出してきて、自分たちが人質であることを楽しむかのような様子も
見せ始める。

 

交渉は、直接ソニーが外に出て警察と行うが、人質の命がかかっているため
警察もうかつには手出しができない状況。

 

警察の不手際が目立つことから、周りを囲む野次馬たちはあっという間に
ソニーをヒーロー扱いしてしまう。

 

ソニーがなぜ銀行強盗に及んだのか、徐々に明らかに。

 

それは、両親、妻と2人の子供、そしてもう1人の"妻"・・・という家族たちのためだった。

 

アル・パチーノは、「ゴッドファーザー」「セルピコ」と並ぶ名演を
見せた。

 

とくにイライラして、動き回ったり、瞳の動きだけで細かな感情の動きを
現すなど、演技力のすごさを見せていた。

 

相棒サル役のジョン・カザールは、「ゴッドファーザー」でも兄弟の役で、
アル・パチーノと共演していたが、終始おどおどした様子・態度などが
真に迫っていた。

 

登場人物全員がカッコ悪く、人間くさいのが、この映画の魅力だったかもしれない。

 

アル・パチーノの役者ぶりを再認識した映画だった。

 

予告編はこちら:

Dog Day Afternoon Trailer



☆☆☆☆