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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「キートンの蒸気船」(1928)

スラップスティック喜劇の王様、バスター・キートンのサイレント晩期の代表的傑作。
”笑わない”喜劇王とよばれ、チャップリンと人気を二分した喜劇俳優
1920年代が黄金期だった。

 

バスターの名前の由来は、赤ん坊の頃、階段から落ちても、怪我もしなかったので、
「バスター!(やる奴だ!)」と巡業一座の人が叫んだことによるという。

 

1966年に70歳の生涯を閉じるまでに、141本の映画がある。
主に無声映画で活躍したが、晩年のトーキー映画では、「サンセット大通り」(1950)、「ライムライト」(1952、なんとチャップリンと共演)、「八十日間世界一周」(1956)、「おかしなおかしなおかしな世界」(1963)、「ローマで起こった奇妙な出来事」(1966)などがある。

 


 「キートンの蒸気船」では、クライマックスの大暴風雨による町の崩壊シーンと、その中を逃げまくるキートンのパフォーマンスによって、キートン映画の中でも特に
知られている作品。監督は「ベター・オール」のチャールズ・F・ライズナー。

 

こんなストーリー:
ミシシッピー川で操業している蒸気船、ストーンウォール・ジャクソン号のオーナー、ウィリアム・キンフィールド(アーネスト・トーレンス)は“スチームボート(蒸気船)ビル"と呼ばれている町の人気者。
彼には、一人息子スチームボート・ビル・ジュニア(バスター・キートン)がいる。
彼は故郷を離れてボストンに遊学中だった。副船長のトム・カーター(トム・ルイス)とのどかな毎日を送るビルだったが、強力なライバルが現われた。金持ちのジョン・ジェイムズ・キング(トム・マクガイアー)がピカピカの新造船キング号をつくり事業に乗りだしたのである・・・。

 

そんな時、ボストンから息子が帰ってくる。
都会風に妙に洗練された息子を見て、父は落胆。
おまけに息子と、商売仇の娘メアリー(マリオン・バイロン)が恋仲になり、ますます面白くない。

 

さらにジャクソン号が老朽化のため使用停止の勧告を出されてしまった。
警察にはむかったためビルは拘置所に入れられてしまう。ジュニアは父親を助けようとするが、
そこへ巨大な暴風雨がやってきて猛威を奮う。

 

ミシシッピの河川地帯は大パニックとなり、吹きすさぶ風の中、ジュニアは父親と恋人メアリー、そして命を落としかけたキングも救い出すのだった。

 

チャップリン人気は、日本では絶大だったが、キートンは、一部に人気はあったものの、笑わないのが災いしたのか、暗さで、いまひとつだったようだ。

 

この映画を見たのは、3本立てで、ほかの映画は「O嬢の物語」「逢いびき」といった、
まったく種類の異なる映画だった(1976年)。何たる組み合わせ(笑)。