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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「レット・ザ・サンシャイン・イン」(2017、フランス映画)J.ビノシュ主演。

 
第30回東京国際映画祭で見た2本目の映画はジュリエット・ビノシュ主演のアラフォー女性の大人の女の恋愛コメディ・ドラマレット・ザ・サンシャイン・イン」(原題:Bright Sunshine InUn Beau Soleil Intérieur、2017)。この邦題も原題をカタカナにしただけで、工夫が欲しい。クレール・ドゥニ監督(「ショコラ」「パリ、18区、夜。ほか)。
 
中年に差し掛かったイザベルジュリエット・ビノシュは、シングルマザーのアーティストで、自由奔放で恋愛意欲盛ん残りの人生の伴侶を求めてデートを繰り返すが、どの相手も一長一短があり、なかなかうまくいかない。
 
 
やはりこの年になると難しいのかを問うが、最後にようやく”大本命”登場かというエンディングがニヤリとさせられる。その最後に登場する男優は現代フランスでトップにランクされる俳優で味わいがある。
 
アラフォー以上のオトナは必見の本作はカンヌ映画祭でも大好評を博し、監督週間部門のSACD賞を受賞
 
主演のジュリエット・ビノシュといえば、1996年公開の「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー助演女優賞を受賞、また世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞した女優である。最近ではアメリカ版ゴジラ映画「GODZILLA ゴジラ」(2014)や「ゴースト・イン・ザ・シェル」(2017)などがある。
 

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映画の評価は賛否両論の様子。
酷評の中には「ただ顔のいいメンヘラ女がほいほい男に騙されて都合のいい女にされているだけの話」というのもある。
 
メンヘラというのは、ネット用語で、かに情を向けてもらいたい、そんな自分が何よりおしいかに気を向いてもらうためになんでもする「かまってちゃん」行為がベースにあるのだという。
 

 
映画はいきなり、
18禁映画かと思うような”息を呑む”ようなベッドシーンから始まり、そんな関係を持った男が複数登場する。しかしそんな関係は一時的なもので、心の空洞は埋められない。
 
そんな時に、カウンセラーが登場して、イザベルの奥底の心理や望みを言い当てるように指摘していく。だんだん、イザベルの顔が希望に満ちた表情に変わっていく。
 
このカウンセラーに扮しているのが、フランスを代表する名優ジェラール・ドパルデュードパルデューは、イザベルの魅力に惹かれ、たんたんと語るが自分に気持ちを向けさせるための伏線となる言葉を次々と並べ立てていくのだ。
 
「案外身近に理想の人が現れそうだね」「え、そうですか。期待していいですか。」
 
そのあたりの”間接的”口説き文句が、観客にも伝わり、笑いを誘っていた。ラストシーンで、登場人物(俳優)の名前が大きく映し出されていくところは、なかなか洒落ている。ドパルデューがほんの短い時間の登場だが、おいしいところを持っていったという印象。
 
フランス映画を見ていると、すべての根底に「ラブ」(恋愛)があるとでも言いたそうな映画ではあった。(シングルらしいとみられる)女性がいると、必ず男が声をかけてくるというのは、イタリアの定番だが、どうもフランスもそうらしい(笑)。
 
ビノシュは、雰囲気としては、フランスの石田ゆり子といったところか。
 
監督/脚本 : クレール・ドゥニ
脚本 : クリスティーヌ・アンゴ
撮影監督 : アニエス・ゴダール
編集 : ギイ・ルコルヌ
音響 : ジャン・ポール・ミュゲル
セット・デザイン : アルノー・ドゥ・モレロン
衣装 : ジュディ・シュルーズベリー
音楽 : スチュアート・A・ステープルズ
 
ジュリエット・ビノシュ
グザヴィエ・ボーヴォワ
フィリップ・カトリーヌ
ジョジアーヌ・バラスコ
サンドリーヌ・デュマ
ニコラ・デュヴォシェル
ジェラール・ドパルデュー