第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の最高賞(パルムドール)は「トライアングル・オブ・サッドネス」(原題:Triangle of Sadness)が獲得した。この映画はスウェーデン・フランス・イギリス・ドイツ合作の風刺コメディ映画。
「トライアングル・オブ・サッドネス」
監督はリューベン・オストルンド。オストルンドはスエーデンの監督、脚本家であり、前作「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(2017)に続いて2作連続での受賞を果たした。監督としては初の英語作品。
出演はハリス・ディキンソン、チャールビ・ディーン、ウディ・ハレルソンなど。
豪華客船での船旅に招かれたモデルのカップルが、嵐によってほかの裕福な乗客たちとともに無人島へ取り残されるさまが描かれる。
【第75回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門】受賞結果。
リューベン・オストルンド「Triangle of Sadness」
■グランプリ
ルーカス・ドン「Close」
クレール・ドゥニ「Stars at Noon」
■監督賞
パク・チャヌク「Decision to Leave」
■脚本賞
タリク・サレ「Boy from Heaven」
■審査員賞
イエジー・スコリモフスキ「Eo」
シャルロッテ・ファンデルメールシュ、フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン「Le otto montagne」
■第75回記念賞
ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ「Tori et Lokita」
■最優秀女優賞
ザーラ・アミル・エブラヒミ「Holy Spider」
■男優賞
ソン・ガンホ「ベイビー・ブローカー」
【第75回カンヌ国際映画祭 ある視点部門】受賞結果
■ある視点賞
リーズ・アコカ、ロマーヌ・ゲレ「Les Pires」
■審査員賞
Saim Sadiq「Joyland(原題)」
■最優秀監督賞
Alexandru Belc「Metronom(原題)」
■最優秀パフォーマンス賞
ヴィッキー・クリープス「Corsage(原題)」
アダム・ベッサ「Harka(原題)」
■最優秀脚本賞
Maha Haj「Mediterranean Fever(原題)」
■カメラドール
ライリー・キーオ、ジーナ・ギャメル「War Pony」
■スペシャルメンション
早川千絵「PLAN 75」
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是枝裕和の監督作「ベイビー・ブローカー」(韓国映画)が第75回カンヌ国際映画祭のエキュメニカル審査員賞を受賞。主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞したので2冠となる。
「ベイビー・ブローカー」は、自らの手で育てられない赤ん坊を匿名で預けられる“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った人々の旅路を描く。預けられた赤ん坊を横流ししてマージンを稼ぐベイビー・ブローカーのサンヒョンとドンスをソン・ガンホとカン・ドンウォンが演じた。赤ちゃんポストに赤ん坊を預ける女ソヨンにイ・ジウン(IU)、サンヒョンとドンスたちを追う2人の刑事にペ・ドゥナとイ・ジュヨンが扮している。
韓国人俳優がカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞したのはこれが初めて。是枝の監督作としては、柳楽優弥が「誰も知らない」で受賞して以来となる。
エキュメニカル審査員賞は、カンヌ国際映画祭の独立部門の1つで、キリスト教関連の国際映画組織「SIGNIS and INTERFILM」の6人の審査員によって、コンペティション部門出品作の中から選ばれる賞。
日本人監督の作品としてはこれまで、濱口竜介の「ドライブ・マイ・カー」、青山真治の「EUREKA(ユリイカ)」、河瀬直美の「光」に授与されてきた。
日本の早川千絵は新人賞に相当する「特別賞」を受賞した。
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