© HFPA、Golden Globe Awards
メリル・ストリープが登場したときには全員が立ち上がって祝福した。
ストリープは、手を前方でひらひらとさせて、「座ってください」と語った後、感動的なスピーチを行った。新大統領の名前こそ出さなかったが、その人物の差別的な発言に対してどうしても一言言わずにはいられないという心情を吐露したようだ。
ストリープの発言の要旨はこうだ。
「授賞式の会場にいる俳優や候補者の多くは、小さな町や貧しい家庭の出身、片親に育てられたり、あるいは様々な国で生まれ育ったアウトサイダーだ」「この1年の間であっけにとられた演技、私の心に鍵爪を深く沈めた演技は、この国で最も尊敬される席に座ろうとする人間が、障害のある記者を真似した姿でした」と、トランプが選挙戦中にニューヨーク・タイムズ紙のセルジュ・コバレスキ記者を模倣して嘲笑したとされることに言及。
「特権や権力、抵抗する力のすべてにおいて、自分が勝っている相手です。これを観たときに私の心は少し砕けてしまって、いまだに頭の中から追い出せない。映画の場面じゃなかったので。現実だったので。そしてこの、人に恥をかかせてやろうというこの本能を、発言力のある権力者が形にしてしまうと、それは全員の生活に浸透してしまいます。というのも、こういうことをしていいんだと、ある意味でほかの人にも許可を与えてしまうので。他人への侮辱は、さらなる侮辱を呼びます。暴力は暴力を扇動します。そして権力者が立場を利用して他人をいたぶると、それは私たち全員の敗北です」と訴えていた。
それはともかく、メリル・ストリープの映画史に燦然と輝く実績は驚きだ。
1977年、フレッド・ジンネマン監督の「ジュリア」で映画デビュー。
同年、アントン・チェーホフ作の「桜の園」の舞台に立つ。「桜の園」におけるストリリーの演技に目を止めたロバート・デ・ニーロは、「ディア・ハンター」の彼の相手役としてストリープを推挙。1978年12月公開の同作品で第51回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。
1979年公開の「クレイマー、クレイマー」でアカデミー助演女優賞を、1982年公開の「ソフィーの選択」でアカデミー主演女優賞を受賞。さらに、2011年公開の「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、アカデミー主演女優賞を受賞した。
アカデミー賞では俳優としては史上最多となる18回ノミネートされ他ほか、今回のゴールデングローブ賞では27回ノミネートされ、いずれも最多記録を更新している。
昨年(2016年)2月に開催された第66回ベルリン国際映画祭の審査委員長に選出された。
アカデミー賞でも注目されそうだ。
そうそうたる俳優、女優、映画監督などが並んでいます。
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