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<span itemprop="headline">映画「摩天楼を夢見て」(1992)ジャック・レモン、アル・パチーノ、ケヴィン・スペイシー出演。</span>






摩天楼を夢見て」(原題:Glengarry Glen Ross1992、日本公開1993年)を見た。
不動産の営業マンと会社の上役たちとの言葉の応酬、とくにスラングで罵り合う言葉が強烈な一種の密室劇。そうそうたる新旧俳優が共演しているのに驚く。


1995年の「セブン」「ユージュアル・サスぺクツ」で有名になる3年前の
ケヴィン・スペイシーだが、その強烈な個性の片りんが見られた。何といっても、ジャック・レモンの哀感をにじみ出し、立て板に水のような語り口のすごさ!名優の域にあるアル・パチーノエド・ハリスアラン・アーキン、アレック・ボールドウインなどが出演し、演技合戦を繰り広げる人間ドラマ。

監督は「アフター・ダーク」のジェームズ・フォーリー
1983年ロンドンで初演され、ピューリッツァー賞を受賞したデイヴィッド・マメットの同名戯曲グレンギャリー・グレンロスを「殺人課」などで監督としても活躍するフォーリー自身が脚本化。音楽は「愛の選択」のジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。

この映画を見ると、アメリカというのが、ビジネスを行う上では、実力・成果主義で、成績の悪いものは簡単にクビになるという厳しい世界であることを改めて思い知らされる。不動産の営業マンが、言葉巧みに電話で相手にセールストークをする姿がすさまじい。

アメリカのビジネスマンというとスマートでモーレツ社員という印象もあるが、現実は、この映画のように、ぶつぶつ会社のトップの文句を言い、酒を飲んで憂さ晴らしをしたり、基本は日本と変わらないようだ。ただ、簡単にクビになったり、悪態をついて「やーめた」と出て行く社員はアメリカだけのようだ。

・・・                                                シェリー・レーヴィン(ジャック・レモン)はかつては成績優秀な不動産セールスマンだった。しかし今は娘の入院やツキがないやらで、成績不振。



4人の営業マンのうち、リッキー・ローマ(アル・パチーノ)だけは今や「ミッチ&マレー社」でトップの敏腕セールスマン。押しの強さと巧みな話術でつぎつぎと契約をモノにしていた。ほかの3人は、成績が上がらない。

彼らの稼ぎは成績次第で、成績優秀者には優良願客情報が与えられるが、他の者は最初からクズのような資料しか与えられない。その日の戦略会議はいつもと違っていた。


 
成績トップのローマを除いたレーヴィン(ジャック・レモン、モス(エド・ハリス)と、アーロナウ(アラン・アーキン)、そして支店長ウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)を前にして、本社からやって来た幹部ブレイク(アレック・ボールドウィン)が立っていた。



ブレイクは成績不振の3人を罵倒し、月間成績トップの者と2位の者以外は解雇すると言った。追いつめられたレーヴィンは支店長に優良顧客名簿を見せてくれればリベートを払うともちかけるが一蹴される。
 
モスとアーロナウの今日のセールスも無駄足に終わった。
2人は会社に復讐しようと決意し、高級リゾート地グレンガリー高原の顧客名簿を盗み、ライバル社に流そうと考えた。
 
同じ頃ローマはバーでジェームズ・リンク(ジョナサン・プライス)という男に人生論を語っていた。うまく商談に持ち込み、巧みに契約に取りつけた彼だったが、翌朝出社すると、オフィスの前にパトカーが止まっており、警官が盗難があったと告げる。
 
グレンガリー高原の顧客名簿が盗まれたのだ。4人のセールスマンたちは一人一人警察の取り調べを受ける。そんな時、リッキー・ローマが契約したリンクがキャンセルしたいと言ってくる。
 
レーヴィンは幸運にも契約を取ることができてゴキゲンだったが、金庫の中のリンクの小切手のことをうっかりしゃべってしまう。このことから犯人はレーヴィンであることが分かり、モスが共犯者であることも明らかになるのだった(MovieWalker)
 
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営業の場合は、売り込むための顧客先名簿資料(Sales Leads)というものがあるが、このLeads(リード)が字幕では、文字制限からか「ネタ」と訳されていた。見込み客として有力な名簿ネタ(Leads)は、成績が優秀な営業マンに渡され、成績の悪い営業マンには、売るのが難しいような”クズ”のような「ネタ」が、会社から1日2件ほど渡され、営業マンは電話をかけまくる。

ジャック・レモンの電話のテクニックは、でまかせやウソも含めて絶妙。
電話先の相手に聞こえるように、電話ボックスにいるのに、事務所の中で秘書と話し合っているふりをしたり、時には、今空港についたばかりで、今日だけこちらにいるので、今晩か明日なら時間が取れるから訪問したい、などである。


 


ジャック・レモンが、苦労して「契約」のサインをもらってきたと有頂天になっていると、支社長のケヴィン・スペイシーによると、その契約者はブラック・リスト入りの人間であり、営業マンと話しがしたいだけで、必ず断ってくるというものだった。
 
会社の成績コンテストというのがあって、成績優秀者の1等には、高級車キャデラック、2等には、ナイフ・セット、3等は、「クビ」(解雇)というすさまじさ。
 
舞台となるのは、ほとんど事務所内で、それぞれの俳優の強烈なぶつかり合いの演技が見られる映画で、隠れた名作の部類に入るかもしれない。タイトルが、マイケル・J・フォックス主演の「摩天楼はバラ色に」(原題:The Secret of my Success, 1987)と似ていて紛らわしい。

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■「摩天楼を夢見て」(原題:Glengarry Glen Ross1992、日本公開1993年)
■原作:デイヴィッド・マメット
■出演:
・アル・パシーノ
・ケヴィン・スペーシー
・アレック・ボールドウイン

 
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