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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「秘密のかけら」(2005)</span>



秘密のかけら」(原題:Where the Truth Lies、2005)をみた。
監督はカナダのアトム・エゴヤン(「クロエ」)という監督で、最新作「手紙は憶えている」(原題:Remember、2016)が間もなく公開される。

映画はスキャンダラスな内容のスリラー映画だが、かなりきわどい”18禁”並みのシーンもある。

主演は「ブリジット・ジョーンズの日記」「ラブ・アクチュアリー」などのコリン・ファースで、この映画の数年後には「英国王のスピーチ」(2010)でアカデミー賞主演男優賞を獲得している。共演は「フットルース」でブレイクし「コール」ミスティック・リバー」などの作品で知られるケヴィン・ベーコン、「ビッグ・フィッシュ」のアリソン・ローマンなど。

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1972年のロサンゼルス。若手ジャーナリストのカレン・オコナー(アリソン・ローマン)は、50年代に一世風靡したエンタテイナーのデュオ、ラニー・モリス(ケヴィン・ベーコン)とヴィンス・コリンズ(コリン・ファース)についての暴露本を準備中。

彼らは15年前、女性の全裸死体をめぐるスキャンダルに巻き込まれたことが原因で、コンビを解消していた。カレンは真相を追求していく中で、かつて国民的アイドルだったラニーが、実は薬と女に狂っていたという裏の顔を知り、幻滅と好奇心を同時に感じる。

やがて出版社の招きでNYへ出張したカレンの飛行機に、偶然にもラニーが乗り込んできた。とっさに教師だと自分の身分を偽ったカレンは、翌日ラニーと一夜を共にする。

同じ頃、カレンの自宅に事件のカギとなるラニーの手記が届いていた。
当時、マイアミのホテルに宿泊していたラニーとヴィンスは、メイドのアルバイトの女子大生モーリーン(レイチェル・ブランチャード)と一夜の楽しみに興じた。

モーリーンこそ事件の被害者なのだが、彼女の死体はニュージャージーのホテルで発見されたという謎が残る。カレンがさらに調査を進める中、ヴィンスが自殺。

そして真相が明らかになる。事件の夜、3人で夜を過ごす中、ヴィンスはラニーに肉体関係を迫り、それを拒否されて仲違いになった。彼らが眠りについた頃、ヴィンスの同性愛傾向を危惧したラニーの執事ルーベン(デイヴィッド・ヘイマン)が、モーリーンを殺害。

起床して死体に気づいたラニーとヴィンスは、それを氷に詰めてニュージャージーに輸送したのだ。すべてを知ったカレンだが、彼女はモーリーンの遺族の名誉のため、しばらく真相を伏せておくことに決めるのだった(MovieWalker)。

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15年前と現在(1972年)が交差して描かれ、物語が錯綜して、全体がやや複雑な構成になっている。マイアミの一流ホテルでアルバイトをしていた女子大生が、人気のデュオの部屋で一夜をすごし死んでしまうところから映画は始まる。

そのデュオとはラニー(ケヴィン・ベーコン)とヴィンス(コリン・ファース)の二人。実はこの二人がゲイの関係であることが分かってくる。女子大生モーリーンは、バスタブの中で死んでいるところを発見されるのだが、だれが、なぜ殺したのかという謎解きの始まりでもある。

その女子学生は、大学の学生新聞のために人気デュオに取材を申し込んだところ、ルームサービスを注文して、ふたりの部屋に呼ばれたのだ。

モーリーンが取材していくと、スターである二人は、睡眠剤覚醒剤にどっぷりつかっている状態だということが分かった。ラニーは女に自堕落で、ヴィンスは薬で神経をやられた狂気の暴力男だった。

そんな中で、マイアミのホテルにいたモーリーンが、なぜか、ニュージャージーのホテルでバスタブにつかって溺死した。睡眠薬と酒の飲み過ぎで事故として葬られたが、この事件でケチがついたラニーとヴィンスは人気絶頂にもかかわらず解散に追い込まれたのだった。



そして、15年後。
ジャーナリスト志望の野心に燃えるカレン(アリソン・ローマン)は、今は引退したヴィンスの自伝発行のためのインタビューを引き受けていた。ヴィンスの提示したギャラは100万ドルだった。

カレンは少女のころポリオ撲滅のキャンペーンで寄付運動に挺身していたラニーに励まされ、勇気を得た。以来ラニーはカレンにとって理想の男性だった。

取材は暗礁に乗り上げる。ヴィンスは少女といってもいい若い歌手アリスを自宅に呼び、酒とクスリでハマったカレンとアリスのベッドシーンを映像に撮り、「モーリーンの件についてはいっさい書かない」という条件を出した。

いったいあの部屋でなにがあったのか、なぜモーリーンは殺されなければならなかったのか。謎を深めるカレンのもとに、ラニーが執筆中だという自伝の第1章が届く。つぎに第2章が届く。第3章で、モーリーンを殺したのはヴィンスだとラニーは告白するのだった・・・。

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ラニーとカレンの情事や、そのきっかけとなった飛行機内のエピソードや、英国紳士ふうヴィンスが豹変する暴行事件や、カレンの少女時代の思い出のラニーのことなどが次からから次へと画面に登場するので、複雑な印象を与えている。

彼らデュオが解散に至った真相は、この映画の原題”Where the Truth Lies”(真実のありか)というのは、ネタバレになるが、モーリーン殺害もさることながら、ヴィンスがゲイであった、というのが真の要因だった。

1950年代当時は、ゲイやバイ(セクシャル)とわかっただけでショウビズ界では追放も同然だった時代。

ふたりの最大の”秘密”を知ったモーリーンが一変する。
「わたし、ジャーナリストになりたいの。このことを書こうかしら。口止め料にいくら出す? 出すものを出してくれたらつきまとわないわ。」というのだ。

現代(1972年)、カレンはついに最後の鍵をにぎる人物にたどり着く。
ラニーの秘書ルーベンという男だ。ラニーの女性関係の「後始末」がルーベンの仕事だった。

ラニー様の女性の扱いは病いのようでした」と言うほど。しかし、このルーベンも、一筋縄ではいかない男。ルーベンはまず、ヴィンスがゲイであることを知ったモーリーンを、眠り込んでいる時に枕で窒息させてしまう。

翌朝モーリーンが死んでいるのを知ったラニーとヴィンスは大騒ぎになり、地元のマフィアの親分が贈ってくれた氷詰めの生きたロブスターの木箱にモーリーンを積めニュージャージーのホテルに発送する。

ニュージャージーで発見されたモーリーンの遺体は、その筋が手を回して事故ということにしてしまったのだ。

それから15年、ヴィンスの後ろ盾であるマフィアのボスが生きている間は、ルーベンはヴィンスに手を出さなかったが、ボスが死ぬと過去のすべてをばらす、と言って、
100万ドルを要求してきたのだ。

ヴィンスが、自伝発行に100万ドルのギャラを要求したのは脅されていたからだった。ヴィンスが最後に取った行動とは・・・。

手が込んでいるといえば聞こえはいいが、ストーリーが複雑で、もっとすっきりした
展開だったらよかったが・・・。

★★


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