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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「エレベーター」(2011):舞台はエレベーターの中だけの密室劇。</span>




エレベーター」(原題:Elevator, 2011)というタイトルに惹かれて見た。
舞台はエレベーターの中だけ、という完全密室劇。

”死刑台の”という枕詞があると大傑作の映画になるが、エレベーターに閉じ込められた9人が脱出できるかどうかというサバイバル映画。しかも、9人の中に、とんでも・・・な人がいたから大騒動へと発展する。

エレベーターに閉じ込められた9人の乗客たちを待ち受ける”戦慄”の運命を描く密室サバイバル・スリラー。密室劇の面白さは、居合わせた人間の言葉のバトル、プライバシーなどが赤裸々になっていく面白さや、運命やいかにといったスリルとサスペンス。



マンハッタンのウォール街に立つ超高層ビル。その最上階にある会場で開かれるパーティーに向かう9人がエレベーターに乗り込む。しかし、最上階に向かう途中の
49階付近で急停止してしまう。事故にせよ故障にせよ、救助の人間がやって来るか、再び動き出すだろうと、のんびりと過ごしていた乗客たち。

しかし、そのうちの一人が「わたしは爆弾を持っている」という衝撃的な告白をする。それを機にパニックに駆られエレベーターから脱出しようとあがく乗客たちだったが、次から次へと思いも寄らない出来事に見舞われていく。



9人は、いずれもクセが強かったりワケありの人間。
■投資会社の会長兼CEOのバートン(ジョン・ゲッツ):まもなく引退予定で、退職金が推定9,500万ドル(約100億円)といわれ、乗り合わせた個人投資家などから「不公平だ」と嫌味を言われるが、「それだけ苦労してきた」と意に介さない。「みな同じに苦労してきた」と反論しても「(儲かるのも損をするのも最終的には)投資家の判断」と言い切り、損をした奴が悪いと言わんばかり。
■バートンの孫娘・マデリン(10歳):全てはこのわがまま娘が原因で事件が引き起こされる。
イラク出身の警備員モハメッド(ワリード・ズエイター):事故が起こっても、要領を得ず、警備員でありながら会長にまかせっきりで、動こうとしない。コメディアンから差別発言を受け、口論を繰り返す。
■パーティに代理出席してきたコメディアン、ジョージ・アクセルロッドジョーイ・スロトニック):閉所恐怖症のためイライラした性格。マデリンのわがまま放題の行動(わざと緊急停止ボタンを押してしまったり)を目撃し、唯一文句を言うが、会長のバートンが孫娘をかばい、「クビ」を通告される。イラク出身の警備員に、イラク出というだけで、「核を製造しているだろう」と敵視した発言をくり返し、度々口論となる。
■投資家の年配婦人ジェーン・レディング(シャーリー・ナイト):夫が投資に失敗し、自殺。それを恨んで会場で、自爆テロを実行しようとエレベーターに乗りこんできた。「夫も生前、バートン会長に会うのを楽しみにしていた」と会長に挨拶していたが、裏があった。
■投資会社のイケメン社員ドン・ハンドリー(クリストファー・バッカス):美人のフィアンセとパーティに参加。ドンと同じ職場の産休中の同僚女性も乗り合わせるが、生まれてくる赤ん坊が、ドンとの間の子供であるということが発覚し・・・。ドンは「魔が差した」と婚約者に言い訳しても・・・。
■投資会社社員ドン・ハンドリーの婚約者のニュースキャスター:
■投資会社の産休中の女性社員セリーヌ・フォケ(アニタ・ブリエム):
■投資会社の太めの男性社員マーティン・ゴスリング(デヴィン・ラトレイ):エレベーターの隙間の幅が狭すぎて、逃げられず、メディアの「ヒーローになれる」と命を落とす。
  
女性の体に巻きつけられた時限爆弾の猶予は、2時間であることが分かり、残りは数分となってからの展開が面白い。妊婦セリーヌは、トイレが我慢できないとある行動をとる。小娘マデリンは、エレベーターに乗るやいなや、臭い匂いの人がいる、だの言いたい放題のわがままぶりだが、事件は全てこのマデリンが引き起こすことになる・・・。

物語の設定などは面白いが、俳優の役不足と、脚本がイマイチなのか、後味のよくない結末となった。携帯電話もあり、ニュースキャスターもエレベーターに乗り合わせていることから、ストリーミング(動画配信)をテレビ局に送り、全国ネットのテレビで放送されているのに、待てど暮らせど救援隊がかけつてこない不思議。



また、会長が、エレベーターの管理室に電話しても、一度は応答するが、エンジニアが、車の渋滞に巻き込まれて遅れると答えるだけで、役に立たず、名前を聞こうとしたら、電話を切ってしまう始末。

エレベーターの不慮の事故の際の対策がまるでなっていない。数人がかりで、エレベーターの扉をこじ開けて、人気(ひとけ)がないというと「全員、避難したんだ。当然だ」という会長。

爆弾を体に巻いた女性の死体の切断は、だれも自分がやると申し出ないので、会長が、「俺がやる。(散々、悪口を言われたので)切り刻んでやる」と意気込むところがすごい。「精肉屋で昔アルバイトをしたことがある。内臓を誰か取り出して!」と、もはやスプラッターの世界。

コメディアンなどは、会長に協力する代わりに、助かったら、皆に「100万ドル」づつ分けてあげてくれと約束を取り付ける。爆弾犯のほかに死者が何人かでたが、助かったコメディアンは、会長と孫娘が歩いて通り過ぎるのを見て、「約束を忘れないでよ」と声をかけるのが精一杯だった。

監督はノルウェーの新鋭スティーグ・スヴェンセン。
出演は「ブロンド・ボンバーガールズ」のクリストファー・バッカス「センター・オブ・ジ・アース」のアニタ・ブリエム、「ブラッドシンプル」のジョン・ゲッツ「渇いた太陽」のシャーリー・ナイトほか。



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