DVDの初めに淀川さんの解説が「日曜洋画劇場」の口調で入っている。
ドイツの映画が最も輝いていたころの映画で、本格的なドイツの代表的映画と太鼓判を押している。解説によれば、馬車が移動するときの周りの景色を映すカメラが素晴らしく、景色と人々の合唱が、映画のシンフォニーだという。
タイトルは有名だが、見ている人は少ないかもしれないが、超おすすめの作品だ。
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「会議は踊る」のVHSテープを以前持っていたが、字幕のないビデオでオリジナルのドイツ語。有名な歌”ただ一度だけ(Das gibt's nur einmal :ダス・ギープツ・ヌア・アインマール)”の部分だけは何回か見ていたが、全編通してみたのは今回が初めて。
舞台は1814-15年のウィーン会議。
ナポレオンが失脚し、処分をどうしようかという会議が行われようとして、ヨーロッパ各国の首脳がウィーンに集ってくる。
ナポレオンが失脚し、処分をどうしようかという会議が行われようとして、ヨーロッパ各国の首脳がウィーンに集ってくる。
手袋屋の娘クリステル(リリアン・ハーヴェイ)は、彼らが着くたびに、観覧席から店の広告付き花束を投げる。花には”ウイーンで最高の手袋を当店で”などと書かれていた。
会議の主催者メッテルニヒ宰相(コンラート・ファイト)が禁じたにもかかわらず、ロシア皇帝アレクサンドル1世(ヴィリー・フリッチ)の馬車にも投げ、皇帝に命中し、捕えられ鞭打ち刑(むき出しの尻に25回のムチ打ち)を執行される寸前、事情を知ったアレクサンドルが仕置場に現われ、クリステルの赦免を求める。
2人は気持ちが通じ、その夜は郊外の居酒屋で、店の歌手が歌う「新しい酒の歌」にグラスをあげる。皇帝が出席する筈のオペラ劇場には瓜二つの替玉(影武者)ウラルスキーが行っている。
あくる日、皇帝の使者がクリステルを別荘へ案内する。
街の人・野の人が馬車のクリステルを祝い、彼女も手を振りながら「ただ一度だけ」を長く歌う←このシーンが圧巻。
いっぽう、今日は首脳らの会議がある。
思い通りに議事を運びたいメッテルニヒは、ロシア皇帝・アレクサンドルが出席できないようにと、替玉ウラルスキーがオペラ劇場で見知った伯爵令嬢を・・・替玉だったという実情を知らぬまま・・・皇帝に再会させたつもりになり、且つ、クリステルにも会わせようとする。
が、アレクサンドル皇帝は彼女らには自分の替玉を差し向け、みずからは議場に現れてメッテルニヒをあわてさせる。替玉と会わされたクリステルは、その肌合いをいぶかる。
その後皇帝は来ず、別荘のクリステルは淋しい思いにとらわれる。
今夜は「踊る会議」の舞踏会があると聞き、行ってみる。
踊り回る紳士淑女に混ざり、皇帝の替玉も例の伯爵令嬢と踊っている。
替玉と知らないクリステルには恋敵だ。これから別室で会議を開く。
メッテルニヒはアレクサンドル皇帝を敬遠したい。
ファンファーレを鳴らし、「ロシア皇帝陛下が慈善の募金に有料のキスをなさる」とふれさせる。老若淑女が長く並び、替玉のウラルスキーがうんざりと勤めるのを、皇帝は奥まった席から眺めて面白がる。
行列の中にクリステルがいた。
皇帝は、クリステルが、替え玉と知らずにキスしては困るので、ただちに慈善キス興業をやめさせ、替玉をひっこめてクリステルの前に現れる。二人は、ひと踊りしてから手をとって郊外の居酒屋へと消える。
舞踏会はただちに中止、立ちつくすメッテルニヒ一人を残し客は皆足早に去り、首脳らはそれぞれの祖国へ急ぐ。
居酒屋の歌手は前と同じ「新しい酒の歌」を歌い、ロシア皇帝とクリステルは前と同じ席でそれに和し、グラスをあげている。使者が来る。アレクサンドルは座を外してナポレオン脱出を聞き、クリステルも耳をそばだてる。
席に戻り、夜が更けたので、ロシア皇帝は、去ろうとする。
クリステルは、次はいつ会える?明日?」と皇帝に言うが「再会を楽しみに、また会おう」(Aufwiedersehen=再会を期して、また会おう)と立つ。
楽隊が前と同じに軍隊行進曲で2人を送る。
皇帝はクリステルの手に接吻して馬車で去り、クリステルは、もう二度と会えないと思い、悲嘆に沈む。
楽隊の曲が「唯一度だけ」に変っている。別荘に招かれる馬車でクリステルが歌い続けた「五月は一年一度だけ。これは一生一度だけ」のリフレイン。
曲は以下の通り。
「ただ一度だけ」(Das gibt's nur einmal )のリフレインのみ。
ただ一度だけ
もう二度と来ない
ただの夢かもしれない。
人生にただ一度
明日にはもう消え去っているかも。
人生にただ一度
だって花の盛りはただ一度だけ。
もう二度と来ない
ただの夢かもしれない。
人生にただ一度
明日にはもう消え去っているかも。
人生にただ一度
だって花の盛りはただ一度だけ。
Das gibt's nur einmal,
Das kommt nicht wieder,
Das ist vielleicht nur Träumerei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Vielleicht ist's morgen schon vorbei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Denn jeder Frühling hat nur einen Mai.
Das kommt nicht wieder,
Das ist vielleicht nur Träumerei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Vielleicht ist's morgen schon vorbei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Denn jeder Frühling hat nur einen Mai.
無効に設定されているようで下記より:
☆☆☆☆
日本公開は1934年で、この歌は一世を風靡した。
歌詞(ドイツ語)もメロディも単純なので、リフレインの部分は、
なぜか昔から歌える。
監督:エリック・シャレル(Erik Charell)
製作:エリッヒ・ポマー(Erich Pommer)
脚本:ノルベルト・ファルク(Norbert Falk)
音楽:ウェルナー・リヒャルト・ハイマン(Werner Richard Heymann)
出演:
アレクサンドル一世と替玉ウラスルキー:ヴィリー・フリッチ
手袋屋の娘クリステル:
宰相メッテルニヒ:コンラート・ファイト
伯爵令嬢:リル・ダゴファー
歌手:パウル・ヘルビガー
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