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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013)</span>


 
ウルフ・オブ・ウオールストリート」は、これまでの映画にない”仰天” ”衝(笑)撃” ”興奮”のエンタテイメント作品だった。 まずは☆☆☆☆だ。
 
唯一この映画の”難点”をしいてあげれば上映時間の3時間(179分)は長い!
 
実は話題作2本(「ウルフ」と「ハッスル」)のはしごをしようと思ったが、そのミッションはインポッシブルだった! 疲れた、というのが正直な感想だが、満足した疲れである。
 
原作は、ジョーダン・ベルフォードの「ウオール街供覧日記 -「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」で、実話である。
 
レオナルド・ディカプリオの作品史上最高の演技と言われているが、まさにその通り。「アビエーター」の演技で受賞を逃した時に、アカデミー会員は、レオに何か偏見でもあるのかと思ったが、ようやく”無冠の帝王”を返上し「ウルフ・オブ・ウオールストリート」での主演男優賞は”120%”確実と見る(結果は、残念マシュー・マコノヒー=「ダラス・バイヤーズ・クラブ」だった。)
 

映画そのものは、R18指定で、ドラッグ、セックス、お下劣シーンのオンパレードで、人によっては敬遠する内容だが、それを覆して余りある、人間の金銭欲などを暴き、一人の人間の栄光と転落のストーリーは、これ以上ない破天荒でドラマチックで魅力にあふれ、わくわくさせられた。DVDかBDが出たら買おう!(笑)。
 
レオナルド・ディカプリオマーロン・ブランドアカデミー賞を主演男優賞を受賞(本人は受賞を拒否)した「ゴッドファーザー」のドン・コルレオーネをほうふつとさせるシーンがあり唸ってしまう。名優マーロン・ブランドに対するオマージュだったかもしれない。
 
巨匠マーティン・スコセッシ監督との5度目のタッグということだが、7年間も温めていた企画ということで、スコセッシとディカプリオは製作にも名を連ねている。まずはアカデミー賞の前哨戦ともいうべきゴールデン・グローブ賞の最優秀主演男優賞に輝き、アカデミー賞の本命にまっしぐらだ。
 
ディカプリオ自身の「集大成」と位置づけるこの作品を機に、俳優業の一時休業を宣言したが、アカデミー賞授賞式(3月3日)までは休養はお預けだろう。
 

 
 




 

 
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「ウルフ――」は、米・ウォール街で数々の証券詐欺を繰り返し、26歳で年収49億円を荒稼ぎしたジョーダン・ベルフォートの生き様を描く。富裕層からだまし取った金で豪遊を尽くし、連邦捜査局FBI)に逮捕された実在の人物だ。
 
 
ウオールストリートを題材にした映画は何本もあるが、ベルフォートは”金融市場のダークサイドを象徴する人物”と言われる。22歳で実社会に飛び込んでいくベルフォートは、最初は心優しい青年だったが、少しずつ狂っていく姿が生々しい。
 
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アカデミー賞で、作品賞、監督賞(スコセッシ監督)、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞ジョナ・ヒル)、脚色賞(テレンス・ウィンター)の5部門に堂々のノミネートを果たしている。
 
90年代、26歳で証券会社を設立、年収4900万ドル(約51億円)を稼ぎ出し、10年間の栄光の果てに36歳で楽園を追放された“ウォール街の狼”ジョーダン・ベルフォート

 
学歴もコネも貯金もないなかで、彼はどうやってのし上がったのか? 
 
周囲を熱狂させ、人々の欲望を巨万の富に変えた能力は何か? 
 
そして、カネですべてを手に入れた男が頂点から一気に転落したのはなぜか? 
 
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勤務していた証券会社が倒産し、地方でペニー株(クズ株)の売買で細々と仕事をしている小さな会社を訪ね、ジョーダンは自ら電話の掛け方などをやる気のなさそうな従業員に伝授する。ジョーダンのハッタリと巧みな話術に、周りの社員たちは、電話の手を止めて、ジョーダンの話術に聞き入ってしまうシーンが素晴らしい。見ているほうが興奮する。
                
富裕層に儲け話の投資を持ちかけるのだが、セールストークが完璧で、相手に断れない状況を作り出してしまう。そのテクニックは、唖然とするくらいにうまい!
 

新人で入社した証券会社の社長を演じるマシュー・マコノヒーもすごい。ドラッグにどっぷりつかっている人物で、ジョーダン(ディカプリオ)にもドラッグをすすめ、ハイテンションになると、チンパンジーが、胸をドン・ドン・ドンと叩くしぐさで、ウン・フフン、ウン・フフン、ウン・フフン、ハッ!とリズムをとるのだが、このリズム感あふれる音楽が、映画の最後にも流れるが、頭から離れない(笑)。
 
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昔のヌーベルバーグの映画で、主人公がカメラに向かって話しかけてくる映画があったように記憶しているがこの映画も、ディカプリオが、カメラに語りかけてくるスタイルは意外だった。たとえば「慣れていないとわからないと思うが、IPOつまり
Initial Public Offering (新規公開)は・・・」といった説明をする。
 
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「アーティスト」のジャン・デュジャルダンが、スイス銀行の海外からの預金の窓口係を演じている。英語の説明に窮するとフランス語をしゃべってお茶を濁してしまうかなり、したたかな悪党。ジョーダンの会社の副社長を演じるジョナ・ヒルは、「マネーボール」(2011)で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたが、今回も助演男優賞の候補に名を連ねている。

 
FBI捜査官を演じるカイル・チャンドラーは見たことがあると思ったら「アルゴ」などに出演しているが、ジョーダンとの会話の駆け引きが面白かった。一瞬でも、安月給のFBI捜査官の自分を捨て、ジョーダンに揺れ動くかと思ったが、ワナで相手を落とす駆け引きだった。
 

ジョーダンの妻の叔母エマ(ジョアンナ・ラムレイは英国に住むが、ジョーダンとエマが関係してしまうのも驚きだが、ジョーダンに万一のことが起こった場合に、スイス銀行の口座が抑えられないようにエマ名義にするのだが、エマが亡くなり、はたして…という展開もひねりがあって面白い。
 
ジョアンナ・ラムレイは知らなかったが、映画デビューが「女王陛下の007」(1969)だったとは。
 
主なキャスト:
レオナルド・ディカプリオジョーダン・ベルフォート=ストラットン・オークモント社社長)
ジョナ・ヒル  (ドニー・アゾフ=ストラットン・オークモント社副社長)
マーゴット・ロビー  (ナオミ・ベルフォート=ジョーダンの妻/元モデル)
マシュー・マコノヒー (マーク・ハンナ=投資銀行 LFロスチャイルド社 社長)
バリー・ロスバート ピーター・デブラシオ=投資銀行 LFロスチャイルド社 株式仲買人)
カイル・チャンドラー  (パトリック・デナム=FBI捜査官)
ロブ・ライナー  (マックス・ベルフォート=ジョーダンの父親/会計士)
クリスティーン・エバーソール リー・ベルフォート=ジョーダンの母親)
ジャン・デュジャルダン  (ジャン=ジャック・ハンデイリ=スイスの銀行)
クリスティン・ミリオティ  (テレサ・ペトリロ=ジョーダンの元・妻)
ジョアンナ・ラムレイ  (エマ叔母さん=ナオミの叔母)
 
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で決まり!!!ではなく、赤字の通りだった(笑)。
 
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