ドラマ特別企画「居酒屋もへじ2~あなたとわたし~」
水谷豊が主演で石井ふく子プロデューサーによる特別企画「居酒屋もへじ2―あなたとわたし―」がきょう夜9時から放送されたので見た。
期待しないで見たが、面白かった。ドラマチックな話は全くなく、ほのぼのとした下町人情ドラマだが、日本の名女優、若尾文子(79)が、何ともほほえましく、今年秋には80歳を迎えるが、気品とかわいさもある。
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近年では「相棒」の印象が強い水谷豊だが、「居酒屋もへじ」では、料理人に扮して、妻に先立たれ、血のつながらない子供3人と奮闘する姿と、居酒屋に集まるなじみ客との交流を通して、下町の人々のつながりと絆を描いている。
このドラマは一軒の居酒屋を舞台に、他人同士が本当の家族以上の絆で結ばれ、お互いを 思いやり助け合って生きていくさまを淡々と綴る。登場物語は東京・上野界隈に ひっそりとたたずむ看板のない居酒屋「もへじ」が舞台。
客は常連ばかりで、「一見さん お断り」。
飲み代も「あるときでいい」と気風のいい主人・平次(水谷豊)は、困ってい る人をみたら放っておけない。面倒見のいい性格から、血のつながらない子どもたちや老 人と奇妙な生活を送っていた平次。
そんな「もへじ」にある日、和服姿の女性客・志乃(若尾文子)がやって きたことからさまざまな波紋が広がっていく。
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物語の出だしは、最悪の状態で始まる。
駐車場の車の横に傷がついていたことから、隣に駐車していた男・平次(水谷豊)がぶつけたものと思い込んで一歩も引かず、言いがかりをつける着付け教室の先生(若尾文子)とのちぐはぐな問答がおかしい。絶対に私じゃないと言っている平次に、「自分の非を認めない人が多すぎる」と、もしかしたら違うのかも、という考えが全くないのだ。
平次が居酒屋にいるというので、後日訪ねると、そこにいる常連は、平次はうそを言う人間ではなく、皆から慕われていることを知る志乃。
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居酒屋には、居候する 老人(桂文珍)、店の手伝いにやってくる薬剤師(岸本加世子)、常連客の角野卓造、井上順 、六平直政がおり、喫茶店のオーナー(奈良岡朋子)ら名優陣が顔を揃えているのが見どころだった。
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志乃の先だった夫が残したという別荘に招かれた平次と息子が、今は使われなくなった「蚊帳(かや)」を通して、血がつながらなくとも親子の絆を深め、息子も、料理の道に進みたいと平次に頼み込み、海辺で、平次が「わかった」と涙するシーンなど、見せ場だった。そういえば、子供のころは田舎の家では「蚊帳」があったが、今ではほとんど見たことがない。
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志乃と平次が、「じゃ、またね」と別れ場面で、何度も繰り返すのが微笑ましい。
テレビの別の番組で、紹介していたが、水谷豊と若尾文子の共演は初めてといい、
水谷は「小さな子供のころから、大女優の若尾文子にあこがれていた」と語っていた。
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