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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「吉田類の『今宵、ほろ酔い酒場で』」(2017)</span>



吉田類の『今宵、ほろ酔い酒場で』」(2017)を見た。
全く予備知識無しで見たが、予想通り映画深夜食堂」の居酒屋版といった映画で、居酒屋を舞台にしたつの物語が描かれるオムニバス映画
 
人生のチャンスに見放された人々が集う「居酒屋チャンス」、居酒屋の珍客に翻弄されるサラリーマンを描く「どつぼ酒場」、詐欺容疑で追われ、最後の一杯を飲もうとした男の運命をつづる「ふるさと酒場土佐っ子」の3本。

・・・
吉田類は、2003年に始まったTV「吉田類の酒場放浪記」で全国の酒場を飲み歩く“酒場詩人”として人気爆発したが、吉田は各話の案内役(ドラマ「世にも奇妙な物語」におけるタモリ的な役割)に加え、第3話では主人公を演じ、主題歌「時代おくれ」(河島英五の名曲のカバー)を歌っている
 
■第1話今宵ノ一軒目居酒屋チャンス」)



なぜか人生のチャンスに見放された者ばかり集まる”ホッピー”の居酒屋チャンス。
そこに、よく芸能人がサングラスで変装したような格好で若い女が逃げ込んでくる。店主のママが機転を利かせてかくまったところ、彼女は人気アイドルグループのメンバー、エリリンこと山下絵里子(松本妃代)だった。
 

恋愛禁止のルールを破って恋人と駆け落ちしようとしたものの、彼は急に逃げ腰になってしまった。落ち込むエリリンをアイドルであることを知らないふりをして、励ますママや常連たち。常連客の中には大スクープを狙うマスコミ関係者もいて、とくダネと、隠しカメラで撮影するのだが
エリリンは明日、横浜アリーナでコンサートがある予定だが、逃げていたのだった。

チャンスに集まったのんべいたちとエリリンは飲み明かし、店のママや常連客に励まされて、朝、タクシーで帰った。しばらくすると、テレビで、アイドルグループの一員としてエリリンが元気に歌う姿があった。一夜を明かした店の常連客だけにわかる
”ホッピー、ハッピー”とTVに向かって叫んでいた。
 
■第2話(今宵ノ二軒目「どつぼ酒場



平凡なサラリーマン・日暮義男(伊藤淳史)は、妻と子供が帰省し、今夜は一人居酒屋でささやかに夏休みを楽しもうとしていた。お目当ての店は「店主が高齢で休止」と張り紙が有り、雨が降っていたので、雑居ビルの行き止まりにある居酒屋「どつぼ酒場」に足を踏み入れた。


 
店に入ると、大将はやる気がなく、出てきたのはスーパーで買った冷凍マグロをオーブンで温めたものが出てきた。ビールも生ぬるいビールだった。嫌な予感がよぎる義男。












そんな彼の前に、飲みすぎて倒れる老人、自称・美魔女の若作りホステス、ヤクザの親分(津田寛治)ら強烈なキャラクターたちが次々と現れる・・・。平凡なサラリーマンが、最後には”どつぼ”にハマり「どつぼサイコー」となってしまう。

■第3話:今宵ノ三軒目(「ふるさと酒場 土佐っ子」)
居酒屋・ふるさと酒場土佐っ子に立ち寄った森本勝也(吉田類)。
彼は投資会社モリモトファンドの社長で、巨額詐欺の疑いで警察から行方を追われていた。バッグに太いロープを忍ばせ、人生最後の一杯を楽しもうとする彼の目に飛び込んできたのは、居酒屋ふるさと酒場土佐っ子」という店だった。


そこには
故郷・高知の名酒「竜馬」があった。ふるさとの香りと味につられ、高知県の山奥・仁淀川中流域の村で生まれ育った子供時代や、両親、学校の先生、そして幼なじみの翔太との思い出が心に浮かぶのだった
 
・・・
オムニバス映画は、だいたい全てが面白いかというとそうでもなく、個人的には、第2話がツボだった。

一つは、自称・美魔女の登場。非社交的なサラリーマン(伊藤淳史)が美魔女に誘われて無理やりタンゴを踊らされるシーンは、抱腹絶倒ものだった。

そもそも居酒屋「どつぼ」にたまに店の手伝いに来る、どう見ても50代後半くらいのど派手メイクの女が「美魔女Part IIで~す」と登場してくるのだ。「私いくつに見える」と聞いてきたので、日暮(伊藤淳史は、リップサービスで「42,3くらいですか」というと「口がうまいんだから、何を狙っているの」だった(笑)。
 
もう一つは、ヤクザの親分(津田寛治)とのエピソード。
その親分が子分を連れて店にやってくるシーン。「予約してないけど一杯飲ましてくれねえかな」(親分)「ミシェランの店じゃないよな」(子分)。

この親分子分は、いつも喧嘩しているようで、弟分が、兄貴に向かってタメ口で文句を言うと「誰に向かってモノを言っているんだ」と親分。「じゃあラインでも送りましょうか。絵文字をつけて」(子分)。


「堅気の人がいるから、表に出ようや」というと「それ健さんのセリフですか」といった会話が続く。
日暮が帰ろうとすると、帰ったはずの親分が戻ってきて、飲み直しをして、”兄弟杯(さかづき)”を交わすところは見所だった。平凡なサラリーマンだった日暮が、べろんべろんに酔って、「どつぼもいいな」と変わってしまうところがおかしい。
 
第3話では、投資会社社長が、故郷の芋焼酎「竜馬」を飲んで、数十年前を思い出すシーンがあるが、友だちと自然の山中を歩き、木に登ったり「スタンド・バイ・ミー」の世界。

昭和35年当時、家では、酒の密造をしていたが、年に一度税務署が検査に来るのだった。税務署員が来ると聞き付けると、酒蔵の樽などを隠し、焼酎も押し入れに家族総動員で隠すのだったが、署員がいちいちチェックする。ただ隔離された山村で焼酎は消費されるので、「どうせ焼酎はぜんぶションベンになって出てしもうので、この辺で」と引き上げてしまう。

小学生の子供も、興味半分で、焼酎を口にするが、「まずい!」「どこがうまいんや、あんなもん」と吐き出してしまう。「~だがや」「~みいや」「~やけ」といった方言のオンパレード。

最後に、吉田類が、「いやぁ、居酒屋って、本当にいいもんですね」というのはどこかの(水野晴郎)のセリフそっくりだ(笑)。

最後に、吉田類自身が歌を歌う。
歌詞は・・・。
♪1日2杯の酒を飲む。サカナはとくにこだわらず
♪マイクが来たら 微笑んで
♪十八番(おはこ)をひとつ 歌うだけ~



「今宵も 酒場に集う 飲んべいの 皆サマに捧げます 吉田類

期待していなかった分、拾い物の映画だった。
 
次の方々にはおすすめ(笑)。
ジーナさん…お酒好き。
■ギドラさん…第3話は「龍馬」というお酒や、高知の山奥などが舞台。
 
☆☆☆

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