映画「カラスの親指」予告編
映画のタイトルが出るまでの数分間が一番おもしろかった。
オープニングの競馬場のシーンである。いかにも固そうなサラリーマンが、初めて競馬の馬券を購入するところに、後からわかるが詐欺コンビを組んでいる男が現れ、馬券購入のコーチをする。それを後ろから見聞きしている別の詐欺の男がいて・・・。
サラリーマンのメガネ男(阿部寛)は実は詐欺のベテランで、一方、どこか間の抜けているようなコーチ屋男・テツ(村上ショージ)は、詐欺コンビだった…というところから話は始まるのだが。自分たちの会話を周りで聞いている人間が必ずいるだろうということを前提にした芝居だった。
二人の会話を盗み聞きしていた別の詐欺男をユースケ・サンタマリアが演じているが、ユースケが出てくるのは最初の数分だけ。もったいない使い方だ。だまそうと思った人間がだまされるところが面白い。
共同生活をはじめた5人のもとに、かつてタケが闇金で働いていた時に、闇金組織の情報を警察に知らせたことから、壊滅に追い込んだ組織の男・ヒグチ(鶴見辰吾)が。刑期を終えて現れ、執拗な嫌がらせをはじめる。彼らは一同決心し、ヒグチをハメるために「アルバトロス作戦」を企てる。
どこまでが本当で、ウソ、詐欺なのか・・・伏線が多くややわかりにくい。
知り合いの保証人になってしまったことで闇金から取り立てられて仕事をなくし、逆に闇金にスカウトされて取り立て屋になってある女を自殺に追い込んでしまったテツ(阿部寛)が、せめてもの罪滅ぼしで金をその娘に送っていたが・・・。
5人で綿密な作戦を敢行して、ひやひや場面もあるものの成功する。テツもぼそりともらすようにすべてが「でき過ぎ」。実は、この娘もお金の送り主が誰なのか知っていたし、詐欺や火災などの一連の出来事はすべて、大掛かりに仕組まれていたものだった。
昨年度の映画で、阿部寛は「麒麟の翼」「テルマエ・ロマエ」「カラスの親指」などで日本アカデミー賞最優秀男優賞を受賞。「カラスの親指」でも、最後の方では、古代ローマ人に扮した「テルマエ・ロマエ」の容貌が垣間見えた。同じ人間だからメイクしても隠せない(笑)。
映画として、2時間40分は長く感じた。無駄はないだろうが、前半はかなり中だるみの印象を受けた。ラストの20分くらいは、大どんでん返し作戦でみどころだったが・・・。
この映画、凝りすぎているのか、期待が大きかった分、 やや割引。
☆☆☆
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