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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「アメリカン・パロディ・シアター」(1987、劇場未公開:Amazon Women On The Moon )</span>


Amazon Women on the Moon」 trailer(予告編)
 

 
映画「アメリカン・パロディ・シアター(1987)は、”タイトルにつられて”みたが、ネットで調べたら、劇場未公開だった。DVD オンリーだ。聞いたことがなかったはずだ。
 
原題はAmazon Women On The Moon (月のアマゾネス)という風変わりなタイトル。オムニバス映画で、20のストーリーがある。監督はデビュー作が「ケンタッキー・フライド・ムービー」(1977)(未見)のジョン・ランディスほか計5人の監督。
 

 
タイトルの由来は、1950年代のB級SF映画「月のアマゾネス」のパロディからきている。この「月のアマゾネス」のTV放映を観ながらチャンネルをガチャガチャ変えているという設定で、様々なパロディやコントが数珠繋ぎに映しだされるのだ。
 
最初から最後まで、ギャグやパロディとお遊び感覚の映画で、劇場公開されなかったのは、はたしてアメリカで受けるジョークやギャグが日本で受けるかどうか、大いに疑問だからだろう。
 
最初のエピソードは、「Mondo Condo」(ジョン・ランディス監督)というもので、高級マンションの自宅に帰ってきた男(アーセニオ・ホール)が、様々な災難に見舞われるというもの。おかしいというのを通り越して、ばかばかしいドタバタが続く。
 
缶ビールを開けると猛烈な勢いで中身が飛び出し、キッチンのディスポーザーにネクタイを巻き込まれて死にかけたり、本棚が突然倒れて下敷きになったり、ビデオ(VHSとベータがある!)を見ようとデッキにテープを入れると、テープが自分の額にぶつかってきたり、「Mr. Boo」も真っ青のおふざけぶり(笑)。
 
次に「Penthouse Video」(カール・ゴットリーブ監督)では、男性向け雑誌「Penthouse」のトップモデル、タリンが、日常生活でも常にフルヌードで生活。実際に「ペントハウス」誌の人気モデルで、80年代映画のヌード要員としても活躍した女優モニーク・ガブリエルが、全編スッポンポンでカリフォルニアの町中を闊歩するお色気コント。まさしく“ノー(能)タリン”なモノローグ。
 
Hospital」(ジョン・ランディス監督)では、待望の赤ちゃんを授かったミシェル・ファイファーピーター・ホートン演じる夫婦が、頭のおかしい医者(グリフィン・ダン)の悪ふざけに延々と付き合わされる始末。患者をコケにしまくる狂った医者のキャラクターも凄まじい。
 
この映画のタイトルになっている「Amazon Women On The Moon」(ロバート・K・ワイス監督)では、1950年代SF映画のパロディ。月へ向かった宇宙飛行士トリオを待ち受けていたのは、シビル・ダニング扮する月の女王が治める女性だけの王国だった! 
 
Blacks Without Souls」(ジョン・ランディス監督)では、黒人歌手を演じるデイヴィッド・アラン・グリアーという人の歌がいいのが見どころ。「幸せの黄色いリボン」や「チム・チム・チェリー」を熱唱。
 
一番おもしろかったのは「Two I.D.'s」(ピーター・ホートン監督)のエピソード。
デートクラブを通じて、セクシーな美女ロザンナ・アークェットとデートできることになった主人公スティーヴ・グッテンバーグ。この美女、ひとつだけお願いがあるという。「免許証とクレジットカード」を見せてほしいという。他人のクレジットカードで、高級な品物でも買うのかと思ったら、そうではなく、その男の過去の履歴がすべてわかってしまうというもの。さまざまな女性に言った言葉が何回だったかなど。過去の言動などで、デートは「NG」となってしまう。
 

 
Bullshit or Not」(ジョー・ダンテ監督)では、怪優ヘンリー・シルヴァがホスト役を務める歴史検証番組「デタラメか否か(Bullshit or Not)」。今回は、謎の連続殺人犯ジャック・ザ・リッパーの正体が実はネッシーだったのでは? という仮説に基づき、事件当夜の模様が再現映像で描かれる。
 

 
このほか、「Critic's Corner」(ジョー・ダンテ監督)「Silly Pate」(ロバート・K・ワイス監督)「Roast Your Loved One」(ジョー・ダンテ監督)「Don 'No Soul' Simmons」(ジョン・ランディス監督)「Video Pirates」(ロバート・K・ワイス監督)「Son of the Invisible Man」(カール・ゴットリーブ監督)「Art Sale」(カール・ゴットリーブ監督)「First Lady of the Evening」(ロバート・K・ワイス監督)「Titan Man」(ロバート・K・ワイス監督)「Video Date」(ジョン・ランディス監督)など。
 
Titan Man」は、17歳のジョージ君(マット・アドラー)が目の覚めるような美女をゲットし、童貞喪失寸前にまでこぎつけたが、「用意は?」といわれて彼女を車に待たせて薬局でコンドームを買おうとするが、「銘柄はタイタンで」と念を押したおかげで、思わぬ災難に巻き込まれるのだった・・・。タイタン社の製品の10億個目の購入者となってしまったのだ。タイタン社の社長やカメラマンが何十人も。社長「いつからタイタンの製品を?」と聞かれた男は、「今日が初めて」と言いかけるが・・・。
 
Video Date」(ジョン・ランディス監督)は、親切なレンタルビデオ屋のオッサン(ラス・メイヤー)に「土曜の夜なのにひとりぼっちか」と言われ、お薦めビデオを借りたレイという名の男(マーク・マックルーア)に「レイ」というビデオを渡される。その中身は、巨乳美女が自分の名前「レイ」を語りかけてベッドに誘ってくれるバーチャル・ポルノ(?)だった。
 
これで終わりかと思ったら、エンドロールの後に「Reckless Youth」(ジョー・ダンテ監督)というエピソードがあった。“Reckless”というのは、無謀な、という意味だが、ここでは「若気の至り」。若者の堕落や退廃を阻止する教育映画の名目で作られた映画のパロディ。精神科医ポール・バーテルのもとを訪れた患者キャリー・フィッシャーは、自分が上京してから味わってきた悪徳の数々を、赤裸々に告白する・・・。
 
製作/ロバート・K・ワイス
製作総指揮/ジョージ・フォルシー・Jr.ジョン・ランディス
監督/ジョン・ランディスジョー・ダンテ、カール・ゴットリーブ、ロバート・K・ワイス、ピーター・ホートン
脚本/ジム・マルホランド、マイケル・バリー
撮影/ダニエル・パール
出演/たくさん
 
完全な失敗作というわけではないが、お金を使って劇場で見るほどではないことだけは確かだ(笑)。オムニバス形式の映画は嫌いではないのでばかばかしいところが多いが面白かった。ほんの25年前の映画だが、まだ液晶テレビもなく、テレビは、ブラウン管式で、いかにもごつい。VHSやレーザーディスクも登場する。携帯などもちろんなく、わずか25年前と比べて今日の変貌ぶり、技術の進歩に改めて驚かされる。

 
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