「白い恐怖」(SPELLBOUND) - Gregory Peck, Ingrid Bergman
アルフレッド・ヒッチコック監督の「白い恐怖」(1945、原題:Spellbound)は、およそ40年前にテレビで見て以来の再見。テレビで「GW ヒッチコック特集」として放送された。イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック、レオ・G・キャロルなどが出演。
内容はサイコ・スリラーで、白と縞模様などにトラウマを感じる医者が殺人事件に巻き込まれる姿と、真相を追求する分析女医の話。
イングリッド・バーグマンが絶頂期の作品で、「カサブランカ」(1942)「誰が為に鐘は鳴る」(1943)「ガス燈」(1944、アカデミー賞主演女優賞受賞)「聖メリイの鐘」(1945)の次に製作された。このころのバーグマンの共演者も、ハンフリー・ボガート、ゲーリー・クーパー、グレゴリー・ペックとトップ・スターというのもすごい。
バーグマンは、1946年から48年までは連続3年、”マネー・メイキング・スターベスト10”に名を連ねた。バーグマンが注目されたのは、「Intermezzo」(1936)が映画プロデューサー、デビッド・O・セルズニックの秘書の目にとまり、「Intermezzo」のリメイク版「別離」(1939)からだった。
「汚名」(1946)まで、セルズニック作品に出演したが、そのころ、イタリアのロベルト・ロッセリーニの「無防備都市」(1945)「戦火のかなた」(1946)のリアリズムに感動し、ロッセリーニに「英語の話せるスエーデン生まれの女優を必要なら準備がある」と手紙を送り、ロッセリーニのもとに走ることになる。
ただ「ストロンボリ」(1950)に主演するものの、不貞行為が非難を浴び、アメリカ映画界からもボイコットされ、破産状態になる。そんなとき、ジャン・ルノワールの「恋多き女」(1956)が転機になり、フォックス社から「すべて許された。帰国されたし」との電文で、出演交渉を受けることになる。
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「白い恐怖」は、ヒッチコック・サスペンスがさえわたり、とくに後半からラストにかけて、緊張とスリルが展開される。ラストシーンの銃口の動きとカメラがシンクロする動き。その銃口は、女医に向けられていたが、やがて180度角度を変えて、銃を持った本人に向けられて発砲される。
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長年精神病治療院「緑の園」の所長だったマアチソン博士が更迭され、新所長としてエドワァズ博士を迎えることになった。ただ1人の女医コンスタンス・ピイタアゼン博士(イングリッド・バーグマン)は、美人だが研究一徹で、同僚の求愛にも見向きもしない性格だった。
だが治療院にやってきたエドワァズ博士(グレゴリー・ペック)を名乗る若い男にコンスタンスは一目惚れをしてしまう。ところが、食事しながらコンスタンスが計画中のプールの略図をフォークの先で白いテーブルクロスに描いた途端彼の様子が変になる。
やがて、コンスタンスはエドワァズの本の署名と彼がよこした手紙の署名が異なることに気付く。彼のシガレット・ケースにはJ.B.の頭文字が入っていた。エドワァズ博士を名乗る「男」は、自分はきっとJ.B.の頭文字を持つ男で本物のエドワァズ博士を殺して身代わりとなってここに来たんだろうと言い出し、そして逃亡する。
エドワァズ博士として登場した記憶喪失の男は誰。その記憶喪失の原因は。
エドワァズ博士を殺した犯人は・・・。
ラストで明らかになる、真犯人。
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ヒッチコックの未見作品がまだあるので、すべてを見たくなる。
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