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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ゴーストライター」(2011)

 
ポーランドの鬼才ロマン・ポランスキー監督(「ローズマリーの赤ちゃん」「戦場のピアニスト」)の最新作「ゴーストライター」をきょう(3日)見てきた。ポランスキー監督ということ、久しぶりに往年のヒッチコックを彷彿とさせるサスペンスタッチの映画という前評判だったことで、劇場で見てこそ・・・という映画だった。(MOVIXさいたま)
 
俳優がなかなかいい。
ユアン・マクレガーが主演だが、007のピアース・ブロスナンや、現役最古参の俳優かと思われるイーライ・ウォーラック(95歳)(「荒野の七人」の盗賊の親玉や「ホリディ」の元プロデューサー)、女優陣もどこかで見たことがあると思ったキム・キャトラルは、「セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)」のサマンサ役だった。 オリヴィア・ウイリアム
このほか、この映画で一番インパクトがあったのは、元英国首相の奥さん役のオリヴィア・ウィリアムス(「シックス・センス」)という女優。
                                                                               
ゴーストライター」(日活配給)は、元イギリス首相(P.ブロスナン)の自伝執筆を依頼されたゴーストライターユアン・マクレガー)が、元首相の過去を調査、取材するうちに、CIA絡みの国際的な秘密、陰謀に巻き込まれていく、というもの。
 
 
ゴーストライターは自分がはじめてではなく、前任者がいて、不審な死にかたで、死体で発見される。書き残した草稿には、暗号が仕組まれているということが最後に明らかになる。
 

 
映画というのは、ラスト・シーンが大きな比重を占める。ラストにたどりつくまでの伏線、ヒントが映画の醍醐味でもある。
 
ラストは、急展開の驚きのどんでん返しの面白さ。
 
蛇足だが、「ゼロの焦点」のラスト近く、女性初の議員誕生で、応援していた支援者
中谷美紀)がスピーチの途中に、本人にとっては信じられない「XXXX」という声が聞こえてきて、顔面蒼白になるシーンがあった。「ゴーストライター」も、スピーチの最中に渡されたメモに超ド級の衝撃が走るのである。(これから見る人は、忘れてください。笑)
 
サスペンス映画なので、内容には触れられないが、不安を煽るような音楽や、荒涼とした、どんよりとした風景、全体の場面の色調が青銅色に近いような色合いで過去のポランスキー作品(「ローズマリーの赤ちゃん」など)と共通するものがあり、50年代ごろのヒッチコック映画といった趣だ。
 
ユアン・マクレガーは神経質そうで、しゃしゃり出るタイプではなく、それでいて存在感があり、本作は代表作の1本になりそうだ。個人的には、「彼が二度愛したS」のナイーブでありながら最後には、エリートをぎゃふんと言わせる度量を見せつけた役がよかった。「ムーランルージュ」では、ニコール・キッドマンを相手に、歌を歌いミュージカルの才能もあるようだ。「恋は邪魔者」では、二枚目プレイボーイを演じた。「アイランド」のような失敗作品もあったが(笑)。
 
1960年代後半から、スキャンダルが相次いだポランスキー監督だったが、まだまだ健在のようだ。
 
☆☆☆