「if もしも」(1969)の1シーン
1969年という年は、いろいろな意味でエポック・メイキングな年だった。
日本は学園紛争の真っただ中にあった。
東京大学の入学試験は中止となった。
いわゆる”安田講堂籠城事件”があったためだ。
日本は、1964年の東京オリンピック開催以降は、高度成長時代に入っており、前年の1968年には、GNPが米国に次いで第2位になった。
1969年の7月には、人類が初めて月面を踏んだ(アポロ11号の月面着陸が成功)。
コマーシャル(CM)では、丸善石油の「オー、モーレツ!」や、巨泉のパイロット万年筆「はっぱふみふみ」が大ヒット。TV番組では、「巨泉・前武のゲバゲバ90分」が登場し、”あっと驚く為五郎(ハナ肇)”の流行語を生んだ。
流行歌では「黒ネコのタンゴ」「長崎は今日も雨だった」「時には母のない子のように」などがヒット。
「ブリット」に始まり「ウエスタン」「明日に向かって撃て!」「if もしも」「千夜一夜物語(アニメ)」「女王陛下の007」「私は好奇心の強い女」「アポロンの地獄」「おかしな二人」「スイート・チャリティ」「ワイルドバンチ」・・・などを見た。
日本公開が遅れた「Z」(製作1968)は1970年末に見たが、この映画「Z」が、アメリカの著名な映画評論家が1969年の1位に推しているのを昨日知って、意を強くした(笑)。これまで、劇場で見た映画は、ざっと2,000本くらいだろう(TV、ビデオの洋画を含めると4,000本くらいだろう)。「Z」は、生涯ベスト5映画の1本と決めて40年!
津村秀夫さんという著名な映画評論家が大学で映画演劇論を担当していたときに
2年連続で講義を聞いたことがある。津村さんと言えば、週刊朝日だったか「Q」というペンネームで、映画評も書いていたが、キネマ旬報の選考委員の一人でもあったし、テレビで人気があった淀川長治さんや、双葉十三郎さんらと並ぶ映画評論の草分けではなかったか。その津村さんも「Z」を高く評価していたように記憶している。
そのベスト10は以下の通り。
① Z
② アメリカを斬る(Medium Cool)
③ ウイークエンド
④ if もしも
⑤ 去年の夏(Last Summer)
⑥ ワイルドバンチ
⑦ イージーライダー
⑧ 勇気ある追跡
⑨ 白銀のレーサー(Downhill Racer)
⑩ 戦争と平和
わりとオーソドックスな作品が並んでいる中で、「Z」が1位というのは、「Z」推進ブログの「映画スクラップ貼」としては心強い!(爆)。「Z」については、興味があれば「Z」専用書庫でもご覧ください。
「if もしも」は、怪優マルコム・マクダウエルのデビュー作で、世界的な、学生パワーのうねりの中で、英国の高校を舞台にした、異色・衝撃学園ドラマだった。後の「時計仕掛けのオレンジ」のマルコムの片鱗が見えていて興味深い。