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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「禁じられた情事の森」(1967):エリザベス・テイラー、M.ブランド主演。


「禁じられた情事の森」(Reflections in a Golden Eye) (1967)
 
 
禁じられた情事の森」(1967)は、タイトルは刺激的ながら、まったくそのような映画ではなくて、二組の夫婦のズレ、人間関係、葛藤などを深く描いた作品だ。
 
米国の映画評論家兼テレビキャスターとして、最も鋭くかつ大胆に映画作品を論じ、最も有名で信頼できる映画評論家といわれるロジャー・エバート(写真)が1967年の年間映画ベスト10ランキングで、7位に推している。(10位が「夜の大捜査線」)
 
HKさんが絶対に好みそうな映画で、かなり異色な映画だろうと思って、内容などの予備知識はまったくなく見たが、やはり異色だった(笑)。ジョン・ヒューストン監督で、主演がエリザベス・テイラーマーロン・ブランドとあっては、一筋縄ではいかないと思っていた。見終わって、複雑だったが、著名な評論家のお墨付きに弱いfpdであり、ドロドロした愛憎劇だったが、ラスト・シーンの衝撃だけでも、必見だった。
 
タイトルの「森」は、第二次大戦中の軍兵舎のあるジョージア州
マーロン・ブランドは、少佐で、兵隊の新人教育などを担当している。
妻との関係は冷え切っていて、教育実習の間に、ふと窓の外を見ると、妻が別の男と乗馬で、”情事の森”に出かけることを目撃してしまうが、それを問いつめるでもない。
 
マーロン・ブランドの繊細すぎる演技は、やはりすごい。
この映画では、バーベルで体を鍛えており、筋骨りゅうりゅうのマッスル体型男。
ところが、この少佐が好きなのは、まさかの、妻と情事にふける男だったとは
その男の妻に扮しているのが、ジュリー・ハリス。「エデンの東」もよかったが、この映画でも精神に異常をきたしていく、不幸な妻を演じてうまい。
 
ブランド少佐は、全裸で乗馬している若い兵士を目撃してからは、狂ったように、森に出かけ・・・。(何と言う映画だ・・・これは!笑)
 

タイトルのイメージにあるような、情事のシーンなどは一切ない。
 
深刻な、心理映画のような、覗き見る目のクローズアップなどサスペンスタッチの映画でもある。       
  ジュリー・ハリス
 
このわずか数年後に、ブランドは、「ゴッドファーザー」のドン・
コルレオーネを老け役で演じてしまうのだから、恐れ入る。
 
エリザベス・テイラーは、先日79歳の生涯をとじた。
この映画の時には、30代半ば。                 
 
美人には違いないが、ずいぶんと、ぽっちゃりしていた。カメラは執拗にリズのお尻ばかりを追いかけているように思えた。これを、一般的には、女の尻を追いまわす・・・というのだろう(爆)。
 
それはともかく、ラストシーンに、テイラーの演技のすべてが凝縮してすさまじい。
その驚きに動転してしまう、ブランドの反射的な演技も見逃せない。
 
強烈・絶叫マシーンのような幕切れだった。
誰にでもお勧めというような映画ではなく、評価は辛目だが、見てよかった。
(HKさんが、お勧めということで、DVDを贈ってくれたのでした。ありがとうございました)
 
★★