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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1970年代(111)「続・夜の大捜査線」(1970)

続・夜の大捜査線」(1970)は、傑作「夜の大捜査線」(1967)の第2弾。
映画の原題が気に入っている。

"They Call Me MISTER Tibbs"である。
このタイトルは、前作「夜の大捜査線」の中の、印象に残る ”しびれる”セリフである。

ロッド・スタイガー所長の部下の警察官が、黒人というだけで、
殺人容疑で、ティップス刑事を誤認連行。

 

所長とティップスの会話。
身元確認で、北部の警察署に電話をして、ティップスについて聞いたところ、
向こうからは「殺人課の敏腕刑事」と知らされる。

 

所長は、それで「あんたは向こうじゃあ、何て呼ばれていたんだい」。
ポワチエの答えが、「They Call Me MISTER Tibbs!」というわけ。
1967年度のアカデミー賞で5つのオスカー(作品・主演男優・脚色・編集・録音)を獲得した「夜の大捜査線」は、米国南部の人種偏見の強い中で、戦うバージル・チップス刑事
シドニー・ポワチエ)と警察署長(ロッド・スタイガー)の確執、友情を描いた。 
この「続編」では、バージル・チップス刑事の活躍をかっこよく描いていた。

 



 製作指揮は「華麗なる賭け」のウォルター・
 ミリッシュ、製作はハーバート・ハーシュマン、
 音楽は「愛は心に深く」のクインシー・ジョーンズ

 

 舞台は、サンフランシスコ(SF)。
 SF警察署の平穏を、けたたましい電話のベルが破った。
 匿名の電話は、女が殺されていることと、
 そのアパートからシャープ牧師(マーティン・ランドー
 が出るのを見たことを告げた。



この日は、珍しく妻のバレリー(バーバラ・マクネア)の電話に、「早く帰る」と告げていた殺人課の腕きき警部バージル・ティッブス(シドニー・ポワチエ)だったが、親友のシャープ牧師の名があがった。
この事件を知り、マーデン署長(ジェフ・コーリー)の考慮をしりぞけて、担当を主張した。捜査が開始された。殺された女は売春婦で、捜査線上にはシャープをはじめ、数人の容疑者の名が浮かんだ・・・。

 

ティッブスの努力にもかかわらず、牧師の容疑がますます濃厚になっていく・・・。
夜の大捜査線」シリーズは、この続編で初めて見た。
黒人であるバージル・チップス刑事だが、前作のような人種偏見はなく、一刑事として、敏速に動き、活躍する姿があった。後に「夜の大捜査線」を見たが、比較すると、やはり「続」は物足りない気がした。映画公開当時も言われていたが、現実のアメリカが抱える人種偏見問題にまったく目をつむり、ティップス刑事をかっこいいヒーローに仕上げているのではないかといった一部の批判も出ていたようだ。
そういえば、シドニー・ポワチエを始めてみたのがこの映画だった!

 

それは別としても、ポワチエのトレンチコートで、颯爽と動く姿は様になり、当時は、
コートを着て、階段を下りるときなどポケットに手を入れてティッブス刑事になったような気分になったこともあった(単純だ!笑)。
映画館を後にした高倉健症候群と同じか(笑)。このあと、「新・夜の大捜査線・霧のストレンジャー」も公開された。お気に入りのシリーズだが、1作目には、いずれにしてもかなわなかった(笑)。