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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「男はつらいよ」渥美清=本名より「寅さん」と呼ばれた男</span>




 「男はつらいよ」シリーズは、どんな存在だったでしょうか。
 私は、年中行事の、盆暮れのあいさつ代わりに見ていた、といったところでしょうか。
 見所は、なんと言っても、相手役のマドンナ女優。旬の女優や、ベテラン女優。
 寅さんのマドンナになることは、女優の人気、実力のバロメーターのようなところもありました。
 
 「男はつらいよ」(全48作)で、一世を風靡した渥美清さんが亡くなって、満10年だそうです。 
 「もう、10年も経つのか」と思いました。NHKの朝の番組で、渥美清の生き様を紹介していました。
 
 「丈夫で長持ち」というキャッチフレーズで、二枚目とは程遠い(失礼!)テレビのCMに出ていた 
 のが、渥美清を見た最初だったように記憶しています。「男はつらいよ」(1969年第1作)
 公開の前の時代です。

 「男はつらいよ」は、テレビ・シリーズではじまり、最終回で寅さんが、ハブ(蛇)にかまれて
 死んでしまい、番組は打ち切り。大人気だったシリーズの主人公を死なせてしまうとはけしからん
 と、一般視聴者や○クザ系の人まで抗議が殺到したことから、”苦肉の策”で、1本限りとして
 制作されたのが、第1作だったわけです。

 ところが、ところが、これが公開されるや、高度成長時代の猛烈社員が世の中の大勢を占める中、
 ”フリーターの元祖”のような、”フーテンの寅”の登場が、アンチ・ヒーローとして、
 大受けとなったのでした。

 今のようなフリーター全盛時代では、寅さんが受けたかどうか、わかりません(笑)。
 
 テレビの番組紹介の中で、ある人が「(渥美さんは)本当は、シェークスピア劇の主役もできる人」
 と語っていました。喜劇・悲劇を演じられるというわけです。

 確かに、「男はつらいよ」シリーズの公開後、10本くらい後では、シリアスなドラマなどにも
 出演していたことがありましたが、やはり日本映画の、とりわけ松竹にとっては「ドル箱」の
 ”寅さん映画”で、映画会社は、商業ベースの映画を撮っていこうと決めたようです。

 映画産業が衰退する中で、映画館の数も半減する一方で、寅さん映画の平均観客動員数は、160万人、
 興行収入は、1本10億円というのです。すごい。今、10億円を稼ぎ出す日本映画は少ないです。
 寅さんの一人勝ちの時代が続きます。

 話といったら、ふらっと旅に出て、女性に出会い、失恋を繰り返すという ”偉大なワンパターン”
 映画なのですけどね(笑)。全48本中、見たのは、30本くらいかと思います。
 サスペンスはありません(笑)。ストーリーは、わかっています(笑)。
 それでも、なんとなく、見に行ってしまうのが「寅さん映画」でしたね。

 なかでも、お気に入りは、マドンナで言うと、8作目の池内淳子、あとは、浅丘ルリ子(リリー役)、
 竹下景子の出ている作品などです。相手が、吉永小百合のマドンナでは、「(恋が)まとまるわけ
 ないですね(爆)」(大変、失礼!)。

 1983年に、30作目で、連続シリーズの最長記録として「ギネスブック」に登録されたそうです。
 最後のシリーズの頃には、さすがに「飽きが来て」劇場には、足が遠のいてしまいました。

 あの口上は、若い頃、テキ屋(物売り外商)も経験しているだけあってさすが。

 「結構毛だらけ、猫灰だらけ・・・」
 「粋なネエチャン、立ちションベン・・・」(和田アキ子は、男子トイレで、あったと・・・爆)
 
 渥美さん、と呼ばれずに「寅さん」と役柄で呼ばれるめずらしい俳優さんでした。
 「寅さんが渥美清なのか」、「渥美清が寅さんなのか」いまだにわかりません(爆)。
 
シリーズ全作品:
1969年 第一作『男はつらいよ』 マドンナ:光本幸子 
1969年 第二作『続・男はつらいよ』 マドンナ:佐藤オリエ
1970年 第三作『男はつらいよ フーテンの寅』 マドンナ:新珠三千代
1970年 第四作『新・男はつらいよ』 マドンナ:栗原小巻
1970年 第五作『男はつらいよ 望郷篇』 マドンナ:長山藍子
1971年 第六作『男はつらいよ 純情篇』 マドンナ:若尾文子
1971年 第七作『男はつらいよ 奮闘篇』 マドンナ:榊原るみ
1971年 第八作『男はつらいよ 寅次郎恋歌』 マドンナ:池内淳子
1972年 第九作『男はつらいよ 柴又慕情』 マドンナ:吉永小百合
1972年 第十作『男はつらいよ 寅次郎夢枕』 マドンナ:八千草薫
1973年 第十一作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』 マドンナ:浅丘ルリ子
1973年 第十二作『男はつらいよ 私の寅さん』 マドンナ:岸惠子
1974年 第十三作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』 マドンナ:吉永小百合
1974年 第十四作『男はつらいよ 寅次郎子守唄』 マドンナ:十朱幸代
1975年 第十五作『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』 マドンナ:浅丘ルリ子
1975年 第十六作『男はつらいよ 葛飾立志篇』 マドンナ:樫山文枝
1976年 第十七作『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』 マドンナ:太地喜和子
1976年 第十八作『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』 マドンナ:京マチ子
1977年 第十九作『男はつらいよ 寅次郎と殿様』 マドンナ:真野響子
1977年 第二十作『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』 マドンナ:藤村志保
1978年 第二十一作『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』 マドンナ:木の実ナナ
1978年 第二十二作『男はつらいよ 噂の寅次郎』 マドンナ:大原麗子
1979年 第二十三作『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』 マドンナ:桃井かおり
1979年 第二十四作『男はつらいよ 寅次郎春の夢』 マドンナ:香川京子
1980年 第二十五作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』 マドンナ:浅丘ルリ子
1980年 第二十六作『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』 マドンナ:伊藤蘭
1981年 第二十七作『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』 マドンナ:松坂慶子
1981年 第二十八作『男はつらいよ 寅次郎紙風船』 マドンナ:音無美紀子
1982年 第二十九作『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』 マドンナ:いしだあゆみ
1982年 第三十作『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』 マドンナ:田中裕子
1983年 第三十一作『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』 マドンナ:都はるみ
1983年 第三十二作『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』 マドンナ:竹下景子
1984年 第三十三作『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』 マドンナ:中原理恵
1984年 第三十四作『男はつらいよ 寅次郎真実一路』 マドンナ:大原麗子
1985年 第三十五作『男はつらいよ 寅次郎恋愛塾』 マドンナ:樋口可南子
1985年 第三十六作『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』 マドンナ:栗原小巻
1986年 第三十七作『男はつらいよ 幸福の青い鳥』 マドンナ:志穂美悦子
1987年 第三十八作『男はつらいよ 知床慕情』 マドンナ:竹下景子
1987年 第三十九作『男はつらいよ次郎物語』 マドンナ:秋吉久美子
1988年 第四十作『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』 マドンナ:三田佳子
1989年 第四十一作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』 マドンナ:竹下景子
1989年 第四十二作『男はつらいよ ぼくの伯父さん』 マドンナ:後藤久美子
1990年 第四十三作『男はつらいよ 寅次郎の休日』 マドンナ:後藤久美子
1991年 第四十四作『男はつらいよ 寅次郎の告白』 マドンナ:後藤久美子
1992年 第四十五作『男はつらいよ 寅次郎の青春』 マドンナ:後藤久美子
1993年 第四十六作『男はつらいよ 寅次郎の縁談』 マドンナ:松坂慶子
1994年 第四十七作『男はつらいよ 拝啓車寅次郎様』 マドンナ:かたせ梨乃
1995年 第四十八作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』 マドンナ:浅丘ルリ子
1997年 第四十九作(特別編)『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』
マドンナ:浅丘ルリ子