当時の劇場公開以来、DVD化はおろか、TV放送すらされていなかった門外不出の作品「愛の化石」が46年ぶりに解禁、DVD化されたというので見た。テレビでは、昨年9月に45年ぶりとなるが、特集で放映された(下にYouTube予告映像)。
由紀は今や、ヨーロッパ帰りのテキスタイルデザイナーとして、繊維メーカー・ロンシャンに専属、各方面から注目を浴びていた存在。
日比野は連日、由紀を追いかけるが、ポーズをとる彼女がいやだった。
ある日、由紀は碧川(みどりかわ)の帰国の報を聞き、探し回るのだが居所すら不明ですっかり憔悴した。
ある日、由紀は碧川(みどりかわ)の帰国の報を聞き、探し回るのだが居所すら不明ですっかり憔悴した。
さらに、ロンシャンがライバル社に対抗して、外国人デザイナーを起用し、由紀は事実上、ロンシャンをクビとなった。原田は由紀に碧川を忘れるよう説得、また常務津久井(清水将夫)に彼女の素晴らしさをすすめるのだが、却下された。
日比野は、由紀に心惹かれ始めており、一方、傷心の由紀も碧川との思い出を懸命に精算せんと努めた。由紀の愛は日比野に移りつつあったのだ。
日比野は次の仕事、ビアフラ(ナイジェリア)の取材準備に奔走していた。ジュン子から別かれ話を切り出されたのもその頃だった。由紀は原田からすすめられたパリでの仕事を断わり、日比野のもとへ走った。数日後、単身ビアフラへ飛び立つ日比野を由紀はひとり空港のフィンガーデッキに見送った。
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この映画は、石原プロモーションの製作で、石原裕次郎以外の役者が主演するのは浅丘ルリ子がただ一人だったという作品。2年ほど前に石原プロモーションで、映画の原板が発見されたことから、今回DVD化が可能となった。いわば幻の映画といわれていた作品。
公衆電話は「10円硬貨」のみ受け付けるダイヤル式の赤電話。
企画部長・原田(田宮二郎)の勤めるロンシャンという会社の外国の取引先のドイツ人・ブロッケンが招かれるが、接待などに同席した由紀は翌日、「外国人てタフだわ。54,5歳でも、ゴーゴー(死語)でも何でも踊るんですから」。
「ローマ」については、思い出したくない苦い思い出があった。
20代の前半のころ、テキスタイルデザイナーの仕事で出先のローマで、一人の男にあった。それが、EEC(当時の欧州共同体)で市場調査をしていた碧川(みどりかわ)だった。
「愛の化石」というタイトルは、「彼(碧川)は生きている化石だよ」という原田の言葉からきているようだ。由紀は「その石を抱いてきたからこそ、生きてこられた」というのだ。
時々碧川は短期間帰国しているらしいという情報があったが、結局再会は果さなかった。原田は、過去の亡霊から逃れるべきだと諭す。そして、ナイジェリアのビアフラで、苦しい体験をしたことがあった由紀は、ナイジェリアのビアフラに長期で出かけるというカメラマンの日比野にひかれていることに気付く。「ビアフラによろしく」とつぶやき、日比野の知らないところ(空港デッキ)で、由紀は飛行機の日比野を見送った。
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浅丘ルリ子の映画は「御用金」やルノー・ベルレー(「個人教授」「さらば夏の日」)と共演した「愛ふたたび」や、「男はつらいよ」シリーズ(出演4作品)など、十数本しか見ていないが、寅さんシリーズのマドンナ”リリー役”が最も印象に残る。品のあるお嬢様役もいいが、人間味のある蓮っ葉?のキャラもいい(笑)。
出演:
テレビ放送予告
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