第81回「ゴールデングローブ賞」授賞式が1月7日(日本時間8日)、米ビバリーヒルズのザ・ビバリー・ヒルトンが開催され、映画部門ではクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」が作品賞(ドラマ)、ヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」が作品賞(ミュージカル/コメディ)を受賞した。
宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアニメーション作品賞を受賞。日本作品の同カテゴリー受賞は初。アカデミー賞も最有力でほぼ確実とみられる。
アカデミー賞も確実視される「君たちはどう生きるか」
プロデューサーが授賞式欠席のため、プレゼンターを務めたナタリー・ポートマンとフローレンス・ピューが代理でトロフィーを受け取った。
「オッペンハイマー」が作品賞を含む最多5部門で受賞した。クリストファー・ノーラン監督が初のゴールデングローブ監督賞を獲得。
「オッペンハイマー」の1シーン(左がキリアン・マーフィ、3人目がマット・デイモン)
主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィ
壇上で同作に出演したマット・デイモンからトロフィーを受け取ったほか、キリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞、ルドウィグ・ゴランソンが作曲賞に輝いた。
「哀れなるものたち」はミュージカル&コメディ部門で「作品賞」「主演女優賞」などを授賞。アカデミー賞に向けて一歩、飛び出した格好となった。
ドラマ部門で「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」により主演女優賞を獲得したリリー・グッドストーンはネイティブ・アメリカン俳優。
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」のリリー・グッドストーン
今年新設された「シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞」は「バービー」が受賞した。同賞は、興行成績あるいは動画配信での視聴回数が多く、世界中の観客に支持されたコンテンツに贈られる賞。
アカデミー賞を含め、賞レースでは娯楽作がノミネートされないことが多々あり、興行成績賞はこれまで授賞式と縁のなかった視聴者を取り込むことを期待されている。
「バービー」に主演したマーゴット・ロビーは、映画と同様、ピンクの衣装で登場。
「バービー」は新設の「シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞」(話題賞)と最優秀主題歌賞(“What Was I Made For?”)を授賞したが、作品賞は逃した。
授賞したマーゴット・ロビー、リリー・グラッドストーン、クリストファー・ノーラン
惜しくも「作曲賞」受賞ならずも「作品賞」受賞の快挙達成!
プレゼンターが「アニメーション作品賞は…”君たちはどう生きるか」と発表。
「君たちはどう生きるか」のプロデューサーである鈴木敏夫氏は「本当にうれしい」と喜びのコメントを寄せた。
女優/ 歌手のテイラー・スウィフトはグッチのグリーンドレスで登場し話題を集めた。
結果は以下の通り。★が受賞。
<最優秀作品賞(ドラマ)>
「落下の解剖学」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「マエストロ その音楽と愛と」
★「オッペンハイマー」
「パスト ライブス 再会」
「The Zone of Interest」
<最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)>
「AIR エア」
「American Fiction」
「バービー」
「The Holdovers」
「May December」
★「哀れなるものたち」
<最優秀主演女優賞(ドラマ)>
アネット・ベニング「ナイアド その決意は海を越える」
ケイリー・スピーニー「プリシラ(原題)」
キャリー・マリガン「マエストロ その音楽と愛と」
グレタ・リー「パスト ライブス 再会」
★リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
サンドラ・ヒュラー「落下の解剖学」
<最優秀主演男優賞(ドラマ)>
アンドリュー・スコット「異人たち」
バリー・コーガン「Saltburn」
ブラッドリー・クーパー「マエストロ その音楽と愛と」
★キリアン・マーフィ「オッペンハイマー」
コールマン・ドミンゴ「ラスティン ワシントンの「あの日」を作った男」
レオナルド・ディカプリオ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
<最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ)>
アルマ・ポウスティ「枯れ葉」
★エマ・ストーン「哀れなるものたち」
ファンテイジア・バリーノ「カラーパープル」
ジェニファー・ローレンス「マディのおしごと 恋の手ほどき始めます」
マーゴット・ロビー「バービー」
ナタリー・ポートマン「May December」
<最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ)>
ジェフリー・ライト「American Fiction」
ホアキン・フェニックス「ボーはおそれている」
マット・デイモン「AIR エア」
ニコラス・ケイジ「Dream Scenario」
★ポール・ジアマッティ「The Holdovers」
ティモシー・シャラメ「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」
<最優秀助演女優賞>
ダニエル・ブルックス「カラーパープル」
★ダバイン・ジョイ・ランドルフ「The Holdovers」
エミリー・ブラント「オッペンハイマー」
ジョディ・フォスター「ナイアド その決意は海を越える」
ジュリアン・ムーア「May December」
ロザムンド・パイク「Saltburn」
<最優秀助演男優賞>
チャールズ・メルトン「May December」
マーク・ラファロ「哀れなるものたち」
ロバート・デ・ニーロ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
★ロバート・ダウニー・Jr.「オッペンハイマー」
ライアン・ゴズリング「バービー」
ウィレム・デフォー「哀れなるものたち」
<最優秀監督賞>
ブラッドリー・クーパー「マエストロ その音楽と愛と」
セリーヌ・ソン「パスト ライブス 再会」
★クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」
グレタ・ガーウィグ「バービー」
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ヨルゴス・ランティモス「哀れなるものたち」
<最優秀脚本賞>
ジュスティーヌ・トリエ
★アルチュール・アラリ「落下の解剖学」
グレタ・ガーウィグ
ノア・バームバック バービー
エリック・ロス
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」
セリーヌ・ソン「パスト ライブス 再会」
トニー・マクナマラ「哀れなるものたち」
<最優秀作曲賞>
久石譲 「君たちはどう生きるか」
ロビー・ロバートソン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
★ルドウィグ・ゴランソン「オッペンハイマー」
ジェルスキン・フェンドリックス「哀れなるものたち」
ダニエル・ペンバートン「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
ミカ・レビ「The Zone of Interest」
<最優秀主題歌賞>
Best Original Song - Motion Picture
“Addicted to Romance”「シー・ケイム・トゥ・ミー(原題)」
“Dance the Night”「バービー」
“I’m Just Ken”「バービー」
“Peaches”「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
“Road to Freedom” 「ラスティン ワシントンの「あの日」を作った男」
★“What Was I Made For?”「バービー」
<最優秀長編アニメーション映画賞>
★「君たちはどう生きるか」
「マイ・エレメント」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「すずめの戸締まり」
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
「ウィッシュ」
<シネマティック・ボックスオフィス・
アチーブメント賞>
★「バービー」
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3」
「ジョン・ウィック コンセクエンス」
「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」
「オッペンハイマー」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
「テイラー・スウィフト THE ERAS TOUR」
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
<最優秀非英語映画賞>
★「落下の解剖学」
「枯れ葉」
「Io Capitano」
「パスト ライブス 再会」
「雪山の絆」
アカデミー賞前哨戦と言われるGG賞の結果は、アカデミー賞にも影響を与えそうで「オッペンハイマー」が最有力候補となりそうだ。
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