fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

ドラマ「梨泰院クラス」(全16話)を見る。壮大かつ痛快復讐劇。

話題の韓国ドラマ「梨泰院クラス」(全16話)を見る。梨泰院は“りたいいん”でなく“イテウォン”と読む。ソウルにある繁華街の地名。

”決して“(笑)韓流ファンというわけではないが、話題作であり、日本版リメイクができるというので、全16話か…と思いつつも、気合を入れて、この2日間で10話分と最終話まで見た。

韓国の競争社会、格差社会、縦社会、上下関係、差別(LGBT、人種)、仲間たちの友情などを盛り込んでいる。

中卒(高校退学)で前科者というハンデを背負った主人公が、15年計画で「蟻が象を倒す」といった不可能にも思える壮大な計画を立て実行してしまうという痛快なストーリー。

          梨泰院クラスの仲間たち。

韓国の人気WEB漫画の実写ドラマ化作品。誰よりも正義感が強いパク・セロイは、高校3年生のとき、大手飲食店・長家(チャンガ)グループの御曹司でいじめっ子のチャン・グンウォンを殴ったことで、3年間服役し、セロイの人生が大きく変わる。

その後、セロイは、成功を掴もうとソウルのなかでもひと際ホットな街・梨泰院(イテウォン)で小さな飲み屋「タンバム」(韓国語で「甘い夜」)を開店し、自分の父親を車事故で死なせたグンウォンを息子に持つ長家(チャンガ)グループの会長を相手に無謀ともいえる戦いを仕掛けるのだった。

父親の教え「信念をもって生きよ」を実践するセロイ(左は父)。

・・・

壮大な復讐物語を描くが、登場人物の個性が際立って見ごたえがあった。デートもしたことがない堅物で頑固なパク・セロイ(パク・ソジュン)だが、長家(チャンガ)で部長をしていたセロイの父パク・ソンヨルソン・ヒョンジュ)がサポートしていた孤児のオ・スア(クォン・ナラ)に対しては恋心を抱いていた。

父ソンヨルが長家(チャンガ)の長男グンウォンに車をぶつけられ亡くなりセロイは、長家(チャンガ)に復讐を誓う。オ・スアは、恩のある長家に残って仕事を続けるか、長家を飛び出しセロイの側に立つか迷うが、セロイは自分が長家を倒すまで長家にとどまるように勧める。長家を倒したらオ・スアは、自由に解き放たれるというのだが・・・。

・・・

パク・セロイをめぐるラブストーリーの行方も注目されたが、「えっ、そっちなの?」という結末だった(笑)。清楚で美人のオ・スア(ネットでは雰囲気が指原莉乃に似ているというコメントも)か、破天荒でソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)のチョ・イソとの板挟みとなるセロイが選んだのは…。

 指原莉乃に似ている?

大企業の御曹司というとやはり問題児が多いのか、このドラマの会長の長男は、最低最悪の人物だった。いくら父親の愛情が欠如していたとはいえ、暴力的な性格で、他人を見下し、手が付けられない。セロイの父親を車で轢いてしまい、別の人間が運転したように工作したり、高校生の時には、クラスメートに頭から牛乳をかけていじめたり暴力をふるう問題児。そんな人物には、天罰が下る(再び刑務所入り)のだ。

 

長家の会長の目的は、長男をムショ送りしたセロイに土下座をさせること。一方のセロイの目的は、飲食業界に君臨する長家を追い越し、長家の会長に土下座をさせることだった。そして、結果は…。

・・・     

セロイを演じたパク・ソジュンは、イガグリ頭で、若いころの橋幸夫(笑)。「キム秘書はいったい、なぜ?」では、カネがありイケメンのオレ様といったナルシストを演じていた(笑)。

チョ・イソ役のキム・ダミは、あとで気づいたが「The Witch/魔女」で主役の凄腕の殺し屋を演じていた。

長家の専務役のキム・ヘウンは圧倒するような美貌。ソウル大学声楽家からアナウンサー出身という。堂々としていて、日本でいえば全盛期の岩下志麻(笑)。韓国の映画界の俳優の層の厚さを感じた。

【主な登場人物】

■パク・セロイ(パク・ソジュン):

主人公。イガグリ頭で頑固な性格。父親ゆずりの強い正義感の持ち主で、どんな逆境にも諦めずに立ち向かう。梨泰院(イテウォン)に、タンバムという飲み屋を開店させる。「梨泰院(イテウォン)クラス」と店の名前にして、のちに、頭文字をとって株式会社ICの会社名で、スキャンダルまみれで暴落する長家を飲み込む。

■チョ・イソ(キム・ダミ):

成績優秀でインフルエンサーとしても人気がある。ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)で他人に興味がなかったが、セロイに惹かれ、タンバムで働き始める。思ったことをストレートにズバズバいう。

■チャン・デヒ(ユ・ジェミョン):

国内最大の飲食チェーン、長家グループの会長。長家を守るためなら、家族でさえも見捨てる冷徹な人物。当初はセロイを歯牙にもかけていなかったが、長男を刑務所送りにしたことを逆恨みして、土下座させることを目標にする。

■オ・スア(クォン・ナラ):

セロイの初恋の相手で、彼の宿敵である長家で働く。セロイが梨泰院で店を始めるきっかけを作った。セロイのために、恩のある長家に10年も使えるが、いつかセロイが解放してくれることを望んでいる。

チャン・グンスキム・ドンヒ):

チャン・デヒの愛人の息子。イソが好きで、彼女を追うようにタンバムで働き始める。

■チャン・グンウォン(アン・ボヒョン):

チャン・デヒの長男。ひねくれた性格で、最低・最悪の人物。不祥事ばかり起こしているが、父親の愛情に飢えている。スアのことが好き。

■カン・ミョンジョン(キム・ヘウン):

亡き父が、チャン・デヒと共に長家を立ち上げた。長家で働いている。専務の立場で、デヒを会長から降ろそうと暗躍するが失敗。

チェ・スングォン(リュ・ギョンス):

セロイと刑務所で出会う。セロイの生き方に感銘を受け、タンバムで働き始める。ケンカ早いところが玉に瑕。

■マ・ヒョニ(イ・ジュヨン):

タンバムのキッチン担当。セロイとは、工場で働いているときに出会った。トランスジェンダーである。テレビ番組の「最強の居酒屋」の最終決定戦で、自身でトランスジェンダーであることをカミングアウトする。

■キム・トニー(クリス・ライオン):

英語ができると思われ、タンバムのスタッフに採用された。韓国人とギニア人の血を引く。写真を手掛かりに、父親を捜している。国籍は韓国だが、外見で判断され、証明できずに苦労する。

■パク・ソンヨル(ソン・ヒョンジュ):

セロイの父親。長家グループで働いていたが、セロイの暴力事件が原因で、仕事を辞める。息子が正しい選択をしたことを誇りに思う。

■イ・ホジン(イ・デビッド):

グンウォンに虐められる、セロイの高校の同級生。のちにファンドマネージャーとしてセロイに協力する。グンウォンは拘置所でかつていじめていたホジンの面会で、その現在を知る。

■オ・ビョンホン(ユン・ギョンホ):

セロイの父親のひき逃げ事故を担当した刑事。長家に忖度して、事件を隠ぺいした過去があり、後悔の念を抱いている。

キム・スンリョ(キム・ミギョン):

梨泰院に住む金貸しの老婆と思いきや実は投資家の老人。40年前にチャン・デヒが飲食店を始めたころからの知り合いで、デヒも一目を置く存在。タンバムの常連客。

 

■「にほんブログ村」にポチッと押しましょう。

https://movie.blogmura.com/ranking/in   

https://movie.blogmura.com/moviereview/ranking/in