「LUCY/ルーシー」(原題:Lucy、2014)を見る。リュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンとタッグを組んで描くアクションエンターテインメント。覚醒した脳が100%機能して人間離れした能力をもったヒロインの予測不可能な戦いを、アメリカ、フランス、台湾を舞台に描く。
・・・
台北のあるホテル前。ごく普通の女性ルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、友人のリチャード(ピルー・アスベック)からアルミのアタッシュケースをホテルのMr.チャンという人物に届けて欲しいと頼まれる。
忙しいし面倒くさいので断るルーシーだったが、運ぶだけで1,000ドルがもらえ、それを折半にするというので、渋々、ケースを持ってホテルに入っていく。
訪れた台北のホテルのフロントが電話をして取り次ぐが、やってきたのは、マフィアのグループで、表で見張っていたリチャードは撃たれてタヒに、ルーシーは拉致されてホテル内の一室に連れて行かれる。
そこで、マフィアのボスMr.チャン(チェ・ミンシク)らはアタッシュケースの鍵と暗証番号をルーシーに渡し開けさせる。
マフィアたちは、爆発物が入っている可能性があるので、離れた場所に退避する。ルーシーがカバンを開けると、中にはブルーの透明袋に入っている麻薬だった。
ルーシーは、麻薬の闇取引に巻き込まれ、下腹部に「CPH4」という新種の麻薬が入った袋を埋め込まれてしまうのだった。この麻薬は、通常10%までしか活用できない人間の脳の潜在能力を極限まで高めることができる恐ろしいものだった。
運び屋として体内の麻薬と共に移動するよう命じられたルーシーだったが、麻薬を狙う別のマフィアに捕まってしまう。
ルーシーは激しい拷問を受けるが、その拍子に体内の袋が破れ、彼女の脳は麻薬の力で覚醒し、超人的な力を発揮してその場から脱出するのだった。
ルーシーの脳はますます覚醒し驚異的な力を発揮し始め、マフィアの事務所を襲撃し、ボスのMr.チャンを負傷させ、残りの「CPH4」を手に入れるために運び屋の行く先の情報を手にする。
ルーシーはフランスのピエール刑事に協力を要請し、運び屋を逮捕させ、Mr.チャンの仲間も倒して残りも手に入れる。そして脳科学の権威であるノーマン博士に会いにいく。
その間もルーシーの脳の覚醒は治まらず、いつしか彼女は人間性を失い、その力を制御することができなくなってしまうようにみえた。
ノーマン博士と面会を果たし、Mr.チャンと仲間が復讐のためにルーシーを殺しにやってきたとき、ついにルーシーの脳が100%覚醒するが、100%を達成したときルーシーは粉々になって消えてしまう。そして、”I am everywhere. (私はどこにでもいる)” という言葉を残してストーリーは終わる。
・・・
人間の脳は通常は10%程度したか使っていないという研究発表が脳科学者であるノーマン博士によって発表されるシーンと、マフィアの行動が同時に描かれていく。
ルーシーの脳が20%、50%とだんだん増加していく過程は面白い。そして、さらに覚醒すると、過去の恐竜時代や類人猿の時代に遡って交流することもできる(猿とは「ETの指」接触ポーズが見られた)ほか、全てが見通せる超能力が発揮されるようになる。ただ、生きられる時間が限定され、壮絶な最後を迎えることになる。
超能力現象、オカルト的なストーリーで、スカーレット・ヨハンソンの手錠にかけられ、覚醒した時の壁や天井を動き回る体当たり演技が凄まじかった。
モーガン・フリーマンは、声が通り、すぐにモーガンとわかる声で聞きやすい。
麻薬でSF世界に足を踏み込むといった内容で、好みが分かれそうだ。
主な登場人物:
■ルーシー :スカーレット・ヨハンソン
ごく普通の女性であったが、新種の麻薬により脳が極限まで活性化する。
■ノーマン博士:モーガン・フリーマン
脳科学の権威である科学者。
■Mr. チャン:チェ・ミンシク
韓国人マフィアのボス。ルーシーを使って新種の麻薬を国外に運び出そうと企てる。
■ピエール・デル・リオ:アムール・ワケド
フランス警察の刑事。ルーシーから協力を要請される。
■イギリス人:ジュリアン・リンド=タット
チャンの依頼でルーシーの下腹部に麻薬の入った袋を埋め込む。
■リチャード :ピルー・アスベック
ルーシーの彼氏。実は裏社会の運び屋。
■キャロライン:アナリー・ティプトン
ルーシーのルームメイト。女優志望。