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ドラマ「微笑む人」(2020)を見る。ラストで「あっ」といわせる極上ミステリー。

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ドラマ「微笑む人」(2020)を見る。昨年3月にテレビ朝日ドラマスペシャで放送(Netflix配信中)。主演は尾野真千子松坂桃李松坂桃李は、近年「孤狼の血」「娼年」「新聞記者」など話題作に主演、役柄を広げている。テレビ朝日のゴールデン帯ドラマで初主演を務めた。”おとなしい”タイトルからあまり期待しないで見たら、ラストがまさかの衝撃の結末で驚かされる極上ミステリーだった。

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貫井徳郎の同名小説を映像化。妻と娘を溺死させた罪に問われたエリート銀行員・仁藤(にとう、松坂桃李)の裁判の行方と過去に隠された真実を描く。

仁藤は、公判で「本の置き場所が欲しかったから」と殺害の動機を明かし、世間を揺るがす。事件前から仁藤と面識のあった記者・晶(尾野真千子)は事件の真相を探る。

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週刊誌記者の晶の視点で、物語が進み、妻子殺害の容疑者・仁藤は、無実であって、誰かをかばっているのではという疑惑が強くなるが、証言通りの意味だった背景が明かされて行く。

仁藤が公判の時に、傍聴席にいる晶をみたときに「微笑む」不気味さの謎。見ている側に、その奥底に潜む闇の深さにいざなうような不敵な微笑み…。

もっとも近しい人、例えば夫婦間でも相手のことをどこまで知っているのか、その本質、ホンネを知っているのか・・・も問いかけているようだ。

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週刊誌の女性記者・鴨井晶は「週刊海潮」の契約記者。夫に家事を任せ、再び第一線の記者として活躍しようと奮闘。週刊誌記者のスクープに仕立てたいという目論見などをすべてお見通しの仁藤という人物とは・・・。刑務所での3度の面会の晶と仁藤のやり取りの濃密な芝居合戦が見どころ。

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仁藤と幼いころ知り合いだったというキャバクラ・ホステス(↑写真中央)の話が物語を大きく進展させる。 平たく言えば、の顔を持つ二面性をえぐる。

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【キャスト】

■仁藤俊美(にとうとしみ):松坂桃李(小学生時代 柴崎楓雅

日本最難関の大学を卒業したエリート銀行員。安住川において妻子を殺害した容疑で逮捕される。当初は遺族としての立場だったが、目撃者の証言により事態は一変。誰しもが認める誠実な人間に映るが、その裏では耳を疑うような過去を抱えていた。

■鴨井晶:尾野真千子

週刊誌「週刊海潮」の女性記者。専業主夫の夫と娘と暮らしている。娘同士が同じ幼稚園に通っており、妻子を殺害した仁藤とは知り合いだった。表面上は誠実な人物であった仁藤の動機が腑に落ちず、仁藤に関係する人物や捜査関係者に取材を敢行。その中で次第に仁藤の表と裏の顔を知ることになり苦悩する。

井上肇生瀬勝久

週刊誌「週刊海潮」編集長。晶とは昔から上司と部下の関係にあり、晶が仁藤と個人的な関係があると知った上で巻頭特集を約束する。

■佐藤邦男:福田転球

神奈川県津田原警察署の刑事。

■滝沢孝一:田中要次

神奈川県横浜拘置所の刑務官。

■梶原敬二郎:阿部亮平

仁藤の先輩。かつて慶和銀行に勤務していたが、ダムに身を投げて自殺している。部下にきつく当たったり、女性社員にもセクハラまがいのことをするなど、社内での評判は芳しくなかった。仁藤ともとある因縁がある。

■保坂保:薬丸翔

慶和銀行に勤務する銀行員で仁藤の後輩。表面上は誠実で好印象に見える仁藤の裏の顔を垣間見たことがあり、怯えている。

■カスミ:佐藤乃莉

キャバクラに勤める女性で仁藤の小学生時代の同級生。晶と井上に仁藤との間の過去の出来事を打ち明ける。

■鴨井拓郎:小久保寿人

晶の夫。記者として走り回る妻に代わって、家事全般を引き受けている。笑顔の似合う穏やかな人物だが、実は…。