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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)を見る。

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レッド・オクトーバーを追え!」(原題:(英)The Hunt for Red October、1990)を見る(Netflix)。トム・クランシーの同名小説の映画化。アカデミー音響効果賞受賞。東西冷戦時代、大西洋沖に突然姿を現したソ連原子力潜水艦レッドオクトーバーをめぐって繰り広げられる、米ソ戦略を描く軍事アクション・スパイ映画。監督は「プレデター」「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン

ソ連の誇る最新原子力潜水艦レッド・オクトーバーのアメリ東海岸への接近は、アメリカ攻撃か、それとも…といったストーリーがほぼ潜水艦内だけで、スリリングに展開する。

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銀髪で渋いショーン・コネリーが演じる艦長の狙いをズバリと的中させるCIA分析官を若きアレック・ボールドウィン(当時32歳)が演じる。共演はほかに「ボクサー」「スターウォーズ」のジェームス・アール・ジョーンズほか。

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冷戦時代の(1980年代半ば)ソ連ムルマンスク港よりタイフーン級原子力潜水艦レッド・オクトーバー」が出航する。この新造艦の処女航海に艦長を担っているのはマルコ・ラミウス(ショーン・コネリー)だ。

世界の軍事関係者から尊敬と畏怖の念をもって仰ぎ見られるラミウスはソ連の体制に不満を持ち、レッド・オクトーバーを手土産にアメリカ合衆国への亡命を画策していたのだった。

彼が亡命に賭けたのは子飼いの士官達が亡命に同意したこと、そしてレッド・オクトーバーに装備された新型の推進システム「キャタピラー・ドライブ」だ。艦長は、この無音の推進システムがあれば、海底ソナーの網を抜けて大西洋の対岸に辿りつくことが可能であると踏んだ。

乗組員にはキューバに向かう訓練であると説明、疑念を持たせないようにした。その上で、政府側のお目付け役である政治将校を事故に見せ掛け殺害。出航前にソ連首脳部へ自分の意図をしたためた手紙を送り、後戻り出来ないように退路を断ち、バレンツ海を西へ進んだ。

一方、ソ連軍大西洋方面の部隊は艦船数十隻を動員し、自らも演習とNATOに通告した上でレッド・オクトーバーを追跡、撃沈しようとする。

アメリカ合衆国政府はソ連軍の動きを警戒するが、CIAアナリスト(分析官)のジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)は、このレッド・オクトーバーの理解を超えた行動の裏にラミウス亡命の意図を見つける。

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航行ルートを先読みしたソ連の潜水艦V.K.コノヴァロフはレッド・オクトーバーを待ち伏せる。アメリカ海軍ロサンゼルス級原子力潜水艦ダラスはソナー員の活躍によって微かな痕跡を見つけ、追跡を試みる。

レッド・オクトーバーの撃沈へ傾く首脳部の疑念を晴らすため、自らも命を賭けて真実を見つけだそうとするライアンは悪天候の中で前線に向かう。

ミウスの計略により、亡命計画に関わっていない乗員は虚偽の放射能汚染により退艦させ、ライアンもレッド・オクトーバーに乗り込む。

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無言の会話からコンタクトが始まり光が見えるが、艦内に潜んでいた料理人に扮したKGBの秘密破壊工作員が亡命計画に気づき、レッド・オクトーバーの破壊を試みるが、ライアンに阻止される。

そして、ラミウス達とレッド・オクトーバーは亡命を果たしたのだった。

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敵を欺くには味方から、という言葉があるが、潜水艦の一般乗組員と、ソ連KGBのお目付け役などをだましだまし、計画を進めるという板挟みなどがおもしろい。ただ計画自体が杜撰すぎないかという意見も多いようだ。相手のミサイルの弾道にあえて潜水艦をすすめたり、ハラハラさせるシーンも多く、軍事スパイものとしてよくできている。

映画の製作中の1989年にソ連が崩壊してしまったので、時代設定を急きょ1984年にしたという。映画は1990年3月2日に全米公開。2位の「ドライビング Miss デイジー」(1989)(これもいい映画だが)に3倍以上もの大差を付けるぶっちぎりの1位を獲得。

「ジャック・ライアン」シリーズの第1作。ジャック・ライアン役はハリソン・フォードに断られてアレック・ボールドウィンがキャスティングされたが、続編の「パトリオット・ゲーム」(1992)と「今そこにある危機」(1994)には希望通りハリソン・フォードが出演。アレック・ボールドウィンはたった一度のジャック・ライアン役となった。

ミウス役は当初、オーストリア人俳優のクラウス・マリア・ブランダウアーの予定だったが撮影開始前に足を骨折し、ブランダウアーが「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983)で共演したショーン・コネリーが代打で起用された。ショーン・コネリーの銀髪のかつらにはなんと2万ドルもかかったという(どうでもいい!笑)。

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「今頃見たのか」といわれないように深く静かに潜航してNetflixでみた。