NHKの秋のドラマの一つに「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~ 」があり、1話完結なので、第6話を見た。最初にこのタイトルを見たときに「ジコチュー(自己中)」かと思ったが、そうではなく「事故調査委員会(事故調=ジコチョー)」のことだった。
民放の人気ドラマ「ドクターX」をかなり意識しているような作りになっている。「ドクターX」の主人公・大門未知子(米倉涼子)の決め台詞は「私、失敗しないので」だが、NHKの天ノ真奈子ノ教授(松雪泰子)は、「私、失敗するので・・・」(笑)。何しろ大学での専門が「失敗学」なのだ。
第6話はこんな話。
講義後に学生から恋愛の失敗学の講義が聞いてみたいと言われ、検討すると答える真奈子。そこに事故調査委員会からの依頼の電話が入る。工場での作業中に、女性作業員の水沢が死亡する事故が起きていた。高所での作業時に操作ミスでバケットと天井に挟まれて圧死したと思われた。
事故調査委員会に出席した野津田だったが、真奈子はいつものように既に現場にいた。安全管理責任者の若林から事情を聞く真奈子。
若林は、バケットを下げようとした水沢が誤って上げてしまったことが原因だと考えていた。バケットの上げ下げは、バケットの中か車両の外側からもできると言う若林。工場内の防犯カメラに気づいた真奈子は確認するが、事故当時車両のそばには誰も近づいていなかった。
作業車を調べていた真奈子は、タイヤのホイール部分に輪っかのような物(ゴムベルト)がついているのを発見する。若林も分からないと言うが、念のため回収するのだが・・・。
・・・
他の作業員にも話を聞くと、若林が不憫だと言われる。訳を聞くと、若林は水沢とつきあっていたと聞かされるのだった。研究室に若林が訪ねてくる。水沢との関係を聞くと、現場で知り合って付き合い始め、秋には結婚の予定だったと言う若林。現場で真奈子が回収した部品(ゴムベルト)が作業車の物かもしれないと考え、検証したいと言う若林。
実は、回収したゴムベルトこそが”犯人”が現場に残した証拠品だった。バケットに乗ったまま亡くなった水沢が天井に挟まれた時の体制が不自然だった。作業コントロール装置の反対側に挟まれていたのだ。操作ミスとしたら装置側に倒れているはずだった。
・・・
研究室に帰った真奈子たちだったが、同僚の郁美が突然「若林が好きになった」と言う。郁美はバツイチで、子供が3人いる。若林をデートに誘う郁美。ラジコン・カー競争で、真奈子は若林のラジコン操作中に郁実の子供にわざとぶつかって、反応をみることにした。その時に、若林の本性が現れるからだ。案の定、コースからはずれてしまった若林は、激しく怒り出す。
子供たちに起きな声で怒鳴る姿を見て、怯えた子供たちが郁美に助けを求める。それを見た若林は「お母さん?」と引いた顔をするのだった。その後、ラジコンカーを作っている人たちを見て、何かを思いつく真奈子。スマホにアプリをを入れ、それをラジコン代わりに操作していたのだった。
実は、水沢から結婚の約束を破談にされた若林の細工による計画殺人だった。車両の下の操作で、バケットの操作ができないように細工をしていた。下の操作装置にゴムベルトを取り付けて、それをスマホで遠隔操作をして、操作ミスに見せかけたものだった。
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真奈子が事故後に回収したゴムベルトは、その装置に付属していたもので、若林が回収した際に外れてタイヤについてしまったのだった。急に別れを切り出され、やってしまったことだったと告白する若林。
後日、恋愛の失敗学について講義する真奈子。
恋愛に失敗することはダメージが大きいがチャレンジをすることだと言い、その先には学びや幸せがあるのだと言う真奈子だった。
講義の後、学生から「好きです、付き合ってください」とバラの花束を渡される真奈子。真奈子は動揺しながらも「ごめんなさい、イケメンじゃないとダメなの」と断るのだった。
松雪泰子がメガネでクールビューティかつコメディエンヌっぽいところが見所。