ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマンなどハリウッドのトップスターが出演しているので見た。ややおセンチ(感傷的)なラブストーリーだが、セリフやラストシーンなどなかなかシャレている。デヴィッド・ストラザーンといえば「L.A.コンフィデンシャル」(1997)で初めて見たが、代表作は、アメリカのマッカーシズムに反対した報道のアンカーマンを演じた「グッドナイト&グッドラック」(2005)だろう。
■内容・ストーリー
毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるカフェのオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)。「ブルーベリー・パイが売れ残るのは、ブルーベリー・パイのせいではないんだよ」。彼と交わす会話に、心が慰められるエリザベスだったが、二人の距離が縮まったかに見えたある日、失恋相手が新しい恋人といるところを見てしまい、突然ニューヨークから遠い旅へ出る。
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「NY(ニューヨーク)~何日目」「NY~何マイル」と時間軸の説明があるが、結局、NYの思い出(カフェ店主との出会い)が忘れられずに戻るという、いわば王道的ラブストーリー。
セリフでは「人々の心に残るのは(その人との)思い出だけ」「他人は自分を映す”鏡”のようなもの」と言った言葉があるが、それが監督のメッセージだったかもしれない。
ナタリー・ポートマンは、主人公のエリザベスが旅先のカジノで出会う女ギャンブラーだが、出番は少ないものの存在感が大きい。
他人を信じないタイプで、父親との折り合いが悪く、病院から余命いくばくもないと知らされても、信じない。結果、死に目に会えず後悔する。
父親が残してくれた車(ジャガー)は父がギャンブルで勝って購入したものだったが、その車を盗んで、遠ざかっていた負い目もある。父から宅配便(Fedex)が届いた中身は車の保証書等だったというのが、自分よりも上手だったと語る。
ギャンブルの借金のカタにエリザべスに車を渡してしまうが「これは渡せない」というのだが、それには裏(どんでん返し)もあった。ネタバレになるが、ギャンブルに負けていなかったのだ。ラスベガスに行くまでの話し相手(カンパニー)が欲しかったのだ。
大きな出来事などはなく、淡々としたストーリーだが背景の音楽もよく、後味のいい雰囲気のある映画だった。
主な出演:
・エリザベス:ノラ・ジョーンズ
・アーニー:デヴィッド・ストラザーン
・スー・リン:レイチェル・ワイズ
監督:ウォン・カーウァイ
製作:ウォン・カーウァイ、ジャッキー・パン
製作総指揮:チャン・イーチェン
撮影:ダリウス・コンジ
音楽:ライ・クーダー
☆☆☆