「そんな彼なら捨てちゃえば?」(原題:He's Just Not That into You、2009)を見た。
タイトルがいかにも軽いが、原題の意味は「彼はあなたに気(興味)がないだけ」。
複数の男女が登場し、それぞれの物語が同時に描かれる群像劇だが、それらがつながっており、最後はハッピーエンドを迎える”ラブ・アク”(=「ラブ・アクチュアリー」)タイプの映画。
テレビシリーズ「Sex and the City(SATC)」の脚本家グレッグ・ベーレントとリズ・タシーロ原作の「そんな彼ならすてちゃえば」及び「恋愛修行 最高のパートナーと結婚するための恋愛心得」を映画化。どうりで「SATC」とウリ二つの映画だった。
恋愛における様々な段階で男のホンネを読み誤っては失敗を繰り返す女性たちの苦労と不満をコミカルに綴る群像ロマンティック・コメディ。
会社の同僚3人組
出演はTVシリーズ「フレンズ」のジェニファー・アニストン、オスカー女優ジェニファー・コネリー、「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のジニファー・グッドウィンのほか、ベン・アフレック(「アルゴ」)、「ラブソングができるまで」のドリュー・バリモア、「ロスト・イン・トランスレーション」のスカーレット・ヨハンソン、「イエスマン “YES”は人生のパスワード」のブラッドリー・クーパー、ジャスティン・ロング、クリス・クリストファーソンなど。
監督は「旅するジーンズと16歳の夏」のケン・クワピス。
こんな話:同じ会社に勤め、互いの私生活も相談し合う仲のジジ、ベス、ジャニーン。ジャニーン(ジェニファー・コネリー)から、家の改築不動産業者コナー(ケヴィン・コナリー)を、紹介してもらってデートをするジジ(ジニファー・グッドウィン)は、すでに彼に夢中に。
アレックス(ジャスティン・ロング)からアドバイスを受けるジジ(ジニファー・グッドウィン)
・・・
映画は、5,6歳の小さな女の子が、公園で、砂遊び(砂で建物を造る)をしていると、いきなり、同じ年頃の男の子がやってきて、いきなり女の子を突き飛ばすところで始まる。泣きべそをかいた女の子が「なぜ、そんなことをするの?」というと、男の子は「犬のウンコの臭いがする。”ウンコ女”」といって立ち去ってしまう。女の子の母親が説明する。「なぜ、そんなことをしたと思う?」といい「それは、好きの裏返しよ」と、逆の意味だという母親の”金言”があり、そうしたことが、女性たちに刷り込まれていくと映画のナレーションは語る。
場面は変わって、大人になった女性たちが、男からフラれたりして落ち込んでいると、まわりの女性の友人たちは、「あなたが好きすぎて、そうなった」と慰めや気休めをいうだけなのだ。様々な落ち込んだ女性に、友人がアドバイスするシーンが続くが、いわれた本人は、それが気休めにすぎないことに気付いていない。
実は・・・とここで映画のタイトルが出る。それが・・・。
“He’s just Not that into You” (彼はあなたに気(興味)がないだけ)。
・・・
何度失恋してもポジティブなジジ(ジニファー・グッドウィン)は、ジャニーンの紹介で最近デートしたコナーに一目惚れ。だが、その後コナーからの連絡はなく、男友達のアレックスに相談すると、駆け引きでも何でもなく「単に君に興味がないだけ」(=映画のタイトル)、と一刀両断にされてしまう。
コナーの名刺をいったんは破り捨てるが、電話が来ないのは、何か事情でもあるハズと、名刺にテープを貼ってつなぎなおして、自分から電話をするのだが・・・。
ジャニーン(ジェニファー・コネリー)の潔癖症ぶりは徹底している。新築を建設中に、家の外にタバコの空箱と吸殻を発見。タバコは絶対に許せないのだ。父親が、タバコのせいでがんで亡くなったことが根底にあるようだ。
建築業者男に対しても、仕事中にタバコを吸ったか問い詰めたりする。男が否定すると、タバコの疑いの目は、夫のベン(ブラッドリー・クーパー)に向けられる。夫の衣類からタバコの箱(AMERICAN SPIRIT)が出てきたときには、怒り狂って、ガラスに入った絵画を床にたたきつけ、「離婚する」とメモを残して出て行ってしまうという徹底ぶり。
「そんな映画なら捨てちゃえば?」とはいえない男女のホンネが垣間見える映画だった。
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