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<span itemprop="headline">映画「ハドソン川の奇跡」(Sully, 2016)クリント・イーストウッド最新作。</span>


ハドソン川の奇跡」(原題:Sully, 2016)を見た。TOHOシネマズ新宿にて。
かなりスリリングでわくわくさせられる映画である。                   チェス"レイ・サレンバーガー元機長が実話をまとめた手記「機長、究極の決断」を原作にクリント・イーストウッド(86)が監督したスリルと感動に満ちた作品

離陸直後に「バードストライク」と呼ばれる鳥がエンジンに飛び込む事故によりエンジンが緊急停止したUSエアウェイス"1549便が155名の命を乗せてニューヨークハドソン川に不時着。乗客乗員全て無事に救出された航空機史上前例のない生還劇をダイナミックに描く。 


時は2009年1月15日極寒のニューヨーク両方のエンジンが停止した状態で緊急の判断を迫られたチェス"レイ・サレンバーガー機長はキャリア42年のベテランパイロット。 
このままでは155人の乗客乗員の命はおろか、下手をすれば70トンの機体がニューヨーク市内に落ちるかもしれない緊迫の事態。墜落までのリミットは約4分、速度と高度を計算しながら管制塔との緊迫のやり取りで一度は近くのテターボロ空港への着陸を検討するのだがそれも無理と判断したサレンバーガー機長は独自の判断でハドソン川に不時着を決意するのだった・・・。 
・・・
映画の冒頭で、いきなりUSエアウェイス"1549便が、ハドソン川に着水するシーンで始まる。一番のハイライトシーンであるはずが、と思ったが、それにはわけがあった。そのシーンは何度も繰り返されるのだ。
 
それはともかく、155人の生還で全米のヒーローとなったサイレンバーガー機長だっが、機長が取った行動は正しかったのか、着水はリスクがあまりにも大きく、近くの空港に着陸できたのではないかという、シミュレーションを元に機長を追及する公聴会が行われた顛末を描いている。



機長を厳しく追及するのは国家運輸安全委員会National Transportation Safety Board、NTSB)NTSBは、アメリカ合衆国における輸送に関連する事故を調査し、原因を究明し対策を研究し将来の事故を防止する目的で勧告等を行う独立国家機関。強い独立した権限を有し、海難審判庁裁判所に類似する機能も有する
 
NTSBは、理屈上(机上の)のシミュレーションを複数見せて、2か所の最寄り空港に不時着できたはずと迫り、これでも川に着水するというのか、どうだ?と追求の手を緩めない。NTSBの関係者たちの職務とはいえ、しゃくし定規のいやらしさといったら(笑)。機長が英雄扱いになっているのを妬んでいるのか。

(以下、ネタバレあり、反転)
機長は、シミュレーションには”人的な要素”が欠落していると主張する。シミュレーションは、訓練されたパイロットが、空港に戻ることが前提で(指示されて)低空飛行を続け着陸に成功している。しかし、最終決断するまでの可能性を考え実行するまでの試行時間30秒の当事者の人的要素を考慮すればどうなるか。再シミュレーションを実行して見る。危険物体が前方にあるという警告が現われ、衝突して機体は大破してしまう。

結果、NTSBの捜査担当者は、機長の取った行動を評価せざるを得ないのだった。
担当者の女性は、「シミュレーションには現われない”プラスのX”というものがあった。それが機長ということですね」だった。機長はこたえる。「そのXというのは、私だけではない。副機長、客室乗務員、救助隊のすべての人たち、乗客たちである」と。
担当者は、「副機長は、もし将来同じ局面に立った場合に、どうしますか」と聞くと、「できれば7月であってほしい」と答えた。これには、機長もNTSB担当者も苦笑いするしかなかった。





画面で実際に飛行機を海に沈めて、機体の両翼に乗客が凍えるように150人も立ち、ヘリや救急船が取り囲む構図は、壮観としか言いようがない。大画面の劇場ならではの迫力を堪能することができて満足。96分という長さもいい。まだまだイーストウッド監督は、意欲作を送り出してくれそうだ。

最後のクレジットが流れる間に、すばらしいショットが待っていた。
今年の洋画では、トップ3の1本に加えたい。

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