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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「007 カジノ・ロワイヤル」(1967)”ジェームズ・ボンドがいっぱい”。

 
 
カジノ・ロワイヤル」(原題:Casino Royale、1967)を見たが、正式な007シリーズには含まれていない007のパロディ映画。007映画リブート第1作となったシリーズ第21作目の「007 カジノ・ロワイヤル」(2006)とは似ても似つかぬドタバタ乱痴気コメディ映画。登場人物がジェームズ・ボンドのオンパレード。テレビで断片的には見ていたが、印象が薄かったので全編を見た。
 
監督はジョン・ヒューストンケン・ヒューズロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラスヴァル・ゲスト。原作:イアン・フレミング。 脚本:ウォルフ・マンキウィッツ、ジョン・ロウ、マイケル・セイヤーズ。音楽はバート・バカラックで、主題歌「恋の面影」はアカデミー歌曲賞にノミネートされた。音楽はすばらしい。
 
オールスターとはまさにこういう映画というように、出演はピーター・セラーズデヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー、ウィリアム・ホールデンウディ・アレンオーソン・ウェルズジャン=ポール・ベルモンドウルスラ・アンドレスジョン・ヒューストンシャルル・ボワイエジョージ・ラフトジャクリーン・ビセットなどが名を連ねている。正統派美人女優のデボラ・カー(「王様と私」)が、茶目っ気たっぷりなのは見所かも知れない。
 
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今は引退しロンドン郊外の豪壮な邸宅にひっそりと暮らす往年の名スパイ、ジェームズ・ボンド卿(デイヴィッド・ニーヴン)のもとへ英国秘密情報部の主任Mことマクタリー(ジョン・ヒューストン)、CIAのランサム(ウィリアム・ホールデンソビエト情報機関のスメルノフの3人が訪ねてきた。
 
世界各地で英米の情報部員が国際陰謀団スメルシュに次々と消され、かつて勇名をとどろかしたボンド卿の出馬を懇請しにやって来たのだ。第1次大戦で恋人だったドイツのスパイ、マタ・ハリが連合軍に捕らえられ処刑されてから、深い悲しみに沈んで彼女の思い出にのみ生甲斐を感じていたボンド卿は容易に承諾しなかったがマクタリーの強引な説得でやっと出馬することになった。
 
ロンドンへ向かう途中、逸早くこのことを知ったスメルシュは諜報部員ミミ(デボラ・カー)配下の女性部隊を動員してさまざまな妨害工作をした。ミミの邸に連れ込まれ女攻めにされたり、野原に猟へ誘われ鳥の形をした誘導弾に襲われたり・・・。
 
数々の妨害をはねのけるボンド卿に、ミミは惚れてしまいかなわぬ恋ならと修道院に入り、ボンド卿はロンドンに着き対スメルシュ作戦の指揮を取った。
 
 
彼の作戦は007号を何人も潜入させ本物がどれか分からないようにして、敵に迫るというもので、007号として、ベスパー・リンド(ウルスラ・アンドレス)、クーパー(テレンス・クーパー)、英国特別情報部員(ダリア・ラビ)マタ・ボンド、イブリン・トレンブル(ピーター・セラーズ)を雇う。
 
 
マタ・ボンドは奇しくもボンド卿とマタ・ハリとの恋の結晶と分かり、2人は父娘の対面をすることになった。スメルシュ配下の最も手強いスパイは、ル・シッフル(オーソン・ウェルズ)で、彼はカジノで穴をあけた資金を埋めるために、連日、大勝負をして勝ち続けていた。
 
 
このル・シッフル打倒のためにバカラ(カード・ゲーム)についての著書もある名手トレンブルが派遣された。ル・シッフルは敗れ、刺客に殺された。
 
しかしスメルシュは勝負に勝ったトレンブルほか、ボンド卿や彼の007号をすべて捕まえ本拠に監禁した。一同の前に現れたスメルシュの首領ドクター・ノアは、かつてボンド卿の弟子だったジミー・ボンドであった。一同は協力してドクター・ノアを打倒し、スメルシュは潰滅した(MovieWalker)
 
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ストーリーはハチャメチャ。引退したジェームズ・ボンドデヴィッド・ニーヴン)が登場し、マタ・ハリとの間に私生児がいたり、表向きのマタ・ハリ舞踊学校は、スパイ養成所であったり・・・。諜報部員ミミ(デボラ・カー)が、タクシーで、「ベルリンまで」というと、ドライバーは「西か東か?」と聞く。当時は、東西ベルリンがあった時代だ。ドライバーが実は外務省出身のスパイで、ベルリンのバーで「フィッシュ・アンド・チップスはあるか?」と聞くのもいかにも英国人らしい。
 
「007 ドクター・ノオ(007は殺しの番号)」「007 ゴールドフィンガー」などのパロディもあったり、「007 ドクター・ノオ」でボンド・ガールを演じたウルスラ・アンドレス(当時はアーシュラ・アンドレスと表記)が出ていたり、ジャクリーン・ビセットの役名は”ミス・太もも”。「ミス・太もも」は原語では「ミス・グッドタイト」であり、これは原作ではボンドの秘書を務めるメアリー・グッドナイトのパロディ。
 
出演:
・ル・シフル:オーソン・ウェルズ
・ジミー・ボンド:ウディ・アレン
・イーブリン・トレンブル(007):ピーター・セラーズ
・ヴェスパー・リンド(007):ウルスラ・アンドレス
・マクタリ夫人/ミミ:デボラ・カー
・ランサム(CIA):ウィリアム・ホールデン
・ザ・デテイナー(007):ダリア・ラヴィ
・クーパー(007):テレンス・クーパー
・マクタリ(M):ジョン・ヒューストン
・ルグラン:シャルル・ボワイエ
・ミス・太もも:ジャクリーン・ビセット(ジャッキー・ビセット名義)
・マニペニー:バーバラ・ブーシェ
・マタ・ボンド(007):ジョアンナ・ペティット
・フロー・ホフナー:アンナ・クエイル
・酋長:トレーシー・リード
・Q:ジョフリー・ベイルドン
・ル・シフルの部下:ヴァルデック・シェイバル
バグパイプ奏者:ピーター・オトゥール(クレジットなし)
・中国の将軍:バート・クウォーク(クレジットなし)
 
 
「007」映画の中では、異端児的な作品で、豪華俳優、製作費の無駄遣いという気がしないでもない(笑)。
 
 予告編
 
★★