DVDレンタル店で、眺めていたら、珍しい映画が目にとまった。
ジャクリーヌ・ササールといえば、1957年の映画「芽生え」で17歳で映画デビューし、翌年の「三月生まれ」などに主演した清純派女優として有名だった。
コメディエンヌとしてアラン・ドロンと共演した「お嬢さん、お手やわらかに!」(1959)などで人気絶頂を極め、「激しい季節」などに出演し、「できごと」の出演の後、翌年の「女鹿」(1968)で、28歳の若さで映画界を引退してしまった。ロング・ヘア・スタイルはササール・カットと呼ばれたようだ。今風で言えば、仲間由紀恵か。
やはりこれもテレビで見た「お嬢さん、お手やわらかに!」は、ドロンがモテモテの役で、ジャクリーヌ・ササールは、ミレーヌ・ドモンジョ、パスカル・プティと3人の”おてんば三人娘”として、お調子者のプレイボーイをやっつけるというロマコメで面白かった。
少年だった(笑)。映画雑誌「スクリーン」などでも表紙を飾っていた。
「できごと」という映画は、1969年の日本公開で、この年は映画を劇場で見始めた最初の年で、この映画も知っていたが、タイトルが陳腐で、見逃していた。
いま「できごと」を見ると、ストーリーの展開や、会話などが、のんびりした印象だ。
オックスフォード大学の哲学教授スティーブン(ダーク・ボガード)は、オーストリアからの留学生アンナ(ジャクリーヌ・ササール)が、恋人がありながら、彼の同僚でテレビ評論などして名を売る教授チャーリー(スタンリー・ベイカー)と交際しているのを知って驚く。
彼女に対し妄執を覚えたスティーブンは、恋人(マイケル・ヨーク)の事故死で沈んでいる彼女に取り入って情交を結ぶが、家族や体面が気になってそれ以上関係を発展させることもなく、彼女も冷めて母国に去って、彼はまた元の平凡な日常に戻っていく・・・。
清純そうに見えて実際には、適当に遊んでいるという現代娘をジャクリーヌ・ササールがうまくこなしている。ダーク・ボガードは、この映画の数年後に、老け役で「ベニスに死す」に主演しているが、「できごと」ではまだ若かった。
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映画の原題Accidentは、文字通り、事故のことで、自動車事故で始まり、別の自動車事故が起こったことを暗示して映画が終わる。ただこの「できごと」の中には、女子学生が恋人の他に、大学教師と関係を持つなどが描かれていて、英語の「アフェア」(情事)という意味も掛けているようだ。女子学生にとっては、ほんのアクシデント(はずみ事故)だったのだろう。
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