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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「できごと」(1967、日本公開1969)</span>


 
DVDレンタル店で、眺めていたら、珍しい映画が目にとまった。
ダーク・ボガードジャクリーヌ・ササール主演の「できごと」(原題:Accident、1967製作、1969日本公開)だ。監督は「召使」「唇からナイフ」などのジョセフ・ロージー
 
ジャクリーヌ・ササールといえば、1957年の映画「芽生え」で17歳で映画デビューし、翌年の「三月生まれ」などに主演した清純派女優として有名だった。
 
コメディエンヌとしてアラン・ドロンと共演した「お嬢さん、お手やわらかに!」(1959)などで人気絶頂を極め、「激しい季節」などに出演し、「できごと」の出演の後、翌年の「女鹿」(1968)で、28歳の若さで映画界を引退してしまった。ロング・ヘア・スタイルはササール・カットと呼ばれたようだ。今風で言えば、仲間由紀恵か。
 
やはりこれもテレビで見た「お嬢さん、お手やわらかに!」は、ドロンがモテモテの役で、ジャクリーヌ・ササールは、ミレーヌ・ドモンジョパスカル・プティと3人の”おてんば三人娘”として、お調子者のプレイボーイをやっつけるというロマコメで面白かった。
 

「芽生え」も「三月生まれ」もリアルタイムでは見ていないが、数年後、テレビの午後の洋画番組で見た記憶がある。当時は”思春期”の中学生だったが、ドキドキしながらササールに見入っていたfpd
少年だった(笑)。映画雑誌「スクリーン」などでも表紙を飾っていた。
 
できごと」という映画は、1969年の日本公開で、この年は映画を劇場で見始めた最初の年で、この映画も知っていたが、タイトルが陳腐で、見逃していた。
 
 
いま「できごと」を見ると、ストーリーの展開や、会話などが、のんびりした印象だ。
オックスフォード大学の哲学教授スティーブン(ダーク・ボガード)は、オーストリアからの留学生アンナ(ジャクリーヌ・ササール)が、恋人がありながら、彼の同僚でテレビ評論などして名を売る教授チャーリー(スタンリー・ベイカー)と交際しているのを知って驚く。
 
彼女に対し妄執を覚えたスティーブンは、恋人(マイケル・ヨーク)の事故死で沈んでいる彼女に取り入って情交を結ぶが、家族や体面が気になってそれ以上関係を発展させることもなく、彼女も冷めて母国に去って、彼はまた元の平凡な日常に戻っていく・・・。
 
小心なインテリ中産階級の屈折が恋に弾けようとして萎むさまを、痛いぐらい的確に捉えた、ピンター=ロージーの辛辣な作品(MovieWalkerより)。
 

 
清純そうに見えて実際には、適当に遊んでいるという現代娘をジャクリーヌ・ササールがうまくこなしている。ダーク・ボガードは、この映画の数年後に、老け役で「ベニスに死す」に主演しているが、「できごと」ではまだ若かった。
 
・・・
 
 
 
映画の原題Accidentは、文字通り、事故のことで、自動車事故で始まり、別の自動車事故が起こったことを暗示して映画が終わる。ただこの「できごと」の中には、女子学生が恋人の他に、大学教師と関係を持つなどが描かれていて、英語の「アフェア」(情事)という意味も掛けているようだ。女子学生にとっては、ほんのアクシデント(はずみ事故)だったのだろう。
 
★★
 
 
 
 
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