オードリー・ヘプバーンの映画は安心してみていられる。
未見だった「パリで一緒に」(原題: Paris When It Sizzles)を見た。
オードリー・ヘプバーン、ウイリアム・ホールデン主演のロマンティック・コメディ。主演二人の共演は「麗しのサブリナ」(1954)以来。この映画は、後で知ったが、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の1952年のフランスの映画「アンリエットの巴里祭」のリメイクである。
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脚本家のベンソン(ウイリアム・ホールデン)は「エッフェル塔を盗んだ娘」なる脚本の締め切りがあと二日に迫るものの全く書けない。しかし、タイピストのガブリエル(オードリー・ヘプバーン)を雇ったことでアイデアが湧いてくることになった。ベンソンは自分を盗賊のリック、ガブリエルをパリ娘ギャビーに仕立て、パリ祭で大仕事を企む、という筋書きを考える・・・。
純粋なるシナリオなのか、単なる彼の妄想なのか、はたまた彼女の妄想なのか…。現実と空想を行ったり来たりしながらの奇妙なロマンスが展開される。
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随所にパロディや、カメオ出演の大物俳優や女優が出ているのにも驚かされる。脚本家が、この役には、マレーネ・ディートッヒを使おうというアイデアを出すと、妄想の中で、本人が登場するのである。そして、主題歌は、フランク・シナトラに・・・というとシナトラが歌いだす・・・。
クレジットにも名前が出ていないが、さらにトニー・カーチスも、登場するといった具合で、何と贅沢な・・・笑。
脚本家のベンソンが「フランケンシュタインとマイ・フェア・レディは似ている」と話すと、ガブリエルは「イライザと吸血鬼が同じなのね」といった具合。
劇中劇の面白さがある。
ラストシーンは、ガブリエルが、「二人の有名スターのアップにすれば、映画会社を儲けさせられ、ポップコーンも売れる」ということで、ホールデンとヘプバーンのアップで終わる・・・という憎い演出だった。
ややドタバタ・コメディになっていて、軽いタッチになっており、傑作とは言えないが、ロマ・コメとして楽しめる映画だった。
☆☆☆
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