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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「戦場にかける橋」(1957)</span>


 

 
 
戦場にかける橋」もかつて、テレビで、爆破シーンなど断片しか見ていなかったので、全編通してみた。以前台湾で購入したDVDで、英語字幕だが、わかりやすかった。もっとも、時々日本語や、現地語(タイ語など)などもあって、字幕も必要ないくらいだが・・・。
 
画質がいいのに驚いた。パッケージを見たら、中国語で「数位修補 高清版」とある(デジタルリマスター版のことだ)。100台湾ドル(約350円)と手ごろな価格で、日本でいえば、「ワンコイン」(500円)といった感覚か。
 
・・・
1957年度の英・米合作映画で、英国のデヴィッド・リーン監督作品。
アカデミー賞で「作品賞」「主演男優賞」(アレック・ギネス)など7部門を受賞した名作だ。
 
映画のラストで、若い兵士が「Madness」(狂気の沙汰だ)と何度も繰り返すのが印象的だ。戦争そのものが狂気だが、一生懸命建設した橋を、一方では破壊しようとするのだ。橋を建設することで敵側(日本軍)を助けるとことになるというのが破壊の目的だった。
 
第二次世界大戦のさなかの1943年のタイとビルマの国境付近にある捕虜収容所を舞台に、日本軍捕虜となったイギリス軍兵士らと、彼らを強制的に鉄道建設に動員しようとする日本人大佐との対立と交流を通じ極限状態における人間の尊厳と名誉、戦争の惨さを表現した戦争映画
 
劇中に登場するイギリス軍兵士への数々の懲罰は、原作者のブールが実際に体験したものであるとされる。日本兵の兵舎(大佐の事務室)には、カレンダーがあり、アメリカのピンナップガールの写真があった。何回も「Good Show!」という言葉が登場するが、いまでいうGood job!(よくやった)とか「でかした」といった意味あいか。
 
舞台となった鉄橋が架かる川の旧来の名称はメークロン川であったが、この映画によって「クワイ川」が著名となったために、クウェー・ヤイ川と改名され、クウェー川鉄橋は公開後半世紀経過した現在でも観光名所となっているという。
 

 

日本人俳優で、三船敏郎の前の大俳優といえば早川雪洲だった。
1907年に21歳で単身渡米し、1910年代に草創期のハリウッドで映画デビューして一躍トップスターとなった。「戦場にかける橋」では、日本軍の大佐を堂々と演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。英国大佐のアレック・ギネスとの丁々発止のやり取りは、味わいがある。
 
橋が完成したのは、イギリス人捕虜たちによる作業によってだが、大佐の完成期限に間に合わせるために、負傷兵も駆り出された。橋が完成した時に、「この橋は英国の兵士によって建てられた」という記念のボードが打ち付けられたのだが・・・。
 

 
捕虜の兵士たちが橋を作ったのは、自分たちの心意気を示すもので、一方では、脱走したアメリカ兵は、橋を爆破しようとダイナマイトを橋に仕掛けるという矛盾。
 
英国の司令官(アレック・ギネス)が、不審なワイヤ(銅線)を発見し、日本の大佐(早川雪洲)とともに、その線を手繰り寄せていくシーンは、サスペンスタッチで、興味深い。しかも、橋を通過しようという列車の汽笛の音が聞こえてきているのだった。
 

 
最後に、ダイナマイトのスイッチの装置を発見するのだが、皮肉な運命が待っていた。
 
戦争映画といっても、「ナバロンの要塞」などのような戦闘シーンはなく、収容所内の人間ドラマとなっている。特に日本の武士道を重んじる日本の大佐と、ルールを重んじる英国大佐との対立構図が面白い。
 
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