ひょうひょうとして、もうバリバリのおじいさん役だった(笑)。
当初、名前を見た時は、「りゅうち・しゅう」なのか「りゅう・ちしゅう」なのか分からなかった。「智衆」とは珍しい名前だが、父親が熊本県のお寺の住職であり、あとを継がせようとつけられた本名である。龍谷大学に進むも俳優を志し上京、長い下積み生活を経て、小津安二郎監督と出会い、多くの名作を残した。
「東京物語」は劇場で見る機会があった。
一生に一度、上京してきた年寄りの両親(笠智衆と東山千恵子)を迎える東京で家庭を持った子供たちの姿が、やや皮肉っぽく描かれていた。家族の絆、夫婦と子供、老いと死、人間の一生などが冷徹な視点で描かれていた。そんな中でも、快活な原節子が印象的だった。
1989年に文藝春秋発表の「大アンケートによる日本映画ベスト150」で第2位に、1999年にキネマ旬報社発表の「映画人が選ぶオールタイムベスト100・日本映画編」で第3位にランクインされ、現在も高い評価と支持を受けている。
「お早よう」は小津監督としては二番目のカラー作品で、郊外の新興住宅地を舞台に元気な子供たちにふりまわされる大人たちをコメディタッチで描いていた。
「秋刀魚の味」予告編
「秋刀魚の味」は、小津監督が一貫して描いてきた、妻に先立たれた初老の父親と婚期を迎えた娘との関わりを、娘を嫁がせた父親の「老い」と「孤独」というテーマと共に描かれていた。快活で美貌にあふれた岩下志麻の演技がよかった。小津監督の遺作となった作品。個人的には「東京物語」よりも「秋刀魚の味」のほうがお気に入り。
笠智衆は、「明治生まれの男は、涙を見せない」と泣くシーンや演技には反対したという。明治生まれの気骨を感じる。
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