
日本の映画・演劇界の重鎮で、映画「人間の條件」や黒沢明監督の「影武者」などに主演し、主宰する「無名塾」で後進を育てた俳優で文化勲章受章者の仲代達矢が亡くなった。92歳。このニュースには驚き大きなショックを受けた。
1960年代には、黒澤監督の映画でスターの座に上った。三船敏郎の敵役をニヒルに演じた「用心棒」(1961年)、決闘場面の血しぶきで有名な「椿三十郎」(1962年)、誘拐犯を追いつめる刑事を演じた「天国と地獄」(1963年)などで強烈な印象を残した。

「用心棒」ではニヒルな役で三十郎の仇役だった。

「椿三十郎」のラストは息を飲む歴史的な名シーン。
カンヌ国際映画祭の最高賞受賞作「影武者」や大作「乱」に主演し、国際的にも評価された偉大な俳優だった。。

「影武者」 「乱」
テレビでもNHK大河ドラマ「新・平家物語」に平清盛役で主演したほか「大地の子」「風林火山」などで存在感を示した。
舞台は1958年の「令嬢ジュリー」や1964年の「ハムレット」「東海道四谷怪談」に主演。「オセロ」「リチャード3世」などのシェークスピア劇でも評価された。
1975年に「どん底」「令嬢ジュリー」に主演。芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞などを受けた。
その後も舞台の活動は旺盛で、2005年の「ドライビング・ミス・デイジー」では、老婦人(奈良岡朋子)のお抱え運転手を好演。芸術祭大賞などを受賞した。その存在感は、日本のローレンス・オリビエのような存在と勝手に思っていた。
1975年に妻の宮崎恭子と「無名塾」を創設し、役所広司、若村麻由美、真木よう子、滝藤賢一ら後進の育成に努めるとともに、シェークスピア作品などを上演した。




仲代達矢を知ったのは、1960年代のテレビCMの「ポポンS」(塩野義製薬)だったかと思う。当時のキャッチコピーは「明日のために今日ものむ」「ポポンSは あなたの保健剤です」。

映画で印象に残るのは「天国と地獄」の戸倉警部、「不毛地帯」の壱岐正など。

このほか、「切腹」「上意討ち 拝領妻始末」「人間革命」「ハチ公物語」「乱」「御用金」など多数。
近年では、2017年には、84歳で主演を務めた映画「海辺のリア」が話題になった。また、司馬遼太郎の時代小説を小泉堯史監督が映画化した映画「峠 最後のサムライ」(2019)に出演した。
2015年に文化勲章。18年の第25回読売演劇大賞芸術栄誉賞など受賞多数。石川県七尾市の能登演劇堂の名誉館長を1995年の開館時から務め、今年5、6月に同劇場の舞台「肝っ玉おっ母(かあ)と子供たち」に母親役で主演。約2時間半も熱演していた。
昭和の名優が亡くなり、一時代が終わったという印象。
ご冥福をお祈りいたします。
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