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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「大いなる西部」(原題:The Big Country, 1958)</span>


 
大いなる西部」は、ウイリアム・ワイラー監督が、「ベン・ハー」の前年の1958年に製作した西部劇の大作である。2時間46分という長尺で、全編に流れる軽快な音楽が印象的だ。
 
主演は、ワイラー監督の「ローマの休日」のグレゴリー・ペック(製作もワイラーと共同で名を連ねている)のほか「十戒」のチャールトン・ヘストン、TV西部劇シリーズ「ライフルマン」でなじみのあるチャック・コナーズ、女優陣は、ジーン・シモンズ(「ハムレット」「聖衣」)、キャロル・ベイカ(「ジャイアンツ」「べビィ・ドール」)と豪華キャストが花を添えている。
 

 
 
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物語は、東部の船乗りジム・マッケイ(グレゴリー・ペック)が、西部を訪れるところから始まる。原題”The Big Country”の名のとおり、この地の人々は広大な西部を自慢に思っており、東部の優男などは、この土地を見ただけで圧倒されるはずだと考えている。地元の人間が、「広いだろう」というと、マッケイは「海のほうが広い」と船乗りらしい一面をのぞかせる。

そこでは二つの勢力が争っていた。
それぞれ大牧場を有するテリル家とヘネシー家である。
両家は、牧場の生命線たる水源地を巡って長年にわたり対立してきたのだ。
 
実はジム・マッケイが西部にやってきたのは、テリル家の一人娘パトリシア(キャロル・ベイカ)と結婚するために来たのだが、敵対する相手には暴力も辞さない両家を見て、なんとか争いを止めさせようとする。
 
 
ジム・マッケイは、相手から挑発されても、決して手を上げない。
周りの誰もが自分を弱虫だと思い、軽蔑しきっても、唯一信頼して欲しいフィアンセにすら嫌われても、マッケイは暴力で得られる名声など望まなかった。
 
西部の住人たちは、自分たちの住む広大な地を誇りとし、土地の奪い合いに余念がない。しかし船乗りだったジム・マッケイは、海がもっと広いことを知っている。
テリル家の人々はヘネシー家こそ野蛮な悪党だと考え、ヘネシー家の人々はテリル家こそ卑劣な偽善者だと考え、相手に襲われたらやり返すつもりでいる。
 
やり返さなければ舐められてしまい、立場が悪くなると思っている。
しかしジム・マッケイは、どこの寄港地にも喧嘩っ早い荒くれはおり、そんな奴らの相手をしても無益であることを知っている。
 
しかし、実はジム・マッケイは腕っぷしが強いということだ。
マッケイ(グレゴリー・ペック)とテリル家の一員(チャールトン・ヘストン)の素手による果し合いで、腕っぷしの強さを見せつける。
 
また、船乗りとして学んだ技術、とりわけ未知の土地でも迷わずに遠い目的地までたどり着く技術により、自分の身は自分で守ることができた。そのため挑発に乗らず、冷静に対処ができた。暴れ馬も乗りこなしてしまう。それらも他人に自慢するのではなく、ひそかに練習をしてである。
 
二つの一家の30年にも及ぶ対立は、水田を巡っての争いだったが、一家の長の争いでもあった。最後には、一対一の決闘がある。
 
グレゴリー・ペックによれば、ウィリアム・ワイラー監督は本作を冷戦下の寓話として意図したという。

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この映画の時点では、グレゴリー・ペックの主役としての貫録が目立ち、チャールトン・ヘストンはむしろ脇役で、それまで「十戒」には出ていたが、翌年の「ベン・ハー」で、その存在感をいかんなく発揮することになったといえそうだ。
 

ヘネシー家の家長を演じたバール・アイヴスは、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。
 
 
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