きょう、NHK BSで放送していた(テレビでは、睡魔に襲われ・・・)。デジタル・リマスター版というものだ。
日本映画の名作中の名作といわれる作品。
出演は豪華。
「白魚」の原節子
「君の名は」の笠智衆
「明日はどっちだ」の香川京子
「雁(1953)」の三宅邦子
「残波岬の決闘」の安部徹
「きんぴら先生とお嬢さん」の大坂志郎
周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)の老夫婦は、住みなれた尾道から20年振りに東京にやって来た。途中で、大阪では三男の敬三に会えたし、東京では長男幸一(山村聡)の一家も長女志げ(杉村春子)の夫婦も歓待してくれて、熱海へまでやってもらいながら、どことなく温かさが欠けていてものたりないものが感じられた・・・。
というのも、医学博士の肩書まである幸一も志げの美容院も、思っていた程楽でなく、それぞれの生活を守ることで精一杯にならざるを得なかったからである。
周吉は同郷の老友との再会に僅かに慰められ、とみは戦死した次男昌二の未亡人紀子(原節子)の昔変らざる心遣いが何よりも嬉しかった。
淡々とした描写の中に、家族の微妙な関係などが描かれている。カメラを据えっぱなしで、人々が動き回るシーンが、逆に新鮮に映る。
会話のテンポがのんびりしているのが小津監督の
特徴なのか。黒澤監督などとはずいぶんと対照的だ。
50数年前の映画で、小津安二郎監督の代表作の1本だが、個人的には、この会話の間合い、緩やかさがやや合わないというか、独特の空気感は感じられるが(笑)。
追加:最近(2011年10月)「秋刀魚の味」を見たが、こちらの方が、しっくりきた(笑)。
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