ぐるりのこと。 予告
白百合学園というお嬢さん学校で小・中・高を過ごしたことが、のちの女優人生に影響を与えているようだ。この学園内では、あいさつは「ごきげんよう」だったそうで、あるときに、別の学校から転入してきた生徒が、「おはよう」といったことに衝撃を受けたというのだ。
「ごきげんよう」が当たり前だと思っていたのに、「おはよう」って・・・案外自分たちの世界が普通なのではないと気づく。影響を及ぼした「この1曲」は、中森明菜の「少女A」。こういう ”やさぐれた”人もいるのか、とこれも驚きだったようだ。
女優として目立つ前は、いろいろな職業を経験しているようだが、暇なときは、バス停でも、電車に乗っても、「人間観察」をしてたという。
あるときのエピソード。
駅のホームの立ち食いそばを食べていたサラリーマン風の男が、電車が来たので、
そばの茶碗を持って、そのまま、電車に乗ってしまったのを見て、自身もじっとその人が電車を降りるまで、追いかけたという。最後には、茶碗をかばんに入れていたとか。
バス停に並んでいる人を見ていると、誰も見ていない状況の中での人間は、表情など面白いという。さらに傑作なのは、家に帰ってから、鏡の前で、「落語調」に、
今日起こったこと、見たことを、一人で語るのだという。
「いやあね、きょう電車でね、おもしろいおっさんがおってねぇ~」てな調子。
「なに、木村多江って、だれ?」だった(笑)。
壇上に上がってきたのは、ごく普通の、ありふれたルックスの女優(さほど美人でもない。失礼)。そんなに、すごいのか、「ぐるりのこと。」って!と思い、しばらくして「ぐるりのこと。」を見た。ほんとうに「すごい!」映画だった。木村多江のうまさには、震えた。
「ぐるりのこと。」の時には、監督から「木村多江と役柄を分けるな」と言われたそうだ。木村多江は、自分の感じるまま、役柄を演じた。演じるというよりも、役柄そのものの人物として映画に臨んだようだ。この映画の後も記者会見でも、なりきっているので、うつろだったとか。映画は「うつ」になっていく女性の役だった。まともに記者、カメラの方を見られなかったという。
今回のトーク番組でも、映画で見せるような演技派のすごさはなく、普通で、ときどき髪を掻きあげるしぐさが多い、アラフォー女性だった(笑)。
1971年3月生まれのアラフォー。
日本の映画界では、女優のなかでも、薄幸の役柄が似合うとして、人気のある女優の一人だ。
何しろ、インタビューの第一声が、「きょうは全部脱いでハダカになってもらいますからね」だった(笑)。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。