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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代(151)「ボクサー」(1970)</span>


1970年代洋画の復活、第一号の映画は、1970年度の米国映画で、日本公開は1971年4月となった
「ボクサー」。およそ40年前の当時は、まだまだ人種差別も根強く残っており、この映画では、
はじめて黒人がボクシングのチャンピョンになったことを取り上げていたことから、
当時としては、センセーショナルな話題を提供した。71年にロードショーで見た。




黒人俳優では、すでにシドニー・ポワチエが「夜の大捜査線」(1967年)や「招かれざる客」(1968年)で主演を演じて、黒人スターとなっていたが、それらの映画の中には、”人種差別”のテーマが
あった。ところが、「続・夜の大捜査線」(1971)あたりから、このシリーズのポワチエ刑事は、一切の人種差別を受けることなく、白人の刑事と同様に演じていたことから、黒人社会の一部では、反発もあったと聞いたことがある。

「ボクサー」も黒人のボクシング界のスター誕生を描いているものの、白人から見れば決して
喜べることではなく、苦々しい現実が浮き彫りにされていた映画だった。あまりにも強い
黒人ボクサーを打ち負かす白人のボクサー待望論が、この映画のオリジナル・タイトルである
「The Great White Hope(偉大なる白人の希望)」に現れている。

このボクサーを演じたのが、当時としては黒人俳優でも人気が高まっていたジェームス・
アール・ジョーンズ。




こんな話:
オーストラリアで世界ヘビー・ライト級チャンピオンである実力を示した黒人のジャック・ジェファーソン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)は、アメリカに帰る船の中で白人女のエレノア(ジェーン・アレクサンダー)と知り合い、楽しい時を過ごして恋におちる。

エレノアは彼が黒人であることを意に介さなかったが、マネージャーのゴールディ(ルウ・ギルバート)は2人の仲を喜ばぬどころか、ショックとして受けとめる。ゴールディは、ジャックの実力が世界チャンピオンとして無敵であることが、白人にとって大きなシャクの種になっているところへもってきて、白人との恋愛は、彼らの反感に油を注ぐようなものであり、次の選手権試合への大きな災いになることを恐れたのだった。黒人ジャックに対する“偉大な白人の希望"は、全国に渡って探されるが誰も出ず、結局引退していたブラディ(ラリー・ペネル)が無理やり引っ張り出されることになるが・・・。(HPより)

試合結果は・・・。

ジャックは無敵で、ブラディも叩き潰し、押しも押されぬチャンピオンになった。

シカゴにカフェを開き、富と、白人の女エレノアを誇示する派手な生活を始めるが、
仲間の黒人たちには喜ばぬ者もいた。“白人のものを欲しがり、白人のマネをする黒人だ"というのだ。まして、白人社会はそれを許すはずがなかった・・・。

黒人で世界初の重量級拳闘チャンピオンになったが、白人女性と結婚したため、
徹底的に米国社会からハジキ出される男を描き、人種差別に関する白人黒人両極の心情を描いて、
感動的だった。




製作は「卒業」のローレンス・ターマン、監督は「ハッド」「男の闘い」のマーティン・リット。

出演は、舞台劇の主役の延長でジェームズ・アール・ジョーンズ、ジェーン・アレクサンダー。その他、ルウ・ギルバート、ジョエル・フルーレン、「特攻大作戦」のロバート・ウェバー、「招かれざる客」のベア・リチャーズ、ラリー・ペネル、ジム・ビーティなど。

ジェームス・アール・ジョーンズ(1931~)の
主な映画出演作品:

1964年「博士の異常な愛情」☆☆☆☆
1967年「危険な旅路」
1970年「ボクサー」☆☆☆☆
1974年「愛しのクローディン」★★
1976年「スキャンダル・美女襲撃の現場」
     「カリブの嵐」
1977年「エクソシスト2」★
     「アリ・ザ・グレーテスト」☆☆☆
     「Oh!外人部隊
     「スターウォーズ」(ダースベイダーの声)☆☆☆
1979年「武士道ブレード」
1980年「スターウォーズ/帝国の逆襲」☆☆☆
1981年「コナン・ザ・グレート」★
1982年「エーゲ海の伝説」
1983年「スターウォーズジェダイの復讐」☆☆☆
1985年「SF攻防都市」
1986年「ミスター・ソウルマン」
     「マイ・リトル・ガール」
1987年「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて」
     「共よ、風に抱かれて」
     「メイトワン-1920/アメリカ暗黒の決闘史」
1988年「星の王子ニューヨークへ行く」★★
1989年「フィールド・オブ・ドリームス」☆☆☆
     「3人の逃亡者」
     「ベスト・オブ・ベスト」
1990年「レッド・オクトーバーを追え!」
     「アンビュランス」
1991年「トゥルー・アイデンティティー/正体知られて大ピンチ」
1992年「パトリオット・ゲーム」★★
     「セックスの義務と権利」
     「スニーカーズ」
1993年「サンドロット/僕らがいた夏」
     「スーパーヒーロー/メテオマン」
     「リーサル・コップ」
     「ジャック・サマースビー
1994年「裸の銃を持つ男33 1/3 最後の侮辱」
     「ライオンキング」(声)
     「今そこにある危機」★★
     「探偵ボーグ/わたし、忘れてます」
1995年「ジェファーソン・イン・パリ」
     「ジャッジ・ドレッド
     「輝きの大地」
1996年「アル・パチーノのリチャードを探して」
     「ファミリー」
2006年「もしも昨日が選べたら」(声)

元来、ボクシングは見ないが、映画としては、後の「ロッキー」にも匹敵する
感動的な映画だった。

☆☆☆☆