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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">訃報:「名優・緒形拳」(71才)逝く</span>



突然のニュースに「耳・目」を疑った。

今月5日、日本の俳優では、名優の中でもトップクラスの演技派、緒形拳が、71歳で亡くなった。
わずらっていた肝臓がんが原因ということがわかった。

緒形拳(1937年7月20日 - 2008年10月5日)は、圧倒的な存在感を示す好きな俳優の一人だった。
緒形拳といえば、まず「砂の器」を思い起こす。

加藤剛演じる主人公、和賀英良(本名:本浦秀夫)が幼い頃、父と放浪中に
面倒をみた田舎の巡査の役だった。秀夫が家出したあと、あるとき秀夫の現在の写真を見て
探し出し、病気で隔離されている父親に会わせようとするが・・・。

栄光をつかみつつある秀夫(英良)にとっては、封印したい過去を唯一知る人物が
巡査だったが・・・。

「あげな思いをしてきた親と子だよ。どうして、そげなこと(=会うことはできない)いうだらか。
おめえの首に、縄、ナワをつけでも引っ張っていくから。来い!秀夫!」というシーンには
圧倒される迫力があった。この言葉を、思い起こしながら、コンサートでピアノを弾く
秀夫・・・。

このシーン(下)





そのほか、


など、どれをとっても強烈な印象が残る名演だった。









野村芳太郎監督の「砂の器」「鬼畜」「わるいやつら」は、個人的には特にお気に入りだった。

日本アカデミー賞主演男優賞は、3度受賞している。

先日のテレビのクイズ番組で「緒形拳」さんの読み方は?
というのがあった。もともと芸名だが、その読み方は「こぶし」だったそうだが、
まわりからは「ケン」と呼ばれることが多く「ケン」になったのだという。

70年代の作品を主に見ていたが、ここ20年くらいは映画を見た記憶はない。
そのため、若いイメージがある。最近の白髪イメージは、ギャップを感じる(笑)。

昭和の時代の緒形拳のイメージは、俳優の間でも「怖くて近寄りがたい」だったらしいが、
平成では、TVのCMなどで、優しいお父さんのイメージで、3年間連続で「タレント高感度1位」
の時もあった。

出演映画:
遠い一つの道(1960)
間諜(1964)
セックスチェック 第二の性(1968)
積木の箱(1968)
風林火山(1969) ★★
永訣(わかれ)(1969年)
七つの顔の女(1969)
わが恋わが歌(1969)
婉という女(1971) ★★
必殺仕掛人・梅安蟻地獄(1973)
必殺仕掛人・春雪仕掛針(1974)
狼よ落日を斬れ 風雲・激情篇怒濤篇(1974)
砂の器(1974)☆☆☆☆
太陽は泣かない(1976)
八甲田山(1977) ☆☆☆
鬼畜(1978 日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか)☆☆☆
復讐するは我にあり(1979)☆☆☆☆
影の軍団 服部半蔵(1980) ★★
復活の日(1980)
わるいやつら(1980)☆☆☆
太陽のきずあと(1981)
ええじゃないか(1981)カンヌ映画祭招待 ☆☆☆





魔界転生(1981)
北斎漫画(1981) ☆☆☆
野獣刑事(1982) ベルリン映画祭コンペティション
楢山節考(1983 日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか)カンヌ映画祭パルムドール☆☆☆☆
陽暉楼(1983)
OKINAWAN BOY オキナワの少年(1983)
魚影の群れ(1983)★★
櫂(1985)
MISHIMA(1985日本未公開)カンヌ映画祭芸術貢献賞
薄化粧(1985)
火宅の人(1986)日本アカデミー賞最優秀主演男優賞) ★★
女衒ZEGEN(1987)カンヌ映画祭コンペティション
吉原炎上(1987) ★
ラブ・ストーリーを君に(1988)
優駿 ORACION(1988)
華の乱(1988)
孔雀王(1988)
将軍家光の乱心 激突(1989)第39回ベルリン国際映画祭招待作品
座頭市(1989)
社葬(1989) ★★
大誘拐 RAINBOW KIDS(1991)
グッバイ・ママ(1991)
咬みつきたい(1991)
陽炎(1991)
おろしや国酔夢譚(1992)
国会へ行こう!(1993)
土俵の鬼たち(1994)
さよならニッポン! GOODBYE JAPAN(1995)
GONIN2(1996)
ピーター・グリーナウェイ枕草子(1996)
流★星(1999)
あつもの(1999)ペノデ映画祭グランプリ
殺し KOROSHI(2000) カンヌ映画祭招待作品
歩く、人(2002)カンヌ映画祭招待作品
11'09'01/セプテンバー11「おとなしい日本人」(2003ナレーション)ベネチア映画祭招待作品
ミラーを拭く男(2004)
IZO(2004)ベネチア映画祭招待作品
下弦の月〜ラスト・クォーター(2004)
隠し剣 鬼の爪(2005)ベルリン映画祭コンペティション
蝉しぐれ(2005)
ミラクルバナナ(2005)
佐賀のがばいばあちゃん(2006)
長い散歩(2006)モントリオール映画祭グランプリ
武士の一分(2006)ベルリン映画祭招待作品
ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌(2008)

また、一人大物俳優が亡くなった。

親友であったという津川雅彦さんの話もTVで介されていた。
”戦友”のようなやり取りが胸を打つ。

亡くなる4時間前に話ができたという津川さんは「名優らしく、かっこいい亡くなりかた
だった」とも語ったという。

しかし、早すぎる。

残念。

冥福を祈ります。