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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">&#039;00年代(56)「チャーリー・ウイルソンズ・ウオー」(2008)</span>




「チャーリー・ウイルソンズ・ウオー」(2008)のマイク・ニコルズ監督はこの映画で何を描きた
かったのか。この時期に、アフガニスタンを。

”実話“ ”真実“を前面に打ち出しているが、一人のアメリカの下院議員が、
アフガンを占領しているソ連を打ちのめすというアメリカ人が好みそうな物語を
英雄という視点ではなく、やや皮肉をこめて描いている。

テキサス州選出の下院議員、チャーリー・ウイルソントム・ハンクスが演じている。

下院議員事務所では、電話交換手から秘書まで、ウイルソン好みの美人女性のみを雇っている。
確かに美人ぞろいで、事務所を訪れる客も、目を白黒。目の保養にはなるが、お気楽議員だ。

映画の冒頭から、ちょっとエロチックなシーン。

ラスベガスの秘密クラブのようなホテルの中で、ストリッパーやモデルの美人たちと混浴で、アルコールというウイルソンの女性好きをうかがわせる場面だ。

こうした一方で、政治家で当然といえば当然だが世界の動きには敏感に反応する「熱心さ」も持ち合わせている。お湯に浸かりながらも、TVで当時のアメリカでは、抜群に知名度のあるジャーナリストでアンカーマンの「ダン・ラザー」(※)のニュース報道に釘付けになる。

女たちと雑談している間にも、TVの内容が気になり、行動を起こす、というところが、女たちから「何を職業としているの?」と聞かれて「テキサス州選出のチャーリー・ウイルソンだ」と真剣に応える姿にも反映していて面白い。

テキサスの大富豪夫人(ジュリア・ロバーツ)は、ウイルソンと関係を持ち、ウイルソンを手のひらで動かし、必要な資金を惜しげもなく提供する「パトロン」のような存在。この二人と、CIAの中でも一匹狼で、瞬間湯沸かし器のように気性の激しい局員(フィリップ・シーモア・ホフマン)と3人で、ソ連からアフガンを救おうというのだが・・・。

アカデミー賞を受賞した3大スターの共演ということで、派手な映画を期待したが、意外にまとも(笑)。ウイルソンの秘書役のエミー・アダムスという女優もキュートだった。

ウイルソンは、反共産主義の急先鋒である大富豪夫人と協力して、アフガニスタンで、殺戮を繰り返すソ連軍を駆逐することを決意する。戦場の惨状を見て、最新鋭の武器をアフガンに秘密裏に送ることにするのである。戦場を視察したウイルソンの目に焼きついたのは、おもちゃに似せた爆弾で、子供が両手を失なったり、現地の住人の平均年齢が14歳などの現状だった。

また、アフガニスタンの米国大使館の担当官のソ連に対して、何も打つ手を考えないという、やる気のなさにも憤りを覚えた。

そして、「チャーリー・ウイルソン」のウオー(戦争)が始まった・・・。

トム・ハンクスは、米国では人気絶大だが、そのあたりがあまりぴんとこない(笑)。

ジュリア・ロバーツは、40歳になるようだが、ビキニの水着姿で、ナイスなプロポーションを見せている。大富豪のマダムの役柄からか、ド派手なメークで、「老けたか」と思わせるが、まつげを入念に手入れするときに「安全ピン」の針で1本1本整えているシーンに、映画館の中で失笑が漏れていた。登場シーンはそれほど多くはない気がしたが、ハリウッド女優では、最高クラスの出演料、1,500万ドル(17-18億円)をこの1本の映画で稼ぐほどの存在感だったかは、少々疑問(笑)。

話は変わるが、この映画のジュリア・ロバーツが「ソフィアローレン」に見えてきた!(笑)。

フィリップ・シーモア・ホフマンは、あくが強いキャラは得意。この映画でも、一番光っていた。性格俳優として、いつもながらうまいと思う。

参考:
ダン・ラザー(1931.10.31-)
AP通信記者、ダラス・ロンドン・サイゴン特派員を歴任した後、1966年にホワイトハウス担当記者。またこの間、60 Minutesのキャスターを兼任した。
1981年3月9日に、ウォルター・クロンカイトの後任としてCBS Evening Newsのアンカーマン・編集長に就任。サダム・フセインに単独インタビューを果たすなど実績を残したが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の兵役逃れを告発した報道が虚偽の書類を元にした誤報だったことが批判され、2005年3月9日にアンカーマンを降板した。

映画は、残念ながら★★
DVDで十分か。

最近見た3本がいまいちだった。
「大いなる陰謀」(★)「フィクサー」(★★)
野球選手の「三振」続きのよう(笑)。

やはり期待は「ゼア・ウイル・ビーブラッド」か(新宿では上映なし。銀座シネシャンテのみ)