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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「西部戦線異状なし」(1930)</span>


70年代の映画をメインに紹介するブログですが、戦争映画の名作といわれる「西部戦線異状なし
を見たときの衝撃は、いまも覚えている。”○○戦線異状なし”の流行語として、今も
就職戦線などで、引用される。

1972年に劇場で見たので、もう35年も前だが、当時の日記(学生時代)には、「他の作品を圧倒する
大傑作。古今映画のベストテンに入れたい」と書いている。

日記にはさらに「一人ひとりの主役の人間味もさることながら、モンタージュがすばらしい」など、
わかったようなことも記録(笑)。移動撮影、戦争シーンのリアルさ、ラストシーンの印象的なことも
記憶に残る、と。封切り当時は、その反戦映画ということから、時代に反するとして、カットされた
シーンもあったとか。

舞台は、第1次大戦がはじまってまもないドイツのある町。

群衆の歓声に送られて、戦場へ向かう大部隊が進軍してゆく。

学校の教室では、老教師が生徒に愛国心を説いていた。
情熱に駆り立てられた若者たちは、ただちに出征を志願する。

しかし、前線の現状といえば、想像を絶する飢えと死の恐怖だけの毎日だったのだ・・・。

数度に渡って繰り広げられる戦闘シーン、全編を貫く戦争批判とヒューマニズム

原作は、エリッヒ・マリア・レマルクが第1次大戦中の自らの体験をもとにして
書いた同名の長大な記録小説。

後年の1970年代以降では、「地獄の黙示録」や「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」など、
戦争批判を扱った映画・小説は数多く発表されている。

しかし1930年当時、この小説が発表された当時の日本も検閲によって、
なまなましい戦闘シーンを始め、学校で反戦的な事をのべるシーンなど、戦争の実態を
描いたシーンや戦争批判の箇所がことごとくカットされたようだ。

映画も、日本の公開初日には長蛇の列に憲兵の目が光っていた!という。

ドイツでは左派・右派の衝突で血の騒動がおきてついには上映禁止となった。
この作品が製作された1930年は、トーキーが誕生したばかりで、
まだ大半は無声であり、装置が完備していない劇場も多かった為にトーキー版・
無声版の2種類が製作され、日本ではトーキー版の方が上映されたのだという。

印象に残るシーンは、兵士が銃で撃たれて、虫けらのように死んでいく姿のリアルさ。
それがアップで画面に映る。

反戦映画の最高傑作であることは間違いない。

個人的戦争映画ベスト5:

①「西部戦線異状なし
②「史上最大の作戦
③「M・A・S・H」
④「シンドラーのリスト」(戦争映画に入れれば・・・)
⑤「戦略大作戦

その他「フルメタル・ジャケット」「ナバロンの要塞」など。