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★反骨精神旺盛のアルトマンの映画「マッシュ」はいかに生まれたか。

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1970年2つの戦争ブラックコメディ映画が公開されたときには、反戦映画というのは「戦争反対!」と声高に叫ぶだけではないんだなと強く感じた。戦争ブラックコメディ映画の2本は「M★A★S★H/マッシュ」と「戦略大作戦」だ。「キャッチ22」も同類かもしれない。

この2本は戦争なんて下らないと茶化すことで、戦争のばかばかしさが十分に伝わる。時代はベトナム戦争が長期化し、ベトコンと呼ばれるベトナム兵士の抵抗が予想以上に強かったことで、アメリカ兵たちも疲弊しきっていた時期だった。

反戦を歌う歌手ジョーン・バエズをはじめ、日本の歌手では加藤登紀子、女優ではジェーン・フォンダなどが代表格だった。映画では「ウッドストック」「イージーライダー」などが登場した。

Yahooニュースの記事では、低予算映画「M★A★S★H」がいかに生まれたかが紹介されている。この映画の画期的なところはいくつかあるが、いわゆる4文字ことば(ファック)という言葉が映画に初めて登場したということは別にしても、記事によると、セリフの8割がアドリブだったというのが驚きだ。

反戦映画というのは、ハリウッドの大手映画会社からして見たら、”けしからん”という部類の映画だった。イケイケどんどんで、ベトナムに派兵しているアメリカにとっては、戦意高揚映画「パットン大戦車軍団」のような大規模戦争映画が主流だった。

マッシュ」の監督に指名されたロバート・アルトマンも、ハリウッドのお偉方が「パットン大戦車軍団」や「トラ!トラ!トラ!」に集中している間に、静かに目立たないうちに撮ってしまおうとしたというのが、笑わせる。そんな映画が大ヒットして、のちにドラマ化もされてしまう人気シリーズになったのだから世の中はわからない。

詳しくは、Yahooニュースを

news.yahoo.co.jp

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主題歌の「自殺のよろこび」(Suicide is painless)というのもなんとも人を食った歌だ。

映画に登場するホークアイ(ドナルド・サザーランド)やトラッパー・ジョン(エリオット・グールド)らは、悩みを抱えたウォルター・ワルドウスキー大尉(通称「ペインレス・ポール」(ジョン・シャック)のために "最後の晩餐" の儀式をしつらえる。この場面で歌われる曲として作られた曲だ。

監督のロバート・アルトマンは、映画の音楽を担当したジョニー・マンデルに「歌のタイトルは『Suicide Is Painless』でなくちゃならないんだ。なぜなら実際ペインレスは薬を飲んで自殺を図るからね。いいタイトルだろう? おまけにそれはこれまでに書かれたものの中でもっとも馬鹿げた曲でなくてはならない」と言いマンデルは「わかった。馬鹿げた曲に仕上げるよ」と答えたという。

 

■テーマ曲はこちら。今、聴いてみると、ずいぶんとゆっくりしている印象。当時、歌詞を覚えたものだが。