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Netflixオリジナルドラマ「地面師たち」(Tokyo Swindlers、全7話)を全話一気見。タイムリーな題材で見ごたえあり。

Netflixオリジナルドラマ「地面師たち」(Tokyo Swindlers、全7話)を一気に見た。地上波では放送されないようなエロ・グロシーンがあるが「全裸監督」にも匹敵するようなスリリングな展開もある。配信が7月25日にスタートし同28日にさっそくNetflix国内アクセス1位にランクイン。


地面師」なる言葉を知ったのは2017年に実際に起きた東京都品川区西五反田の土地をめぐる不動産詐欺事件。この事件でその名を多くの人が知ることになった「地面師」を取り上げたクライム・サスペンス。

これまでに土地バブルという言葉が何度か登場したが、都内の一等地を巡る「土地の奪い合い」がすさまじい。

地面師のリーダー、ハリソン山中(豊川悦司)は「人類の戦争の歴史は土地の奪い合いです」とうそぶく。土地そのもの自体は変わらず存在するが、その価値は場所などによって天文学的に上がることがある。

舞台となるのは港区高輪地区。山手線に新駅(高輪ゲートウェイ駅)ができたことで、周辺の土地(周辺のお寺に隣接した巨大な駐車場など)の市場価値が急騰。そこに、鵜の目鷹の目でディベロッパーが目をつけるが、そこでチマチマした仕事ではなく、100億円規模の「死人がごろごろ出るような大きなヤマ」として地面師たちが登場するのだ。

「地面師」とは…がイントロのナレーション(山田孝之)で語られる。
「地面師とは 他人の土地の所有者になりすまして売却を持ち掛け 偽造書類を使って 多額の金をだまし取る 不動産詐欺を行う集団のことである」

「地面師グループは ”リーダー””交渉役””情報屋””法律担当””偽造書類作成者””なりすましのキャスティング”など複数人で構成され億単位の金を騙し取るための緻密かつ高度なテクニックが必要とされる」

      地面師たちは綿密な打ち合わせを行い計画を実行に移す

・・・

キャスト陣では、そうそうたる顔ぶれが集結。地面師グループのリーダーを豊川悦司、交渉役を綾野剛、情報屋を北村一輝手配師小池栄子、法律屋をピエール瀧、ニンベン師を染谷将太、さらにだまされる大手デベロッパー幹部を山本耕史、地面師たちを追う刑事をリリー・フランキー池田エライザが演じる。

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【一部ネタバレありご注意ください】

この映画はすごい(Cool!)ところが多い。
小池栄子の切れっぷりと尼になるために頭をそり上げてしまうチャレンジ魂がすごい。若手刑事を演じる池田エライザが容疑者にも臆せず堂々と攻めるところがすごい。

リーダーのハリソン山中(豊川悦司)は、言葉は丁寧だが、仕事が終わると仲間の切り捨て方が半端なく恐ろしいところがすごい

上場大手会社が、契約書にこぎつけるまでの「当事者確認」の徹底ぶりもそこまでやるかだが、地面師はさらにその上を行くというのがすごい

ハリソンは、映画「ダイ・ハード」の紳士的?悪人ハンス・グルーバーアラン・リックマン)のある行動のセリフに心酔しており、それをドラマの中で実行しているのがすごい。「ダイ・ハード」で再確認しなくては…笑。「スリー・トゥ・(ワン!)」

<地面師集団>
■ハリソン山中:豊川悦司
地面師集団のリーダー。元暴力団幹部。1980年代後半のバブルで地上げ屋として名を馳せ、地面師詐欺集団を束ねて大規模な不動産詐欺を複数仕掛けた。バブル崩壊後、一度は実刑判決を受けて出所後は鳴りを潜めていたが、ITバブルを機に再び動き出した。英語が堪能で趣味はハンティング。ワインやウイスキーなど高級酒にも精通している。なかでも高級ウィスキー「ポートエレン1979」(※1)がお気に入り。誰に対しても敬語で話すという紳士的な性格だが、猟奇趣味を楽しむ一面もある。

■辻本拓海(たくみ):綾野剛
真面目なサラリーマン風の風貌で交渉役として活躍する地面師。地面師をする以前は高級デリヘルの送迎ドライバーをしていたが、仕事中のトラブルをきっかけにハリソン山中と接触する。かつては横浜で父が経営している小さな不動産会社で営業として働いていたが、自身が成立させた取引で地面師詐欺に遭い、会社は倒産。父が辻本が留守中に放火による一家心中を図り、母親と妻と幼い息子を亡くす。火災から生き延びた父は、千葉刑務所で刑に服している。

■後藤:ピエール瀧
司法書士。それ以外にも複数の不動産関係の資格を持つ法律屋。法律の知識を活かし、買い手との交渉や仲介を担当。関西弁を話し、口が達者で高圧的な性格。妻子持ち。山下や陣内など複数の偽名を名乗るが本名は後藤義雄。

■麗子:小池栄子
手配師。地主などに成り済ます人物のキャスティングを担当。身寄りがなく、目先の金に困っている曰くつきの老人を常に数十人ストックしている。地主の経歴などを覚えさせる教育担当でもある。本名は稲葉麗子。

■竹下:北村一輝
土地や物件の情報を仕入れ、地主の情報のリサーチ・土地価格の評定などをする情報屋。重度の薬物中毒者。オロチを下っ端としてこき使っており、横柄な性格。分け前について不満を抱いている。

■オロチ:アントニーマテンロウ
竹下の使いパシリ。口数が多く腕っぷしが強い。辻本には「地面師になりたい」と漏らしている。

■長井:染谷将太
身分証や公的証書の偽造を手掛けるニンベン師(※2)。ハッキングのスキルにも長けている。猫好きで、多くの迷いネコを飼っている。ウーバーも来ない様な工業地帯にある廃ビルを根城にしている。コンピューターゲームに熱中している。

■佐々木丈雄:五頭岳夫
なりすまし役の一人。オドオドとした頼りない老人。

■谷口俶恵:小林麻子
なりすまし役の一人。熱海の旅館で掃除係として働く薄幸の女性。病気の息子のために働き過ぎで心労による脱毛症で麗子に尼僧役として頭髪を剃る事に抵抗が無い人物として見込まれる。

<警察>
■下村辰夫:リリー・フランキー
山中たちを追う警視庁捜査二課の刑事。階級は警部。定年が近く持病を抱えている。

■倉持:池田エライザ
辰と組む新人刑事。刑事ドラマが好きで捜査一課志望。新人ながら徹底調査を行い、容疑者に直球で攻めいていく大胆さがある。かつて鍛えた身体能力がある。

■羽場:岩谷健司
辰の上司で長年の付き合いがある。捜査二課の理事官で階級は警視。

<ターゲット>
■マイクホームズ 
真木:駿河太郎
投資用ワンルームマンションの開発、販売を手掛ける新進の不動産企業「マイクホームズ」の社長。恵比寿駅近くの土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。

■石洋ハウス 
青柳:山本耕史
国際事業も手掛ける業界最大手の不動産企業。社内では、会長の和田島と社長の安倍川の間で派閥争いが起きている。和田島は国外案件の指揮を執っており、安倍川は国内案件の決裁権を持っている。

「石洋ハウス」開発事業部部長。大井町の開発プロジェクトが頓挫したことで、数十億円規模の案件のために代替となる土地を探すことに焦っていたので、港区高輪の土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。安倍川社長に育てられ、現在の開発本部長の地位まで昇り詰めた生粋の社長派。須永とは出世競争で対立している。

須永:松尾諭
「石洋ハウス」商業事業部部長。港区高輪の不動産取引を当初から怪しんでおり、青柳に対して地面師詐欺ではないかと直接訴えている。コンプライアンスに反する青柳のやり方を古いと一蹴した。青柳とは出世競争のみならず、会長派として派閥争いでも対立している。

安倍川:谷川昭一朗
「石洋ハウス」社長。会長が海外事業に執心な事をいいことに、会社の実権を握っている。青柳が提案する光庵寺の土地取得に乗り気になる。

■光庵寺
川井菜摘(なつみ):松岡依都美
港区高輪の一等地に建つ光庵寺の住職、付近の土地の地主でもある。寺と切り離された部分の土地だけで市場価格は100億超に上る。一人娘で身寄りがなく、結婚していたが夫は駆け落ちして現在は独り身。

ほぼ境内に引きこもりの生活を送っているが、歌舞伎町のホスト楓に入れ込んでいることが拓海による調査で判明しており、地面師たちによる100億の土地詐欺に付け込まれる遠因となる。

<その他>
■楓:吉村界人
川井が入れ込んでいるホストクラブのホストで、菜摘が太客となった事でナンバーワンになった。児童買春をネタに拓海達に利用される。
■林:マキタスポーツ
地上げ屋。地面師に石洋ハウスへのコネを紹介する。青柳と組んだ事件で3年の懲役から出所している。

(※1)「ポートエレン 24年 3rdリリース 1979年蒸留」…かつてスコットランドアイラ島にあった幻の蒸留所・ポートエレン蒸留所にて1979年に蒸留し、24年間かけて熟成させたアイラモルトウイスキー

(※2)「ニンベン師」…警察用語の隠語のひとつ。「にんべん」は偽造事件のことで「ニンベン師」とはパスポートや運転免許証などの偽造を生業としている職業を指す。ちなみに、警察用語では「ごんべん」は詐欺事件「さんずい」は汚職事件を指す。

■「地面師たち」は、新庄耕の小説、およびそれを原作として2024年7月25日にNetflix配信が開始された日本の配信ドラマ。土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。

▪監督・脚本:大根仁

▪出演:綾野剛豊川悦司 北村一輝小池栄子ピエール瀧染谷将太
松岡依都美、吉村界人アントニー松尾諭駿河太郎マキタスポーツ
池田エライザリリー・フランキー山本耕史

▪原作:新庄耕「地面師たち」(集英社文庫刊)
▪エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一
▪プロデューサー:吉田憲一、三宅はるえ
▪製作:Netflix
▪制作プロダクション:日活 ブースタープロジェクト
©新庄耕/集英社
話数:全7話(一挙配信)
Netflix 作品ページ:https://www.netflix.com/地面師たち

Netflix 配信で鑑賞。

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