ドラマ「正体」(WOWOW、全4話、2022)を見る。主演は亀梨和也。劇場版「正体」は横浜流星主演で今月29日から公開される。脱獄した死刑囚の鏑木慶一は殺人犯か善人かのサスペンスドラマ。
冤罪、認知症、オレオレ詐欺、パワハラ、工事現場の厳しい労働環境、怪しい新興宗教など様々なテーマが一つ一つかなりリアルに描かれていて見ごたえがある。
裁判官が主文と理由を述べた後の最後の追加の一言が身に染みる。
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時は2015年。埼玉県でとある夫婦が殺害される事態が発生した。現場そばにいた鏑木(かぶらぎ)慶一(亀梨和也)。凶器の包丁と指紋が一致したことや遺された夫の母親・井尾由子(黒木瞳)の証言により、死刑が言い渡される。
鏑木は移送中に刑務官の隙をついて脱獄し、名前を変え、身分を偽りながら逃亡を続ける。
テレビなどマスメディアでは鏑木の脱獄が大きく報じられ、警察が全力で行方を追うが、鏑木を捕まえられずにいた。
一方、事件の被害者夫婦の夫の母親である井尾由子は若年性認知症を患っており、事件のトラウマを抱えながら介護施設で療養している。
やがて、鏑木は逃走しながらも潜伏する先々で名前や姿を変え、工事現場の作業員・野々村和也(市原隼人)やライター兼ディレクターの安藤沙耶香(貫地谷しほり)、痴漢の冤罪被害に遭った弁護士の渡辺淳二(上川隆也)と出会い、彼らを窮地から救っていく。
脱獄してから1年半後、鏑木は若年性アルツハイマーを患う由子が療養生活を送る介護施設「アオバ」に姿を現し、アルバイトとして働き始めるのだが…。
なぜ、鏑木は人々を救うのか──。野々村たちは鏑木が指名手配中の死刑囚だと気付いたとき「彼は本当に殺人犯なのか?」と疑問を抱き始めるのだが…。
鏑木がピアノを弾く家庭を眺めたのは幼いころ母が教えてくれたピアノを思い出し…。
新興宗教「救心会」の教祖の話を熱心に聞く信者たち。
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脱獄逃亡者となった鏑木が、名前を変えて工事現場、ライター、介護スタッフなどの職を渡り歩くが、それぞれの現場で出会った人々は男が鏑木と気づくが、鏑木と関わった人たちが鏑木の人間性を見て、無実を信じていき、再審にこぎつけて大逆転となる…というのはやや原作とは異なるようだ。
<主な登場人物>
■鏑木慶一:亀梨和也…殺人容疑で死刑宣告を受けるが、脱走し、名前を変え、職を転々とするが、そこにはある目的があった。
■安藤沙耶香:貫地谷しほり…WEB編集プロダクション「メディアトレンダーズ」の雑誌の編集者。両親が亡くなり大きな家に一人住む。身寄りがない鏑木を心配し家に寝泊まりさせる。
■渡辺淳二:上川隆也…痴漢の冤罪被害に悩む弁護士。自殺するところを鏑木に助けられる。
■酒井舞:堀田真由…介護施設「アオバ」で働く21歳の介護士。
■四方田保:濵田崇裕…介護施設「アオバ」で働く舞の上司。
■又貫:音尾琢真…鏑木の行方を追う刑事。
■笹原浩子…若村麻由美…パン工場で働く。殺害された夫婦の夫の叔母。井尾由子の妹。
■近野節枝:高畑淳子…パン工場で働く。新興宗教の「救心会」の説教会に参加し、久間(鏑木)と知り合う。ある日オレオレ詐欺の被害に遭う。
■野々村和也:市原隼人…「牛久保土木」の工事現場の住み込み作業員。
■井尾由子:黒木瞳…息子夫婦を殺害される。殺人の現場にいたが、若年性アルツハイマーを患、記憶があいまいになる。浩子の姉。
■尾根:野間口徹…新興宗教「救心会」の教祖。
■佐竹:温水洋一…介護施設「アオバ」社長。
■稲本美代子:奥貫薫
■大久保信代:藤吉久美子
原作:染井為人「正体」(光文社文庫刊)
監督:中田秀夫・谷口正晃
■Netflixで配信中。
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