fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

【話題のドラマ】TBS系日曜劇場ドラマ「VIVANT」(1話~5話の総括)。

TBS系ドラマ日曜劇場「VIVANT」は5話まで終了。本作は大人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)で演出を務めた福澤克雄が原作を担当。ネットやYouTubeでは「VIVANT」考察なる動画が数多くアップされている。

「1話~5話」までを整理する意味でネット情報などを基に、まとめてみた。
5話までの放送で次第に人物や真相が明らかになってきたが、まだまだ謎が多い。乃木の伏線や野崎の行動の謎、柚木薫の正体などだ。

そもそもタイトルの「VIVANT」は何を意味するのか、素朴な疑問。日本語の別班が外国人には「VIVANT(ヴィヴァン)」と聞こえたというのが一つ。

VIVANTはフランス語で「生きている」という意味があるという言葉もドラマの中のセリフであった。それだけではない。登場人物の複雑な組織などのからみをまとめたものというのもあった。

タイトルの文字と出演者の並ぶ位置関係。登場する組織の頭文字というものだ。

「V」… 別班(松坂桃李
「I」…  医者(二階堂ふみ
「V」… 別班(堺雅人
「AN」… 公安(阿部寛
「T」… テント(=テロ組織、役所広司
・・・

日本企業・丸菱商事がバルカ共和国の企業・GFL社に対し、契約金の10倍にもなる1億ドルの誤送金をしたことが発覚。事業を担当していた乃木憂助(堺雅人)は関与を疑われる。

契約金を追いバルカへ向かった乃木は、現地のテロ組織・テントのアジトで自爆テロに巻き込まれ、重要参考人としてバルカ警察に追われてしまう。

アジトで居合わせた日本の公安・野崎守(阿部寛)と、医師・柚木薫(二階堂ふみ)とともにバルカ警察から必死の逃亡劇を繰り広げる。

無事日本に帰国し、野崎とともに誤送金事件を調べていく乃木。
その末に、乃木の同期である山本巧(迫田孝也)が、天才的なハッカー・太田梨歩(飯沼愛)を操り起こしていたと判明した。

山本はテントの一員(モニター)だったのだ。野崎は山本を捕えようと奔走するも、一足早く自衛隊の影の諜報部隊「別班」の黒須(松坂桃李)が確保。黒須と山本の元に乃木が現れ、自分も別班であると明かした。二人は山本にテロ組織の情報を自白させ後、自死に見せかけて始末する。

山本の死に違和感を覚えた野崎は、乃木は別班ではないかと疑い、バルカ共和国での乃木の行動と経歴を調べる。

一方、乃木はテロ組織・テントの日本担当のGFL社アリから組織の情報を得るために、再びバルカ共和国へ向かった。

【組織】
■「別班」…乃木と黒須が所属する自衛隊の影の諜報部隊。日本を狙うテロ組織などを秘密裏に始末する任務を行う。「美しき我が国を汚す者は何人たりとも許さない」を信条に、任務の遂行に合法、非合法は問わない。
■「テント」…バルカ共和国のテロ組織。犯行後に組織のマークを残すのみで、思想や信念のようなものは見えない。GFL社のアリとアマン社のザイールもテントの幹部。丸菱商事の誤送金問題を影で引き起こしていた。組織には幹部の他、自分の国に不満をもった若者を洗脳した「モニター」という存在がおり、自国で組織のために活動させている。
■「警視庁公安部」…通称「公安」。野崎、新庄が所属。二人は外事捜査官として、バルカ共和国日本大使館に駐在していた。「世界中を巻き込む大きな渦」から日本国を守る目的のもと、別班やテロ組織について調査している。
■「丸菱商事」…乃木、山本、長野、太田が勤める会社。乃木が所属するエネルギー事業部では、中央アジアのバルカ共和国で太陽エネルギープラント事業を進めている。
■「バルカ政府」(警察)…チンギスが所属する組織。ザイールによる自爆テロに居合わせた乃木と野崎、病院内で二人と会話をしていた柚木をテロ組織の一員と疑い、確保しようと執拗に追いかける。第5話では、野崎と手を組みテントを調べ始める。

・・・

登場する人物を組織でグループ分けしてみる。

【登場人物①】
「別班」
■乃木憂助(堺雅人)…丸菱商事・エネルギー開発事業部2課課長。バルカ共和国の太陽エネルギープラント事業担当。GFL社への誤送金の関与を疑われ、契約金を回収するためバルカ共和国へ渡航する。その正体は自衛隊の影の諜報部隊・別班の一員。
気弱な性格だが、同じ容姿で強気な性格の男・F(エフ)が現れ会話する姿が見られる。3歳の頃にバルカで両親と生き別れ、日本の児童養護施設で暮らしていた。ストレスから記憶を失い、大学入学前までは丹後隼人と名乗っていた。島根にある乃木家を訪れたことをきっかけに、乃木憂助へ名前を戻している。
■黒須駿(松坂桃李)…別班の工作員で乃木の後輩。テントの一員であると偽り、テントのモニターとして活動する山本を捕らえた。
■櫻井里美(キムラ緑子)…別班の司令官。神社に置かれた別班饅頭を通して乃木とやりとりをしていた。


【登場人物②】
「警視庁公安部と協力者」
■野崎守(阿部寛)…警視庁公安部・外事第4課捜査官。警視。1年前からバルカ共和国日本大使館に駐在している。ザイールの自爆テロから乃木を守り、彼を保護すると告げる。用意周到に事を進めるが、手段がなければ強行突破も辞さない。
■新庄浩太郎(竜星涼)…公安部外事第4課の捜査官で、野崎の部下。バルカ共和国日本大使館で乃木たちを迎え入れるため、到着を待ち構えた。
■東条翔太(濱田岳)…サイバー犯罪対策課の捜査官。ホワイトハッカー。乃木や野崎をサポートする。
■ドラム(富栄ドラム)…バルカ共和国では機転を利かせ野崎と乃木の手助けをした。バルカで指名手配となった後は日本へ移り、野崎と行動を共にする。日本語、モンゴル語ともに理解はするが喋ることができず、スマートフォンの翻訳アプリで会話する。
■チンギス(バルサラハガバ・バタボルド)…バルカ警察の警察官。アマン建設会社の爆破テロ指名犯として乃木や野崎たちを執拗に追った。その容疑が晴れた後は、野崎と手を組み、テントを追う。


【登場人物③】
「テント」
■ノゴーン・ベキ(役所広司)…テロ組織・テントのリーダー。乃木が幼い頃に生き別れた父親・乃木卓(林遣都)であることが判明。またバルカに渡る前は日本では警視庁の警官をしていた。
■アリ(山中 崇)…GFL社社長であり、テントの上位幹部で日本担当であることが明かされた。アマン建設会社のザイールと結託し、丸菱商事から1億ドルを奪う。別班に家族を人質に取られ、テントの情報を漏らした。
■アル=ザイール(エルヘムバヤル・ガンボルド)…アマン建設会社の代表であり、テントの幹部。誤送金1億ドルを、ダイヤモンドにロンダリングした。乃木と対面した際「VIVANTか?」と言い残し爆弾により自爆した。
■山本巧(迫田孝也)…丸菱商事エネルギー事業部1課課長。乃木の同期。元情報システム部。3話では誤送金データを調べるためにサーバールームに侵入する乃木の協力をする。その正体は日本に不満を持つ、テントのモニターだった。天才的ハッカーである太田を脅し、誤送金事件を起こした。その後別班に情報を漏らした上で始末される。


【登場人物④】
「柚木薫とジャミーンたち」
■柚木薫(二階堂ふみ)…WHI(世界医療機構)の医師。バルカ共和国で3年前から医療に従事。ザイールの自爆テロに巻き込まれた負傷者の治療中、バルカ警察に乃木と野崎の仲間と見なされ、バルカ警察に追われる存在となる。乃木、野崎とともに行動し、逃走劇のすえ日本に帰国。帰国後は日本医療センターに勤め、バルカ共和国で治療を行っていたジャミーンを受け入れる準備を進める。
■アディエル(ツァスチヘル・ハタンゾリグ)…バルカ共和国に住む、ジャミーンの父。砂漠で倒れる乃木を介抱した。ザイールの自爆テロに巻き込まれ死亡。1話で、テントのリーダーであるノゴーン・ベキが、アディエルとジャミーンとは知り合いであるような様子を見せていた。
■ジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)…バルカ共和国に住む少女。母親を目の前で失ったショックで口がきけない。アディエル曰く「人間の善悪を直感的に見抜ける」。心臓に持病があり、主治医の柚木薫とともに日本へ渡る。足りない治療費1470万円のために薫がクラウドファンディングを行なっていたが、乃木が負担し手術可能となった。


【登場人物⑤】
「丸菱商事」
■長野利彦(小日向文世)…丸菱商事の専務。決算までにGFL社への誤送金を回収するよう、乃木たち部下に命ずる。テントの一員ではないかと疑われたが野崎の捜査によって無関係とされた。

・・・
次々と正体が明らかになる登場人物たちの実像。それまでにはりめぐらされた伏線の多さに驚かされる。

第1話ではアマン社に潜入した乃木がザイールに「お前がVIVANTか?」と問われる。第2話では野崎が「VIVANT」というのは自衛隊の影の諜報部隊・BEPPAN(別班)と推理。

野崎から別班の存在を語られた乃木は別班を知らない様子を見せるが、第4話で乃木が別班であることが明らかになった。この事実を知った上で物語を振り返ると、乃木にはあやしい行動が多々散見される。

乃木はCIAの友人であるサムの協力を得てザイールの居場所を突き止めている。一介の会社員になぜCIAの友人がいるのか?

また、第4話で、GFL社のアリがテロ組織・テントの日本担当であることが明らかになった。そもそもGFL社との契約を進めたのは乃木本人であり、誤送金事件が起きた直後に乃木の上司が「だから中央アジアの無名の企業なんてやめとけって言ったんだよ」と乃木を責めていた。

第4話で乃木は、別班の任務のために海外を飛び回れるようにあえて出世コースから外れていたと語っている。別班の任務をうまく進めるために丸菱商事の社員としてバルカ共和国との仕事を担当し、怪しんでいたGFL社との契約を進めていたと考えられる。

第5話では、データのハッキングやスマホのすり替えなど、種明かし的に乃木のこれまでの行動を振り返っていた。第1話から、うだつの上がらない下っ端会社員を演じていた乃木だったが、実は彼こそが別班ではないかと疑うことができるシーンは複数存在していた。

第6話以降も、あっと驚く展開が待っていそうだ。

 

■「にほんブログ村」にポチッと!

https://movie.blogmura.com/ranking/in   

https://movie.blogmura.com/moviereview/ranking/in