「ディープ・インパクト」(原題:Deep Impact、1998)を見る。似たような映画の「アルマゲドン」や「デイ・アフター・トモロー」「インデペンデンスデー」などは見ているが、なぜか見逃していた。サラブレッドのディープインパクトという最強馬とは関係ないSFパニック映画だ。モーガン・フリーマンがアメリカ大統領を演じる。
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ホワイトハウスの女性スキャンダルを追っていたテレビ局のジェニーは「エリー」という名に行き当たる。
だがそれは女性の名ではなく「Extinction Level Event(種の絶滅を引き起こす事象)」の略だった。
大統領は、1年後に未知の彗星が地球に衝突する可能性があることを公表。
これを阻止すべく彗星を核爆発させて軌道修正するプロジェクトが実行されたが、結果は失敗。衝突が刻一刻と迫る中、ついに大統領は地下に選ばれた100万人だけを移住させる計画を発表するのだった・・・。
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彗星が接近して、人類滅亡の危機に瀕するというストーリー。
3人の主人公が登場する。1人目は、高校の天文学部に所属しているリオ・ビーダーマン。ビーダーマンが、天体観測中に見つけた新しい彗星によって物語が動き出す。この彗星の軌道を計算すると、地球に衝突する可能性が高いという。
2人目が、キャスターのジェニー(ティア・レオーニ)。ジェニーは、財務局長官とエリーという女性のスキャンダルを追いかけていた。長官が、非常食を積んで家族と出かけるところを取材。しかし、その直後、なぜかFBIに連行されてしまう。
ジェニーがFBIに連れていかれた場所には、アメリカの大統領トム・ベック(モーガン・フリーマン)が現われる。
実は「エリー」というのは女性の名前ではなく「E.L.E」という人間の絶滅を意味する隠語だった。ジェニーに知られてしまったアメリカ大統領は2つの事実を記者会見で発表した。
1年後、ニューヨークと同じ大きさの彗星が地球に衝突するかもしれないことと、 核爆弾を搭載した宇宙船で、彗星を撃退するというメサイア計画を進めているということだった。
3人目は、そのメサイア計画に参加し、彗星を撃退するために集まった乗組員のフィッシュ・タナー(ロバート・デュヴァル)。彗星への着陸、核爆弾の埋め込みなど計画は順調に進み、彗星の爆破に成功するものの、彗星が割れて大きさが小さくなったが軌道は逸れず、計画は失敗した。
宇宙船「メサイア」は音信不通。彗星は、砕け散ったままの大きさで、地球に向かっていく。政府は、万一のために100万人の人を収容することができる「ノアの箱舟」のような地下シェルターを建設していたことを発表。戒厳令を発令した。
ただ、この地下シェルターは100万人を収容できるが、国民の半分以上を見捨てることになってしまう。また、コンピューターが勝手に選ぶために、様々な葛藤が生まれることになる。
第一発見者でもある高校生のリオには、シェルターへの避難権が与えられた。しかし、彼の恋人であるサラとその家族が落選したのをきっかけに、リオは権利をすて、サラたちを守るために地上に残ることを決意。
このメサイア報道で昇格したジェニー。多くの人々を映していく中で、人生や命について考え悩み始める。そして、母を捨てた父親に連絡を取る決心をする。
もう少しで、地球に彗星が落ちてくるというとき、音信不通だったメサイアから通信がはいるのだが・・・。
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ニューヨークの自由の女神やマンハッタンの高層ビル(まだ世界貿易センター・ツインビルがある!)が津波で倒壊するシーンは迫力がある。
モーガン・フリーマンが堂々たる主役を演じている。声を聞けばフリーマンとすぐにわかる声。
ベテラン俳優のトム・へイゲン(「ゴッドファーザー」の弁護士)、もといロバート・デュヴァルが味わいがある。主演の一人、女優のティア・レオーニはこの映画で広く知られるようになり、コメディ映画などで活躍している。