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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★必見ドラマ?!「愛の不時着」(「耳野郎」がいる国が背景のラブコメ)。

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愛の不時着」は、二転三転のハラハラ。その舞台は、ほかの国とは違う”耳野郎”(=盗聴者)がいる、かの国。ホテル、宿泊施設、保養施設などあらゆる部屋に盗聴器が仕掛けられているのだ。電気スタンドの中、壁の天井に近いところ、電球の陰、テーブルの下、ありとあらゆるところにあり、軍部に監視されている。

そういえば、ドイツが東西に分裂していた時代の東ドイツの国家保安省(シュタージ)を舞台にした映画「善き人のためのソナタ」(2006)を思いだす国家保安省の局員ヴィースラー大尉は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視するよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、聴こえてくる彼らの世界にヴィースラーは次第に共鳴。そして、ドライマンが弾いたピアノソナタを耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられる、という話だった。

「愛の不時着」で、本人としては不本意ながら上官の命令で「耳野郎](盗聴者)に甘んじているチョン・マンボク(キム・ヨンミン)。

f:id:fpd:20201103083200p:plain 耳野郎だが優しい人物マンボク

マンボクは、人民武力部保衛局監視盗聴室軍人で、南(韓国)からジョンヒョクヒョンビン)の家を盗聴している。ジョンヒョクが、不穏な動きをしていると人民武力部が見ているからだ。

マンボクは、かつて上の命令でジョンヒョクの兄を殺してしまい、ションヒョクに助けられたことがあって、何としてもジョンヒョクには忠誠を誓い、恩返しをしたいと思っていたので上官への報告も適当に「知らない」で通さなければならなかった。

パラグライダーで突風に巻き込まれ北朝鮮に不時着してしまった南の女・ユン・セリソン・イェジン)とジョンヒョクが親しくなっている様子などを漏らすわけにはいかない。この辺の葛藤もよく描かれている。

南(韓国)のファッション雑誌なども持ち込み厳禁で、生活レベル、習慣なども段違い。そんな中で描かれる、権力をめぐる争い、婚約を巡るドタバタ、軍の秘密、工作、政略結婚、詐欺ビジネス、南の財閥一族の企業の後継争い、などを背景に、ロミオとジュリエットのようなラブストーリーが、ときにはコメディタッチで描かれ、引き込まれる。

 

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f:id:fpd:20201103082749j:plain セリ を演じるソン・イェジンは表情豊か

全16話中、8話まで見たジョンヒョクと敵対している憎たらしい「少佐」や、あくどいやり口で、財閥後継者の地位を乗っ取った次兄にいつ鉄槌が下るのか、これからさらに山場を迎えそうだ。

f:id:fpd:20201103081959j:plain 軍人社宅村の住人たち

登場人物も個性的というより漫画チックで面白い。とくに軍人社宅村の住人たち。人民班長ナ・ウォルスク(キム・ソニョン)などは、大島美幸森三中)を誇張したような人物。一方で、ジョンヒョクの母親・キム・ユニ(チョン・エリ)は、元女優ということで、外見、雰囲気が高峰三枝子にそっくり(笑)。

f:id:fpd:20201103114054j:plain チョン・エリ

f:id:fpd:20201103114134j:plain 高峰三枝子

f:id:fpd:20201103082212j:plain ジョンヒョクの部下たち

ジョンヒョクに忠誠を誓う部下たちも滑稽で面白い。お調子ものはどこの国にもいそうだ。主演のソン・イェジンは「私の頭の中の消しゴム」(2004)でしられる韓国の人気女優の一人。

・・・

スイスで聴いたあのピアノの曲は・・・。

途中では絶対にやめられないドラマだ。

「韓流ドラマは嫌いでも、”愛の不時着”は嫌いにならないでください!」という声がちらほら(笑)。